中国部品加工業者の見つけ方と取引方法

中国部品加工業者

中国の部品加工業者と直接取引ができれば、日本の外注先よりも安く部品調達ができて価格競争力が高まる可能性が高くなります。

それに、既存の外注先では対応できないものも、中国製なら対応できるかもしれませんから是非とも中国メーカーは見つけておきたいところ。

 

今の時代、中小零細企業が中国業者と付き合うことは特別なことではありません。

 

とは言うものの、どうやって中国部品メーカーを見つけたらいいのか?

どうやって取引をするのか?

分からないことだらけでは、前に進むことができません。

 

ここでは、中国部品加工業者の見つけ方から付き合い方まで、例を紹介していきます。

中国の協力会社って、どうやって見つける?

何のツテもないという人が中国の部品加工業者を見つける方法は大きく分けて2つあります。

  • 中国メーカーに自社を見つけてもらう
  • 自分で中国メーカーを探す

このどちらかです。

 

中国メーカーに見つけてもらうって??

中国企業側から「取引しませんか?」と声をかけてもらえると、すごく楽ですよね。

いわゆるDM(ダイレクトメール)をもらうのを待つのです。

 

会社のホームページを作って問い合わせフォームを用意したり、メールアドレスをホームページに掲載しておくことで自社のホームページを見た中国企業がDMを送ってくることがよくあります。

ホームページもあるし、問い合わせフォームも用意しているけれど、中国メーカーからDMなんか来たことないぞ・・・という人は、ホームページの作り方を間違えている可能性もあるので見直しが必要です。

 

特に従業員100人以下の小規模な中国部品加工業者がDMを送ってくることが多くて、中小企業ほど売り上げを伸ばすために必死なので頑張ってくれる確率は高いです。

ただし、実際に取引をしてから現地視察をするようになって初めて実態が分かるということも多いので注意は必要です。

 

あともう1つは、自分から中国メーカーにアプローチをする方法もあります。

中国メーカーの見つけ方はイプロスなどの製造業マッチングサイトを利用するのが手っ取り早い。

イプロスならば、中国メーカーも複数登録しているのでマッチするメーカーが見つかるかもしれません。

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中国企業との連絡は日本語?中国語?英語?

言語

一度試してみたい中国の部品加工業者が見つかったら、見積依頼や注文、その他のやり取りをしないといけません。

 

相手は中国人だし、コミュニケーションは中国語?

それとも、英語?

いや、日本語で通じるのかな?

ちょっと不安になってきた・・・

 

という心配は不要です。

ほとんどの場合は日本語でメールも通話もOKです。

というのも、日本の企業にアプローチしてくる中国メーカーには、たいてい日本語ができるスタッフを常駐させているからです。

 

中国企業との取引通貨は円?元?ドル?

通貨単位

さぁ、中国の部品加工メーカーと取引するぞ!となってから思うのは、代金の支払いってどうしたらいいの?ということ。

今まで、国内取引しかしてこなかったという会社の方が多いかと思うのですが、通常なら現金振り込み、手形などですよね。

 

でも、中国相手だと国際送金になるよな・・・・

というか、通貨単位は?

 

日本の通貨は「円」

中国の通貨は「元」

ですよね。

 

その答えは「何でもよい」が正解です。

取引を行う双方の会社で通貨単位を決めればよいだけなんです。

 

中国メーカーへの支払いに【消費税】は必要?

日本国内での取引の場合、一般的には消費税を入れますよね。

1万円の部品加工依頼をしたら、11000円の請求がきます(消費税10%)。

 

じゃあ、中国の部品加工メーカーに加工依頼した場合は?

国際取引をしたことがないと、頭が混乱するかもしれないのですが、中国メーカーに部品加工を依頼する時は消費税を注文書に記載する必要ありません。

そもそも、消費税というのは日本国内だけの税です。

 

なので、中国メーカーに1万円の部品加工依頼をしたら、1万円の請求があります。

その代わり、中国から日本に荷物が港に入ってきたら、その荷物に添付されているインボイスの金額に対して消費税が加算されて税関(国)に徴収されるのです。

なので、インボイスはキッチリと記載しないと税金計算がおかしくなるんです。

 

インボイスの金額操作ですごい大金の追徴課税をくらった会社があるという話を過去に聞いたことがありますのでご注意ください。

中国からの荷物の輸送方法とインボイス

中国部品加工メーカーに発注をかけて製作してもらった部品を日本に送ってもらう方法としては、船便か航空便のどちらかになります。

小物、軽い物は航空便で送るのが一般的です。

 

輸送にかかる日数は、通常であれば航空便なら2-3日程度ですが、通関に引っかかったり重い荷物を発送したりすると、一週間くらいになったりすることもあります。

船便ならば通常は1-2週間くらいを目安にしておくとよいです。

 

特に最近は納期が厳しいお客さんが増えてきたようにも思えますので、中国メーカーに依頼する場合は輸送日数をできるだけ多めに考えるようしておくべきです。

ギリギリのスケジュールで仕事を進めてしまうと、荷物が届かない!!どうしよう!!!という事態に陥ります。

 

輸送で注意したいこととして、インボイスの内容について言及しておきます。

インボイスとは明細書のことで、輸入品の品名や数量、価格などが記載されたもの。

パッキングリストと併せて発送時には中国メーカーが製作することになります。

 

そのインボイスの内容ですが、中国メーカーによってはこちらが発注した価格よりも安い金額を記載してくることがあるんです。

例えば、1万円で部品製作を依頼したのにインボイスには500円とか書いてくるんです。

 

この理由は中国国内での税金を安く抑えるためらしいですが、日本に入ってくる時の金額が500円になってしまいますので、消費税などの計算が本来とは異なってしまいます。

仮にあなたが1万円で中国メーカーに作らせて1万5000円でお客さんに販売する場合は、1万5000円に対してお客さんから消費税を徴収しますよね。

しかし、中国メーカーからは500円で入ってきたことになるので消費税の差額分を脱税していることになってしまうのです・・・

 

これを放っておくと、後で税関から突っ込まれた場合に多額の追徴課税が課せられるのでご注意ください。

中国メーカーに伝えて、金額をちゃんと記載するようにお願いするか、どうしても無理っぽいようならそのメーカーは使わないようにするか、あるいは、インボイスの修正申告を自分で行ってください。

通関で荷物が引っ掛かる・・・その理由とは

中国メーカーと取引をして荷物を発送されるようになると、みんながぶち当たる問題があります。

それは荷物の遅延

 

航空便の場合ですと、発送された荷物の追跡をインターネットでできますが、発送されてからいつまで経っても中国から荷物が動かないという事態に直面することがあります。

荷物が日本に入って来ているのなら、運送会社に問い合わせをすることで何かしら動きようがあるんですけど、中国現地に荷物がある場合はどうしようもありません。

 

荷物の遅延が頻繁に起こるようならば、何かしら理由があるはずです。

その理由と対策方法については「中国からの荷物が通関で引っ掛かる!?その理由と対策方法」で記載していますので参考にしてください。

 

中国企業に部品加工を依頼した場合の納期は?

中国に部品加工を依頼すると、よほど加工に時間がかかるような複雑なものでなければ平均的に1か月以内と考えてよいかと思います。

焼入れや表面処理がないものだと、2週間くらいの納期が多いです。

 

ここで言う納期とは、発送日までの日にちと考えてください。

2週間くらいでモノが届くというわけではないです。

 

中国メーカーとの付き合いが長くなり、毎月のように発注するようになると1週間以内に発送してもらうような超特急案件の相談などもできるようになります。

しかし、超特急ばかりが続くとメーカーもしんどいので、ほどほどに。

一応、見積時に発注後の納期確認もしておきましょう。

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中国製部品の品質と価格

まだ中国メーカーと取引がないうちは、中国製部品は安いだろうという期待感が高くなるのと同時に中国製の品質に対して不安が高まると思います。

中国製の品質は日本製と比べてどうか?

 

正直に言うと、品質は良いです。

メーカーにもよりますが、日本の企業にPRしてくる中国メーカーは品質が良いところが多い。

なので、よほど難易度の高い部品でなければ、さほど品質に心配する必要はありません。

 

それよりも問題になるのが材料と熱処理と表面処理です。

 

加工メーカーではどうしようもない問題でもあるのですが、材料が日本製とは違うので材料品質があまり良くないということはあるかもしれません。

まぁ、問題になる頻度は低いですが「作った部品を使用していると、すぐに割れる」というようなクレームが来たら要チェックです。

とりわけ超硬金属は日本製の方がよいかなと思います。

 

あとは、熱処理や表面処理も地域によっては品質が悪いこともあります。

なので、そこは中国メーカーと話しをして、表面処理だけは日本でやるとか対策を講じましょう。

 

価格については、やはり中国製が安いです。

しかし、中国製は絶対に安いという固定観念は持たない方がいいかも。

 

確かに、単品部品の価格は日本製に比べると安いものが多いですが、ケースによっては中国製よりも日本製の方が安くつく場合があります。

何でもかんでも中国製で安く作るというのは間違いということですね。

 

また、取引が極端に少ない月は中国企業への振り込み手数料のことも考えないといけません。

国際送金にかかる手数料は1件につき7000円くらいするので(取引銀行や送金金額によって異なります)、中国メーカー1社に対する月の利益が最低でも7000円以上ないと赤字になってしまします。

つまり、毎月コンスタントにそれなりの発注をしないと価格メリットが無くなるわけです。

 

中国製で出てしまったNG品の対処はどうする?

ng

中国製に限らず、部品加工の世界ではNG品(不良品)という問題がつきもの。

中国メーカーで作ったものがNGだったら、大至急、再製作をすることになりますが、中国メーカーで再製作するのか、納期が無いので日本国内の協力会社で特急製作してもらうのか。

 

「中国の部品加工メーカーに作ってもらった部品にNGが出た時の対処法」で記載していますが、それぞれの場合で問題点などがあるので確認しておいてください。

 

あと、不良品ではないですが、中国メーカーで見積りをしてもらって発注したものなのに

「よく図面を見たら加工ができないことがわかりました。すいませんが、注文キャンセルでお願いします。」

なんて言われることもあります。

 

マジ!!??

ちょっと待ってよ!!!

ということもあるので、見積り依頼をする時には図面をよく見てから注意点などがありそうなら追記してあげるよう、少し手を加える意識を高めておくことをおススメします。

日本なら説明のいらないことでも、中国相手だとそうはいかないことだってあります。

例えば「ケガキ線」って何??というようなこととか。

 

中国の大型連休に注意!!日本と違う休みで納期調整必須

中国と日本では、年間の連休(祝日)が異なりますので、毎年、中国メーカーの休みはいつなのか?を確認しておいた方がいいです。

中国の主な祝日、連休は意外と多いんです。

  • 元旦(1/1~1/3くらい)
  • 旧正月(春節)(その年によって変動するが、1月終わりから2月前半が多い)
  • 清明節(4月前半)
  • 労働節(5月前半)
  • 端午節(6月半ば)
  • 中秋節(9月半ば)
  • 国慶節(10月前半)

 

日本では1年の最初の連休が、年末年始ですよね。

中国では、旧暦の正月(春節)を盛大に祝う習慣があるため、日本とはお正月が異なります。

旧正月は毎年変動するのですが、だいたい1月終わりから2月前半くらいになります。

 

1年のうちで、最も長い連休になるのが旧正月でもあるので、2月前半納期の仕事は中国メーカーに依頼できません。

最近、2月前半納期の仕事がやたらと多いなぁと感じる人は、もしかすると、その仕事はもともと中国でやるつもりだったけど、旧正月が理由で日本国内でやるしかなくなったという理由で来ているのかもしれないですよ。

 

中国は旧正月があるから、元旦は稼働しているのかというと、そうではなくて休んでます(笑)

ただ、メーカーによっては1月1日だけ休みで、12月31日も1月2日も仕事していますというところはあるようです。

 

あと、案外落とし穴なのはゴールデンウイークです。

日本では正月の次に来る大型連休です。

この間に中国で部品加工してもらっておこうかなと考えている人はいるかもしれませんが、中国も日本と同じく連休です(労働節)。

おもいっきり休みがかぶっているので、GWはそもそも納期調整するようにしないと無理ですね。

 

インターネットで「中国の連休」と調べればカレンダーが出てくるので確認しておいてください。

まとめ

中国メーカーの探し方から、取引について私が経験してきて思ったことなどを記載しましたがいかがでしょうか。

なかなか、自分で取引するのは・・・

と尻込みしそうでしょうか?

 

まぁ、自分で取引するもしないも自由ですし、面倒だなと思えば中国メーカーと取引している会社に委託すればよいだけです(少し利幅は減りますが手間賃だと思えばいい)。

弊社(有限会社平野製作所)では中国メーカーと部品加工の取引をしていますので、気になる部品があれば見積りは取りますので info@hirano-s.jp までメールでお問合せください。

 

中国メーカーと取引をするようになり、仲良くなっていくと現地視察ということもする時があるかもしれません。

中国現地へ行って、実際に工場を見せてもらって今後の相談をするなど親睦を深めることでさらにパートナーシップが強化されるでしょう。

是非、現地試作してみてください。

 

私も何度か中国現地視察しています。