PDCAはもう古い!?部品加工の工場現場の問題を改善する方法

工場で働く

部品加工をしている加工現場では日々、色々な問題が発生しますよね。

全体的に納期遅れが日常化している。

加工ミスが多い。

などなど。

 

今日は毎月定期的に社内で実施している勉強発表会の日でした。

本日の発表者は社内最年少のF君ですが、彼の発表テーマは「現場での日常について」。営業担当も参加するので工場の現場では日々どのように仕事をしているのかを伝えるという点では良かったかもしれません。

その発表会で社内工場で起こっている問題点と対策を彼なりに発表してくれたんです・・・が!

 

結論は問題提起はできているが答えが無いような発表だったのが残念でした。

もちろんダメ出しをして補足はさせてもらいましたが、これも発表会ならではです。

 

今回は部品加工をしている現場ではどのような問題が起こり、どうやって対策すればよいのかについてPDCAはもう古い!?という点を交えて書いてみます。

加工工場で起こりうる問題点

部品加工をしている工場では以下の2つが常に大きな目的となります。

  • 納期を守る
  • 品質を守る

 

”納期を守る”ということは、加工スピードをいかに速くできるか、納期管理ができているかということが課題になることです。

”品質を守る”ということは、いかに失敗を無くすか、検査ができているか、ということが課題になります。

 

では実際に加工の現場では何が起こっているか。

 

加工が遅い人

あなたの会社にも居ますよね?とにかく手が遅い人。

「なんでこの部品の加工に2時間もかかってんの!?」と上司に怒られたりしている人いませんか?

 

手が遅いのはいくつもの理由が重なっている結果ですので、これ!という答えはないのですが。

  • そもそも加工手順を間違えているので、段取り換えが多い。
  • 1つ1つの加工に慎重になり過ぎて遅い。
  • 加工方法を考えている時間が長い。
  • CAD/CAMで加工プログラムを作るのが遅い。

こういった理由例がありますけど、総じて言えるのは最適な加工手順が見えていないことが大きな理由です。

 

初心者さんが加工スピード遅いのはこれが理由であることがほとんどです。

過去スピードを上げたければ、フラッシュカードのように、図面を見てパッと何となくでもよいので「こうやって、この手順で加工する」というのが頭に浮かぶくらいにならないといけません。

CAD/CAMを使うにしても、そもそも加工手順を設定しないとプログラムは作れないですよね。

CAD/CAM操作そのものの慣れは別ですが。

 

加工手順がすぐに思い浮かばないと、作業自体にも余裕が出ません。

マシニングセンタやNCフライスで1つの部品を加工している間、自動送りをかけている時間には次の部品加工の段取りもしておいて良いくらいです。

それくらい余裕を持って仕事を回していかないと、そりゃ時間が掛かって納期が間に合わなくなることもありますよ。

 

加工品質が悪い人

誰も粗悪なものを作ってやろうと思って部品加工している社員はいないと思います。

でも、なぜか不良が多いという人もいますね?

 

何故でしょうか?

その理由は、確認作業を怠っているからということと、最適な工具を選び最適な加工方法で加工していないからです。

 

その加工はその工具じゃダメだよ!ということを知らずにやっちゃってペケを出して怒られている人が多いです。。。

極端な話、公差が厳しい穴の加工をドリルでガバッと加工して「すいません。穴が公差より大きくなってしまいました・・・」とか、熱処理して仕上げ研磨しないといけないのに熱処理前に仕上げてしまっていたり。

勉強不足の一言に尽きます。

 

そもそも、ちゃんと図面を見ているか?形だけしか見ていないのじゃないか?と言われている人はしっかりと部品加工のことを勉強しましょうね。

改善点としては、実際に削る前に赤ペンで加工する部位を印つけるとか、加工が終わったらちゃんと測定することから始めましょう。

 

加工現場の状況を改善するPDCAは古い?

PDCAというのは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)のことで、よくPDCAを回さないといけないよと聞いたものです。

でも、最近はOODAの時代ですなんてことも聞いたりします。

OODAはObserve(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)のこと。

 

PDCAがサイクルである一方で、OODAはループであるため途中で変化に応じて引き戻すことも可能という点という主張があります。

個人的には、小さな町工場でこのようなロジックを述べたとて・・・ということが言えるのではないかとも思ってしまったりします。

 

結局は現場を改善すると思われる方法をやってみるしかないのです。

話はそれからです。

小さなこと1つからでもよいから、やってみるんです。

 

例えば、マシニングで加工を自動で行っている間に他の人が加工した品物の検査をするとか。

次の仕事の段取りをしておくとか。

定期的に今、市場に出ている新しい工具について使ってみる価値があるのか、費用対効果は望めるのかなどを議論して試してみるとか。

色々と各会社の工場ごとにやっていないことありますよね?

工具の整理だって環境改善の1つだと思いますよ。

 

なので、PDCAは古いわけではないです。

自然とそのサイクルは回っていくものであり、PDCAが何かを議論することは製造現場においては重要ではなく、あくまでも指示を出す指揮官が頭にいれておけばよいだけです。

工場改善で最も大事なことは「強制」

部品加工の工場環境を改善するために最も大事なことは「強制」です。

言葉の表現だけを見れば批判も多くあるかと思いますが、人はそれをした方が良いとわかっていても面倒くさがりな生き物ですから、なかなか出来ないものです。

 

組織のルールとして誰かに強制されてこそ、改善するための行動を起こすと言っても過言ではないと自分の会社の工場を見ていて感じています。

ルールを決めて行動させることでPDCAを語ることができるわけですから、あなたが工場のリーダーであるならば、是非ともルールを作って社員に実行させましょう。

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