工場勤務の就職活動に『町工場』を選択肢に入れる人が注意すること

工場で働く

あなたが今、転職先の候補として部品加工をする町工場を入れているとして、それは何故でしょうか?

  • 昔から、ものづくりには少し興味があったから
  • 特別な資格がなくても就職できそうだから
  • 人と話すのが苦手で町工場なら機械を操作していれば大丈夫そうだから
  • 他に自分に合いそうな仕事が見つからないから
  • 町工場なら簡単に就職できそうだから

など、ほんの一部かもしれませんが理由となりそうなことを挙げてみました。

どうでしょうか?

 

正直なことを言うと、町工場は就職しやすいように思えるかもしれませんが、それほど甘く考えない方がよいです。

新卒・転職いずれにしても、工場勤務を希望し就職活動をする時に最優先で目がいく情報は年収と労働時間だと思うが、目に見えない工場独特の注意点があるのだ。

 

えっ!?そうなの?失敗したなぁ。。。。

こんなふうに就職して初めてわかったマイナスポイントなんてどこの職場でもあり得ることですが、ここでは町工場での注意点に絞ってみたいと思う。

あなたの町工場への就職活動の心構えとして参考にしてもらえればと思います。

町工場の就職で目指せる年収

町工場の年収

誰だって収入は多い方がいいに決まっていますが、町工場への就職を考えている時点であなたはどれくらいの年収を期待していますか?

もちろん、就職してすぐじゃなくて5年、10年先にはこれくらいは欲しいという金額でもいい。

想像してみてください。

 

さぁ!ぶっちゃけ、あなたなら町工場に就職して年収いくら欲しいですか?

正直に自分の会社への売り上げ貢献度やらを考え、これくらいならと思える金額はいくらですか?

 

よくネット上で見かける町工場での年収金額ほど参考にならないものはないなと思うが、1つのボーダーラインとしては年収400万らしい。

これを見てガッカリしたでしょうか?

でも、これ単なるネット上の情報であってたまたまそういう年収の人たちが心の叫びをオンラインに乗せて訴えているだけです。

町工場で働く人全員がそうであると勘違いしてはいけません。

 

もちろん、経験とか年齢にもよって違いますが、仮に完全な未経験となると求人情報を見ていると、平均して月収20万円前後の支給額くらいになっています。

でも、経験を積んでいくことで最初の数年は年収250~300万円の人も年収600万円くらいもらえるようになることも普通にあります。

それだけ町工場への売り上げ貢献度が高ければの話ですが・・・

 

町工場は大企業と異なり、目の前に見えている全ての事が会社の利益により直結すると思ってよいですし、モノを壊せば修理代がかかる。

加工を失敗したら、それまで費やした時間と材料費がパーになる。

 

会社としては「お前の給料から失敗(壊した)分だけ引いておくからな!」なんて言えませんから、それも見越して従業員の給料設定をしておかないといけません。

それでもって、デキル人は離したくありませんから高い給料を対価として彼らに払うのです。

 

町工場で年収を上げたいなら持つべきデキル人の考え方

町工場への就職の考え方

普通の会社であれば、役職に就いたら手当が出るとか歩合性のところもあります。

町工場の職人の場合も同じように経験を積んでとにかく会社に貢献できるようにならないと年収はアップしません。

 

では会社に貢献するって何だと思いますか?

 

ひたすら毎日、加工スピードを上げて沢山加工品を完成させることでしょうか?

それもまた会社への貢献には違いありません。

でも、その貢献度って限界がありますよね。

 

黄綬褒章をもらうくらいに特別な技術を研鑽するというのは別ですが、工作機械を動かして部品を作るという仕事の場合、人間が動けるスピードに限界があるし時間的な限界もある。

それに、年齢を重ねれば体の衰えもあるので、当然のことながら加工スピードは落ちてきます。

 

会社としては、あなたがどれだけ売り上げ(利益)に貢献してくれているかを評価して給料を決めるわけですから、ただ体を動かして貢献するということだけを考えてはいけないのです。

それしかできないというのなら割り切りも必要かと思いますが、できることならその一歩先を考えて欲しい。

 

機械を動かすだけじゃなく、工場(会社)全体の人・物・金のことも意識する人材になることが評価される

部品加工をする町工場に就職すると言うと、工作機械の前で色々と操作するというイメージを持つでしょう。

それは確かに間違いではないですし、一番重要なことでもあります。

あなたしかできない、作れないという部品があるようになれば、それは評価されるべき対象となりますが、なかなかその境地までたどり着くには時間も経験も必要。

 

でも、それと同じくらいに重要なことが他にもあるのです。

 

会社の中で機械を動かして部品加工をしていると、会社が何を得意として、何を不得意としているのかがぼんやりとでも見えてきます。

会社の中で人の動き、物の動き、金の動きまで意識するようになり、後輩の指導もできるリーダーのような存在になれたら、あなたは絶対に会社としては手放したくない存在になります。

ひたすら毎日を機械加工のためだけに費やすのはもったいないのです。

 

日々、情報収集をして色々と会社の運営について意見・アイデアを言うべきなのです。

会社の中に何が足りないのかなども見えているようになったからこそ、言える意見もあるはずなのですが、それができる人は町工場に就職している人の中のほんの一部だと思います。

そういう人たちこそが、会社経営者からも一目置かれた存在へとなっていくのです。

 

もちろん、意見やアイデアだけでなく実際に行動も必要ですけど年収は機械加工しかしない人よりも間違いなくアップします。

とにかく提案力ですね!

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町工場に学歴なんて要らないが勉強は必要

町工場でも勉強は必要

以前、弊社で高卒新人の求人活動の一環で私は色々な高校の進路指導の先生方と面談する機会がありました。

先生方、みなさん口を揃えて「勉強ができなくても大丈夫ですか?」と質問されます。

生徒さんの就職先確保に躍起になり、学校の成績が悪い子をどうやって受け入れてもらうべきかに頭を悩ましている様子でした。

 

どこの学校にも問題児はいるんですよね。

勉強ができないだけなら、何とか就職先も見つけられるものの、生活態度が悪い、サボり癖がひどい、遅刻魔・・・・

こりゃ社会人としては、普通の会社で生きていけませんわ。

先生も大変ですね。

 

実際、町工場って学歴要らない就職先だという認識は強いし、それは正しい。

 

現場で機械を動かしている従業員で東大卒とか京大卒みたいな、高学歴のヤツなんていません。たぶん。

稀にいるかもしれませんが、私はまだ遭遇したことがない。

 

町工場の求人票をみても「学歴は不問」とするところが多いのが町工場だけれども、社長連中は皆、口を揃えて「バカはいらない」と言う。

「バカ」というのは語弊がありそうですけど、ルール(規則)を守らない、他の従業員とトラブルを起こす、加工に失敗しても悪びれることがない・・・

色々とあります。

 

まぁ、自己中でとにかく「毎日を決まった時間だけ工場の中にいればいいや」と考えているような人のことですね。

これはダメだわ。

 

私もビックリするような学生さんを目の当たりにしたことはあります。

企業研修の受け入れで、専門学校の学生さんを2週間ほど面倒を見たのだが、引き算ができないのです・・・・

小学生以下かよお前って言いたくなりますよ。

 

小数点以下の数字が入ると、途端に計算できないって言うもんだから「電卓使えばええやん」って思わず言いました(笑)

ただ、何でそういう計算をしないといけないのか?というところまでは理解不能みたいで、もはや、この世界に入ってはいけない人材だと思った。

 

これは極端な例ではありますが、他にも社長連中が言う「バカ」というのは知を求めないうえに、知を蓄えようとしない人間のことをいいます。

人は知識を得るということがあって初めて前に進みますし、知識を得ることこそが幸せになるために必要なことなのです。

 

それを何も考えずに、言われた作業を淡々とこなすだけの人材は人間ロボットと同じ。

いや、今はAIの時代だからロボット以下か。。。

機械を動かす潜在スキルは必須

バカ、バカと連発して申し訳ありませんが、ここで示す「バカ」ってのは、要領の悪さっていう意味も含みます。

あとは、物覚えの悪さね。

 

部品加工をする町工場に職人として就職する時、基本的に営業職はしません。

稀に職人から営業へとポジションを変えて活躍する人もいるが、加工のことをしっかりと分かっている人が営業マンになると最強だと思います。

でもまぁ、普通に求人募集などで町工場に就職すると機械操作に従事することになります。

 

なので、少々のコミュニケーションに不安があっても、ちゃんと機械を動かして仕事ができれば問題ない世界でもあります。

あまりに不愛想すぎるのも、ちょっと直した方がいいけど、まぁ何とかなるかな。

 

工作機械って汎用機と呼ばれるものと、NC機など機械制御されたものに別れます。

汎用はいわゆる職人さんのイメージが強いやつでハンドルを回したりしながら削るやつです。

最近はどんどん減っていってますが、やっぱり随所で汎用機ってのは必要になったりします。

 

もう1つのNC機では、加工プログラムを打ち込んで機械に自動加工させるタイプのヤツです。

最近はこちらが主流で、加工スピードも速く、リピート品や量産品に向いています。

 

双方に習熟しないといけないスキルは異なりますが、1年くらい機械を触れば慣れてきます。

会社の売り上げに十分貢献できてるかなと思えるようになるには、数年を要することもありますが人それぞれです。

一人前になるには○○年かかるなんて言葉は私は好きじゃないのでここでは提言しません。

 

とにかく、町工場では機械操作がスムーズにできるようになる潜在スキルは必須です。

必須って言われても、そのスキルが自分にあるかどうかなんてわからないでしょ?

だから、実際に町工場に就職して実感するしかないんですよ。

 

手が遅い・要領が悪い・失敗ばかりする・動きが雑

 

これらが当てはまる人は、社長や工場長から非常に嫌われる。

特に「手が遅い」ということに執拗に苛立ちを見せる社長さんはいます。

もちろん、本人にあまりガーガー言わないのですが、不満を社外の私たちに話すことで発散しているようにも思えます。

 

何故、当の本人にあまりキツク言わないのかというと、離職されても困るから。

今もこれからもきっと町工場は人手不足なんです。

若い世代は、IT分野などの手の汚れない仕事に憧れを抱く傾向が強く、町工場は若い世代が寄ってこない。

 

だから、最近ではタイ・インドネシア・カンボジア・ベトナム・中国・マレーシアなどから人材を受け入れている会社も増えてきましたね。

まだまだ、細かい問題点が残る会社もあるようで、時々トラブルが起こっています。

ある日、突然に外国人の従業員が来なくなった・・・なんてね。

 

インターンシップで2週間とか研修したくらいで、機械操作に向いてる・向いてないを判断しないように気を付けてください。

もっとロングスパンで考えないとダメですからね。

ちなみに、弊社(フライス加工)でも求人募集は続けているので、町工場に就職を考えている方はお問合せください。

→ 有限会社平野製作所

町工場の年収は「残業ありき」はまだまだ多いが減ってきているかも

町工場の残業

就労条件が非常に厚遇な町工場は求人募集をしていないところが多い。

何故なら、すでに働いている従業員が辞めないからだ。

 

なので、現在従業員を募集している町工場は新人が入れどすぐ辞めて人の出入りが激しい会社とか、新しく工場を建設・拡張をしたので新規メンバーが必要になったとか、長らく同じメンバーで続けてきたけれど、高齢化と共に退職した社員がいる会社などです。

 

中にはブラック企業ももちろんありますし、就職したものの猛烈な残業を強いられる。

どんなに頑張って、会社に貢献したと思っても給料は手取り15万円にもならない。

こういうことで、すぐに辞めちゃうんです。

 

会社もそれを分かっていてやっているのかどうか知りませんが、一定のサイクルで人をいれかえつつ給与を抑えているという噂もチラホラ。

これが本当ならえげつない会社だな!

 

一方で企業規模が小さく、社員も同じメンバーでこじんまりと続けてきたところは、何らかの外部評価が高いところが多いのが共通点だと思う。

あそこの会社じゃないとできないとか、対応が良いので頼みやすいとか、馴染みのある会社としての地位を築いたところです。

従業員も意外とそれなりの給料をもらっていたりするんですよ。

中堅規模の会社の人より収入が良かったりもする。

 

知らない人が見れば、何だかなぁって思うかもしれないが、知っている人からすれば「あそこはイイよ!」って言ってもらえる会社です。

そんな会社も高齢化で従業員さんが辞めるという時代に突入しています。

問題は、求人募集をかけてもなかなか人が寄ってこないという点。

会社も小さいですし、外部の人間が新たにメンバーに溶け込めるかどうか不安もありますしね。

 

求人募集をかけるときには、参考となる月収を明記しますが、それまで働いてくれていた従業員さんといきなり同額を渡すってのも会社側からすれば心配はありますよね。

給料に見合った仕事をしてくれるかどうかが未知数ですし。

でも、いざ入社して貢献度が良ければ、トントンと給料は上がることも珍しくありません。

もちろん、限度はありますけどね。

 

ただ、いずれにしても多くの町工場ではまだまだ残業は多いようです。

町工場の8割は残業ありきで、年収400万円という壁が見えてくるという話も聞いたことがあります。

概ね、毎日1~2時間の残業をされているところも多いようです。

うちの会社は2019年頃から残業ゼロに改革しました!

 

中には、残業なしで年収600万円なんて羨ましいと思える会社もあるようだが、それを実現できる会社は圧倒的に少ない。

それぞれの会社で抱える問題が違いすぎるのだ。

人が違えば組織が違うので。

 

町工場の就職は潰しがきかない!?

医者・弁護士・薬剤師・看護師・建築士・・・・・

世の中には色々な国家資格があり、これらを取得すれば潰しがきくなんてことも言われます。

あるいは、一生飯を食うには困らないとも。

 

果たして、それが本当かどうかはさておき、町工場も機械操作をして「ものづくり」の経験を積めるから手に職をつけるという点では鞍替えが可能なんじゃないか?と思いますよね。

でも、実際は転職は厳しい世界です。

 

いや、転職はできますが転職先では一からやり直しという気持ちを持っておくのが正解でしょう。

今までやってきた知識があったとしても、会社ごとに加工内容だとかルールが異なります。

なので、前の職場でやってきたスキルやノウハウがそのまま活かせないことの方が多い。

そのまま活かせる会社を探す方が難しいのではないでしょうか。

 

それに、あなたのことがどう評価されるのかは会社次第ですから。

 

私の知る限りでも数名が路頭に迷ったのを知っています。

1人はズボラな就労態度で解雇され、結局行先が見つからずに頭を下げて元の会社に再就職。

もう1人も、会社の給料に不満を言って(決して薄給ではない)啖呵を切って離職したが、転職先が見つからずにやっぱり頭を下げて元の会社にパート扱いで再就職。

ある人は、他の従業員とケンカして会社を辞めたが、同じ内容の仕事ができる就職先が見つからずに別業種に移ったようです(その後は不明)。

 

このように、町工場での経験はどこでも活かせるわけではないから出来る限り就職した会社で長く続けられることを考えるべきだと思う。

その場の気分で短絡的にならずに、根気も大事だからね。

それがあってこそ、求人募集に書かれている以上の収入を要求できるようになるものだと思います。

 

ちなみに、町工場ではなく大手自動車メーカーなどの工場で期間工として働くという方法もあります。

期間工は月収30万円以上で住む部屋も家具も完備された高待遇も多いので、短期間でお金を貯めたいという人が結構多く働いています。

技術を会得するというよりは、ルーチン作業的なことが多いかもしれないですが、あれこれと考えて働いて・・・というのがどうしても苦手だなぁと思っている人には町工場よりもおススメです。

 

じゃあ、どこで期間工の仕事(募集)を探せばよいのか?と言いますと、最も有名なのは工場ワークスですね。

すごく便利に使えますので参考にしてください。



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