平面研磨で気を付けないといけないのが歪みですね。
薄いプレートものを研磨すると、みんな懸念するのが歪みによる平行度や平面度が出ないことです。
研磨している間は、マグネットにプレートがピッタリとひっついているので平行度も平面度も出ているのですが、マグネットから外した途端に反ってしまったりするんですよね。
というのも、基本的に研磨というのは切削以上に加工応力が発生します。
砥石を高速で金属に擦りつけているわけですから、そりゃそうです。
え?意味が分からない?
残留応力とか加工応力ってググってみてください(笑)
こういった研磨による加工歪みを出さないようにするために、普通は、少しずつ少しずつ裏表を何回もひっくり返しながら研磨していき、極限まで反りが無い状態にします。
たぶん、このやり方を教えてもらっている人も多いのじゃないかと思う。
しかし、今回はもう少し違う方法で歪みを取る裏技を紹介します。
平面研磨でプレートの歪み取りをする方法
すでに歪んでしまったプレートをこのように研磨機のマグネットに引っ付けてしまうと、マグネットに引っ張られてしまうため、何回研磨してもなかなか歪みが取れません。
じゃあ、どうしたらいいのか。
結論から言うと、マグネットで引っ張る力を弱めた状態で研磨すればいいんです。
水色が歪んだプレートだとして、歪んだ状態のまま平面研磨で面を平にならしていけたらいいわけですよね?
「そんなことできる?品物が砥石に当たったら飛んでいくよ!!」
と思うはずです。
その通りです。
じゃあ、どうすのか。
下駄をかまして、平面研磨すれば歪みが取りやすくなる
歪んだプレートを置く前にマグネットの上にキーブロックを置きましょう。
この画像では、2本の長いキーブロックを置いていますが、本当は、もう少し小さいキーブロックを複数個並べる方がいいです。
プレートの真ん中をマグネットから浮かせるイメージです。
そして、キーブロックの上にプレートを置きます。
このままだと、マグネットのスイッチを入れてもプレートが砥石の力でぶっ飛んでしまう危険性がありますので、プレートの周りに固定用のブロックをかまします。
かますブロックは適当に転がっているものでOK
できるだけ大き目のしっかりしたものを使うとプレートが固定されやすくてGoodです。
あとは、このまま平面研磨してプレートの全面に砥石が当たるまで研磨していきます。
最初は砥石が当たる部分と当たらない部分が出るはず。
下駄をはかせて研磨したら裏返して通常通り研磨する
片面を下駄をはかせて研磨したら、裏返して通常通り平面研磨します。
この時も最初は砥石が当たるところと当たらないところが出てくるはずなので、全面に砥石が当たるまで研磨していきます。
これで平面研磨による歪取りは完了。
金型など少し重たいプレートにはこの方法が結構有効に使えます。
平面度0.01くらいは出ます。
この方法を使えば、マグネットに引っ付かないステンレスとかアルミのプレートでもバイスを使わずに平面研磨できます。
ただし、あまりにも薄いプレートとか小さいものは難しいので注意してください。
品物がぶっ飛んで怪我をしないように!!