コロナウイルスの感染拡大により、会社が倒産し無職になってしまったという人も多いようです。
特に飲食店はひどい有様でしょう。
仕事を失ってしまった人は、また次の仕事を探さないといけませんよね。
とにかく飯を食っていくためには、収入が必要です。
求人媒体に登録したりして、仕事探しをしていると今まで経験したことの無いような職種にも応募してみたりすることもあるでしょう。
そんな中、工場の求人にも「未経験OK」と記載しているところが結構多くあります。
ものづくりは嫌いじゃないし、未経験OKと書いているからチャレンジしてみようかな
と安易に考えている人は要注意です。
大きな工場だったり、決まった製品を作っているメーカーの工場だったりすると、流れ作業が多くてルーチンワークが主になるので、未経験でも問題ないとされることもあります。
しかし、少人数の町工場になればなるほど毎日の作業がその日その日で違うということが普通です。
工作機械を使って単品小ロットの加工品を作っている工場だと、単調作業はほとんど無いので覚えなくてはならないことが山ほど出てきます。
そういった工場の求人では、あなたの思いと工場の思いには大きな乖離(かいり)があったりするので、それなりの覚悟と決意を持って工場の門を叩きましょう!!
工場の求人で「未経験OK」の真意とは
うちの会社もこれから新しい工場を建てて、新しい機械も入れてと計画をしているのですが、それに伴って求人を出すことにしました。
ここで悩むのが、経験者と未経験者です。
町工場のようなところの場合、経験者の方は即戦力となるのかならないのか、その判断が非常に難しいです。
経験者というだけで、給料も少し高くなりますが実際に作業をしてもらうと「前の会社とは作業内容が違うから」という理由で、なかなか売り上げへの貢献度が低かったりします。
なので、面接時には実技を見せてもらったり、加工図面を見せて加工プログラムを作ってみてもらったりということを確認するのが重要です。
一方で未経験者には2通りの未経験があると工場側は考えます。
本当に何も知らない未経験者
本当に何も知らない未経験者ですと、就職すると同時に全てのことを一から覚えていかないといけません。
どんなことがあるのかというと、
いや。無理っぽい・・・
と感じる人も多いでしょうが、実際は毎日の作業の中で覚えていくしかありません。
未経験だからといって、最初から詰め込んで覚えさせるということをする工場は無い。
最初は検査だけとか、日々の業務をこなしていく中で会社側があなたのスキルを見定めていき、仕事の内容も徐々に変わっていくでしょう。
研修期間というのは昔も今も求人ではあるようですが、実際、研修期間内だからといって会社側が「戦力にならない」として簡単にクビを切るということはできない時代になりました。
それ故、会社側は面接時に筆記試験をしたり、質問を色々として応募者の見定めを慎重に行わないといけません。
それでもって、すぐに辞められても困ります。
この人は挫折せずに長く勤務してくれるだろうか?というのが工場側の真意だと思ってください。
そして重要なこととして、年齢があります。
これから教えて覚えてもらおうという人が60歳とか70歳だと、現実的には厳しいというのは分かると思います。
40代、50代でも正直厳しいです。
部品加工の世界は、技術の世界ですから年齢が高いほど大変です。
若い頃に比べても覚えるスピードは衰えているでしょうし、老眼だって入りますから作業がスムーズに進まないことも多くなります。
なので、工場は20代~30代前半くらいまでが完全な未経験者としては受け入れ限界でしょう。
応募する側としては、
ということが気になるかと思いますが、そういったことは面接時に工場内を見せてもらったり、実際に働いている従業員さんに質問させてもらったりしましょう。
工場勤務の経験はあるけれども、応募先での作業内容について未経験
部品加工は経験あるけれども、応募先の工場でやっている内容については未経験という場合もあります。
例えば、うちの会社の場合ですと旋盤加工にずっと携わってきたけれども、フライス加工については未経験ですというような感じ。
全くの未経験者と比べると、基礎的な知識などはあるわけですから話はしやすいですよね。
部品の寸法測定とか検査などは問題ないでしょう。
そうなると、年齢は40代とか50代でも採用される可能性は高いです。
あとは、給料の問題だけ。
求人に「未経験OK」と記載している工場には、このような意図が隠されている場合が結構あります。
本当の未経験者だと、書類選考で落とされたり面接をしてもらっても採用されなかったりするのは、そういった理由があるからかもしれません。
未経験者でも必要最低限に求められること
未経験者OKだからといって、本当に何もできなくても良いというわけではないです。
ものづくりをするに際して本質的な部分で大事なことはあります。
工場勤務で致命的なことを挙げてみます
- 数字に弱い(計算がすごく苦手)
- 作業が雑
- 寸法測定が適当
- 要領が悪い
この4つです。
ものを作るということは、寸法がつきまといます。
寸法測定で「大体」という感覚は持たない方がよい。
小数点以下までしっかりと測定するという癖をつけることが必要です。
0.01mmの誤差で加工品がNGになるということはよくあります。
作業が雑なのもダメです。
精密な機械を使用することもあるので、雑に扱うと機械精度が悪くなります。
あるいは、製品を雑に扱って傷だらけにするとかもダメ。
あとは、日々の作業では段取りがとても大事です。
実際に加工するまでの準備にどれだけ時間を費やすかによって、会社の売り上げが変わります。
機械が動いている間に次の加工品の準備をする、工具をそろえておく、加工プログラムを作ったりするという隙間の時間をいかに効率よく作業するかであなたへの評価も変わります。
正直、デキル人というのは作業要領が良い人と言っても過言ではないかもしれません。
何年くらい働けば給料は上がる?
気になるお給料のことですが、最初に設定される年収にもよりますし、工場によっても違うので何とも言い難いですが最盛期で400~500万円くらいが平均じゃないでしょうか。
働き始めて2~3年単位くらいで少しずつアップ、もっと欲しいというのなら、加工だけじゃなく色々な管理とか営業もできるようにならないと会社としては採算が合わないです。
そもそも、機械を動かして加工をするだけで終わってしまうと、あなたの給料は頭打ちになります。
一カ月頑張ってあなたが機械1台で稼げるお金はいくらか?
絶対に限界がありますよね。
その限界以上のお金を給料として会社があなたに払うことはあり得ません。
まぁ、未経験なら最初から多くを求めすぎないようにしてね。
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