あなたは思わぬ失態から火傷をしてしまったことはありますか?
小さな子供をお持ちなら特に気を付けておきたいことでもありますよね。
アツアツのお鍋とか、ストーブとか。
子供は火傷をするってことを知らないですから心だけは無敵ですよ。
火傷といっても、症状の大小は幅広く低温火傷やちょっと赤くなる程度の軽い火傷から、皮膚を突き破って筋肉組織まで浸潤した大火傷まであります。
一応、火傷のステージってI度~Ⅲ度まで分けられているのですが、表皮だけの軽い火傷でピリピリする程度はⅠ度。
Ⅲ度まで重症になると表皮近くの細胞は壊死していることになるので、痛覚すらも失われてしまい痛みすら感じないこともあります。
こうなると、もはや民間療法なんてレベルでは到底対処できませんので速攻病院送りになる。
今回お話する私が体験した火傷は、これらの中間くらいのレベルで、ステージならⅡ度に相当します。
真皮上層あるいは、真皮深層で留まる火傷で、水ぶくれができたり、皮膚が白くなったりします。
真皮上層で留まる場合は特に痛みが強く出ますので、まさしく私が味わった痛みの苦痛はこれですね。
私が何をしてそんな火傷をしたのかというエピソードから、その火傷が『マムシ酒』でキレイさっぱり治った奇跡をご紹介しよう。
本当に信じられない体験でした。
火傷を起こしたゴミ焼きの日
昔、私が小学生の頃は大阪に住んでいたのですが、夏休みになると7月の終わりから8月末までずっと父方の田舎である広島で過ごしていました。
1990年頃のお話です。
周りは田んぼや畑、川に山くらいしかない本当の田舎。
自然いっぱいの田舎での1か月あまりの夏休みが毎年楽しみだったのです。
もう、今から25年くらい前当時、広島の山奥の田舎では生ごみ意外の紙クズなどの小さなゴミはまとめて庭で焼いていたんです。
一斗缶の側面に穴を開けたものにゴミを入れて、新聞紙に火をつけて入れる。
今じゃそんなことしたら、ウゥ~!って消防車がすぐに飛んできそうなもんですが、時代が違ったんですね。
火傷事件を起こした当日
繰り返しますが今から25年も昔の話ですから、詳細がうろ覚えになっているところもあるので話を少し盛っているかもしれないことをご了承してね(笑)
まるっきりのウソは書いていませんから。
さて、晴天の夏休み。
「ゴミ焼き」という名の火遊びがしたいお年頃のクソガキ小学生だった私は、部屋の簡易ゴミ箱が紙くずなどでいっぱいになっているのを察知し
「じいちゃん!ゴミいっぱい溜まってるでぇ!」
そう訴えるわけです。
とにかく火を起こしたい!燃やしたい!ってヤバイやつみたいな心理状況ですな(怖・・・
炎って眺め続けると、なんか不思議に思えてくる時があるんですよ。
無心でボーっとゆらゆらと揺れている炎の尻尾を見ると、なんで炎って掴めないのに形が見えるんだろう?
燃えるって何だろう?
なんで炎の色は燃やすモノによって変わるんだろう?
などなど。
理科や科学の本で勉強すりゃいいけど、それだけじゃ満足しきれない何か変な感覚に包まれるんですよ。
上手く言葉に表現できないもどかしさがあるな。(語彙力の勉強せねば・・・)
ゴミが溜まっていると訴えた私の言葉に、じいちゃんも「ほうじゃのう、ゴミを焼こうか」とGoサインを出してくれます。
もちろん、小学生の私たちが勝手に全部はしません。
じいちゃんがゴミを焼く”お手伝い”という名のちょっかいを出すわけです。
暑い夏の真昼間に熱い炎を燃え上がらせながらゴミを焼きます。
火傷の元凶は落ちていた錆びた一寸釘
庭のゴミ焼き専用の一斗缶の中に入れて焼けるのは、焼けるゴミだけ。
超アバウト。
でも、いいんです。昔だから。
大体は、紙くずとかですが落ち葉も焼いたり、菓子パンの袋みたいなビニールだって焼いちゃう。
ダイオキシンがモンモン出ていたかもしれんね。
環境汚染や。
でも、いいんです。昔の話だから。
ゴミはステンレス製のゴミはさみ(トング)を使います。
「あっ、釘落ちてる」
運悪く見つけてしまったのが、庭に隅に落ちていた錆びて曲がった一寸釘です。
さすがに小学生なので、釘がこれくらいの炎で焼けないことくらいは分かっていましたが、ちょっと興味本位で炎の中に入れてみたくなったんですよね。
わかっちゃいるけど、やってみたいというやつ。
こっそり、じいちゃんの目を盗んで炎が揺れる一斗缶の中へ投入~
ゴミ箱に一杯だったゴミも無くなり、ほとんど鎮火すると最後は完全に一斗缶が冷めるまで庭の端に置いておきます。
ですが、一寸釘を入れた私は釘が気になって仕方ないわけです。
トングを使って一斗缶の中をほじくります。
墨になったゴミたちの間をゴソゾゴを探るわけです。
ありました。焼け残った釘が。
見た目は黒くなっているだけ。(当たり前や)
私は手に軍手をはめていたんですが、何かそれに安心していたんでしょうか?
「手袋してるから・・・」
そんなおバカな私は。
あかんで!
あかん!
触ったらあかん!
・・・
・・・・
・・・・・
ジュワァ~!!
あづいぃぃぃ!!!!
一瞬でしたね。
手にはめていた軍手は焼けて穴が空き、手は錆びの色か軍手の焼けた色かもわからないような緑色と白色が混じったものが付着しました。
めちゃめちゃ怒られた。。。
たぶん、こいつアホやわって思われただろうな。
軍手にどんなけ防御力があると過信していたんだろうか。
そして、何で釘を触ろうと思ったんだろうか。
謎である。
火傷をした右手の親指と人差し指は軍手を外してすぐに冷水で冷やしましたが、白くなり超ピリピリ痛みが続きます。
コップに氷水を入れて指を突っ込んでいるしかなす術がなく、ヤベーなぁと思っていたはずです。
コップに指を突っ込んでいる間は火傷の痛みはマシになるんですけど、コップから指を出すと途端に痛いんですよ。
どうしよう。
そう落ち込んでいる間、じいちゃんは奥の部屋へと向かい何やらごそごぞしているんです。
じいちゃんが持ってきた火傷の薬は自家製の『マムシ酒』
火傷の民間療法にはアロエって聞きますけれど、マムシ酒はあまり聞きませんよね。
じいちゃんはこのマムシ酒が効くと信じ込んでいたのです。
マムシ酒は火傷にも虫刺されにも効くんだぞ~!って言っていたよ。
まるでオロナインみたいやんけ。
その時はとりあえず、じいちゃんの言う事を信じて火傷した指先を委ねました。
火傷をした時の基本的な対処法
マムシ酒が効くとか効かないとかはひとまず置いておいて、何を使うかということよりも大事なことは火傷をしたらすぐに水で冷やすことです(1時間くらい)。
火傷の重症度(深さ)は温度x時間で決まります。
これが基本。
体温よりも少しでも高い温度に皮膚が触れ続けていると火傷を起こすことがあり、例えばホットカーペットの上で寝てしまい、長時間同じ部位が暖め続けられると低温火傷を起こします。
これも、温度x時間ですね。
低温火傷の場合は、高温で短時間火傷をした時に比べて深度が深くなることが多いようです。
火傷をしてすぐに冷やすのは1日目のみで、2日目以降は皮膚保護をしなければいけません。
上皮が損傷してしまっている場合は、1週間程度かかるとは思いますけど上皮化するまでは入浴をしたりして濡らさないようにしておくことも大事。
また、水ぶくれができてしまったりすることもありますし、上皮の損傷によって二次的に感染症のリスクを伴いますが民間療法では特に注意が必要ですね。
水ぶくれに関しては、潰すか潰さないかで意見が分かれますがどちらでも良いでしょう。
いずれにしても、濡らさないように皮膚の保護と消毒はしておくべきです。
もしも、広い範囲に火傷をした場合は有無も言わさず病院へ行きましょう。
勝手な判断で民間療法に頼ると、予後が悪くなったり傷が残ったりしやすくなります。
じいちゃんの『マムシ酒』の作り方
今回、私が火傷を負ったのは水ぶくれができるかな?できないかな?というレベルで、肌は白くなりピリピリ痛むが出血は無い状態でしたので、火傷のステージならⅡですね。
火傷をしてからすぐに水で冷やしていたのも功を奏していたかもしれません。
じいちゃんが奥の部屋から一升瓶に入ったマムシ酒を持ってきた時にはびっくりしましたけどね。
瓶の中にはもちろんマムシが。
しかも自家製だという。
すげーな!じいちゃん。
マムシも自分で捕まえて、糞便等を全て出し切らせてから焼酎に漬けるんだって。
捕まえたマムシと少しの水を一升瓶に入れて、数週間はマムシの腹の中にある内容物(糞便)が全て出てしまうまで置いておきます。
糞便で水が汚れてしまうので、毎日、瓶の中の水は交換しますよ。
そして、いよいよマムシの糞便が出ない頃になると焼酎(アルコール度数40度以上)に漬けるわけです。
焼酎に漬ける時にはマムシが盛大に暴れるらしい。
そりゃそうだよね。
実際にマムシ酒を作っているところは見たことがありませんが、想像するだけでもキツイ。
マムシ酒は市販品でも売られているようですが、2年もの、6年ものなどの古酒に相当するようなものまであるようですね。
しかも、意外と安かったりするんです。
飲み方は水で割るのがスタンダードで最も飲みやすい方法らしい。
ストレートではアルコール度数も高すぎるし、クセも強いので到底飲めそうにないと言われていますね。
購入者の多くは滋養強壮、精力向上目的らしいですけど。
沖縄だとハブ酒が有名ですね。
マムシ酒の火傷に対する効果・効能
まず焼けた一寸釘に触れてしまった人差し指と親指を水道水で冷やします。
この後、コップに少し入れたマムシ酒に滅菌ガーゼをピンセットで浸します。
マムシ酒を浸して湿らせたガーゼを火傷の部位にペタペタ付けていき、その上から包帯でグルグル巻きにしました。
あとは、2,3日放置するだけ。
とにかく、ニオイがたまらなく臭い!もし、これを普通に焼酎として飲む人がいたら尊敬するわ。
どんなけ臭いかというと、寝る時でも無意識に指を顔から遠ざけるくらいだ。
焼酎の色は琥珀色みたいでした確か。
市販されているマムシ酒は透明なものが多いですけど、この違いは何でしょうか?
じいちゃんの漬けたマムシ酒がめちゃめちゃ古いやつだったのかもしれませんが、何年物のマムシ酒だったかまでは聞いていないので分かりません。
でも、信じられないですけど火傷をして真っ白になってしまった指は翌日には大幅に治癒されているようで、痛みもかなり少なくなっていた記憶があります。
その後もマムシ酒を染み込ませたガーゼを付けては包帯を巻く作業を2,3日続けたのですが、跡形もなくきれいに火傷が治りました。
ちなみに、私の弟もかつて田舎の広島で幼少期に右腕に熱湯をかぶってしまった事故を起こしているのですが、この時もマムシ酒で火傷の跡すら残さず完治させたと母から聞きました。
流石に火傷の跡は覚悟したようですが奇跡や!と言っています。
マムシ酒が火傷に効果があった理由を考察
マムシ酒に関する情報は色々あります。
科学的な根拠はないものの、もちろん火傷に効くという情報も含めて筋肉痛に効果があるとも聞きますし、痛み止め代わりにもなるという意見すらある。
打撲や火傷を速やかに治療してくれるというマムシ酒だが、何で効くのかは解っていないのです。
むしろプラシーボ(プラセボ)効果という思い込みによって効いているんじゃないのか?という意見もあるようだが、少なくとも私の場合はそもそも効くとか効かないとか言う以前の問題でもあったにも関わらず、火傷に効果があったのでプラセボ効果ではなかったことは間違いない。
日本には薬用酒と呼ばれる少量の引用を続けることで健康を助けてくれるというお酒の分類がある。
多くは生薬を複数配合されたお酒であり、滋養強壮が目的となっています。
ただ、あくまでもお酒でありアルコールを含むため未成年者は控えることが望ましい。
マムシ酒も同じく薬用酒に分類されるのかもしれません。
マムシの中には体の色が赤っぽい個体のものがいて、これらを「赤マムシ」と呼び伊豆大島に多く生息するらしいです。
この赤マムシは加熱処理をして乾燥・粉末したものは生薬として利用されることもあるくらいです。
内臓も含めて全体を粉末にして利用することが多く、精力増強に「赤まむし」は結構有名ですしね。
他にも、赤マムシの皮を剥いで内臓を取り除いたものを「反鼻」と呼びます。
これは伯州散(ハクシュウサン)という漢方薬にも配合されていますし、「マムシ」と名前が入っている栄養ドリンクにも使用されていることは多い。
私のじいちゃんの自家製マムシ酒を見ても、マムシそのままを焼酎に漬けているわけですから、内臓物も皮も関係ありません。
マムシ酒に使用している焼酎のアルコール度数は40度以上と高めであるが、このアルコール(エタノール)がマムシの腐敗を抑制し、脱水させることで栄養分を抜き出していることは間違いないだろう。
だけど、具体的にどのような成分が染み出しているのかは不明であり、あくまでも長い人類の歴史から得られた経験論しか説明する道具がないのが現状です。
少なくとも、火傷に効くということは炎症反応を素早く抑え、皮膚の細胞分裂を促していることが言える。
また濃度の高いアルコールによって、幹部の過剰な水分を奪うことで火傷の回復を促していることも考えられる。
なんだかしっくりこないまとめになりそうだが、これしか書きようがないんですよ。
でも、私の経験もマムシ酒の効能の歴史の端っこに記録されたことは間違いないのだ(笑)