町工場で働き続ける男たちが一蹴する『3K』とは

工場で働く

日本の工場の99%を占める中小零細町工場は「ものづくり」を支える屋台骨。

企業団地だけでなく、都市部郊外に少し足を伸ばせばポツンポツンと街中に「鉄工所」という名の町工場を見かけることはあると思います。

 

その町工場の中が一体どんな環境なのか、そしてどんな仕事をしているのかは知らないという人も多いはず。

外から工場の中がチラリと見えるところもあるけれども、何を作っているのかもわからないでしょうし近寄りにくい空気がありますよね。

 

だけど、一旦その中に足を踏み入れて現場を見ると鼓動が速くなる人もいるのです。

町工場ほど楽しい職場はないし、男って何でこんなに ”ものをつくる” って楽しいんだろうかって感じる人たちは大勢いるんです。

その反面、町工場で働くことを蔑む(さげすむ)人もいる。

 

彼らの大きな違いはどこにあると思いますか?

 

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町工場が『3K』と言われる理由

町工場で働く時に必ずといってよいほど聞く単語が「3K」です。

この3Kこそが工場という現場のマイナスイメージを定着させているとも言えますね。

 

今では少し古い言葉になるのかもしれませんが「3K」というのは、町工場とは別のところで違う意味を持っていました。

それは、高学歴、高収入、高身長。

女性が結婚相手の男性として選ぶ3つの基準というやつです。

この3つがそろっていれば、とにかくモテるというわけ。

 

でも町工場で言われる「3K」というのは、全く意味が違う。

工場のマイナス点を揶揄した別の意味で使われ、汚い、危険、キツイということを指して3Kと言うのです。

 

多くの人はこの言葉だけが頭に突き刺さり、町工場で働くって気が知れないわ~なんて思ったりするんでしょうか?

でも、実際に町工場では多くの男たち(中には女性も)が毎日働いています。

本当に町工場が汚くて、危険で、キツイだけの職場なら誰も働かないと思いませんか?

 

私は物心ついた頃から、おじいちゃん、お父さんが金属加工の仕事をしていたのを見ていたので、全くそういう感覚はなく、恥ずかしながら町工場で働くようになってから「3K」という言葉を知りました。

 

では、実際に町工場の「3K」が事実であるのかどうかを私の職場や周囲の協力会社の状況に当てはめて考えてみる。

 

町工場は汚いのか?

工場でどんな製品を作っているのか、どんな方法で作っているのかなどによってその環境は大きく異なりますが、食品の製造ラインのうよな工場でない限りは汚れます。

 

というのも、私が働いているような金属部品加工業界では工業用の油を使います。

 

 

その油が飛び散ったりすることもあります。

衣服にこびりつくこともあります。

また、金属を削れば削りカスが散らかります。

 

大手工場では、白い作業服の着衣が義務付けられており作業を終えた時に汚れていたら、どこで汚したかをチェックさせているなんてこともありますが、小さな町工場では汚れ放題です。

工場の現場で1日中作業をしていて全く汚れないということは100%あり得ないでしょう。

それが町工場というものです。

 

まぁ、頭からつま先までドロドロに汚れるようなことはありませんけどね。

 

ただ、いちいち汚れることを気にしていては、町工場では働けません!

汚れは働く男の象徴です!とでも思っておきたいですね。

 

町工場は危ないところなのか?

町工場には様々な機械があります。

それらは仕事をする上で無くてはならないもの。

 

でも、一歩間違えれば ”死” は隣り合わせなんです。

 

それくらい、注意をしてもし過ぎることはないと言いたい。

ちゃんと使い方、ルールを守ればなんてことはありませんが、それでも仕事中の事故は多い。

 

 

例えば、よくある話はプレス加工で指を無くした。

旋盤加工で腕が巻き込まれた。

軍手をはめてボール盤を操作していると指が巻き込まれて折れた。

フライス加工で回転している刃物に衣服が巻き込まれて大けがをした。

などなど。

 

危険のオンパレードです。

だけど、これらの事故のほとんどは各々の過失によって起こります。

注意力散漫や勉強不足などが原因なんです。

 

仕事の前日に深夜まで夜更かしをし、大あくびをしながら出勤。

寝ぼけ眼で機械操作。

これをすると非常に危険です。

 

目の前には殺人凶器にもなり得る工作機械があるのだから。

町工場で働く限りは、ちゃんと睡眠管理をしないといけません。

我が身は自己管理で守るしかありません。

 

夜の寝つきが悪いんだよね~って人は下の記事を読んでみてください。

 

 

町工場の仕事はキツイ?

仕事がキツイかどうかの判断は非常に難しいと思いませんか?

人それぞれ、同じ仕事をしていてもキツイと感じるかどうかは分かりませんし。

 

私などは、売れっ子芸能人のように休みもなくひたすら走り続ける方がもっとキツイかもしれないと思うのです。

 

どんな仕事をしていても、時にはしんどいなぁと思うことはあります。

いつでも楽しい!おもしろい!っていうことだけの仕事があれば最高ですけれど、そんな甘くないですよね。

 

 

町工場の場合、製造ラインであったり工作機械の操作であったりすると、1日中立ち仕事になることが多いです。

あるいは、冷暖房設備がない工場も中にはあり、夏は汗がダラダラ、冬は歯をガクガク言わせながら作業をしているところもあるみたい。

うちは違うけど。

 

それも、就業した工場の環境にもよりますね。

一概に工場だけがキツイとは言えないと思う。

 

体力もすんごい消耗するだろうなぁと思いがちですが、案外続けていると慣れてくるもんです。

1日の終わりは「あー疲れたぁ」となりますが、帰ってからのビールが美味い!という声は多いんです。

やりがいってものはあるかもね。

 

町工場で働く意味ってあるの?そんな質問するやつはナンセンス

現に、私が町工場で働いているからというのもあるが、たまに頭の良いエリートさんから「町工場で金属加工の仕事をする意味がわからない」なんてふざけた言葉を投げかけられることがあります。

 

ものづくりをバカにしているとしか思えませんよね。

どういう意図でそんな発言をしているのかは知りませんが、我々がいるから世の中の産業が回っているんですよ。

世の中にあるものはすべて、作る人がいるからそこに存在しているんですよ。

 

それをバカにしたらあなた、罰が当たるよ。

 

町工場で働く男たちは、巷の『3K』なんか一蹴して、世の中のために色々なものを作っているんだよ!

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