エンドミルの回転数や切削速度の計算方法

部品加工の基礎

エンドミルを購入するとき、あるいは使うときに加工条件ってどうするか?

加工初心者のみならず、ベテランになっても新しく発売された工具などはメーカーカタログを参考にしたりするものです。

そこから、自分が加工している材料とか、使っている機械や切削油によって少しずつ条件を変えたりします。

 

ところが、工具メーカーのカタログなどに載っている「切削条件表」を見ても、どうやって計算したらいいのか分からない!!

なんてことありませんか?(特に初心者さん)

ここでは、計算方法について紹介します。

 

計算が面倒だという人のために自動計算できるツールページも作りましたので、また参考にしてください。

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エンドミルの切削条件の計算方法

刃物の切削条件として欲しいのは、機械値で回転数(S)とか送り速度(F)だと思います。

機械によっても違うかもしれませんが、大体は回転数と送り速度を入力して加工しますからね。

これらの数値を計算するにあたり、必要になってくる情報としては以下のようなものです。

 

切削速度 Vc (m/min)・・・一分間に何メートル進むか

Vc = π(円周率3.14)x D(刃物の直径mm)x n(回転数)÷ 1000

 

回転数 n(min-1)・・・一分間に何回転するか

n = Vc ÷ π(円周率3.14)÷ D(刃物の直径mm)x 1000

 

テーブル送り Vf(mm/min)・・・一分間に何ミリ進むか

Vf = n(回転数) x fz(1枚刃送り) x Z(刃数)

 

一枚刃送り fz(mm/tooth)・・・一枚の刃が一回転するときに何ミリ削るか

fz = Vf ÷ n(回転数)÷ Z(刃数)

 

さて、どうやって計算するか。

実際にカタログを例に出してみましょう。

例えば、タンガロイの工具の切削条件表です。

タンガロイ切削条件

工具径が50mm

刃数が3

とします。

工具径や刃数はその工具のカタログを見れば載っています。

 

では回転数を計算してみましょう。

上の条件表の一番上のものを計算してみると、Vc(切削速度)=100の条件の場合。

 

計算式は

n(回転数)= 100(切削速度) ÷ 3.14(円周率) ÷ 50(工具直径) x 1000

になります。

 

なので、回転数は637になります。

機械によっては、「回転数(S)」で表示されているかもしれません。

 

次にテーブル送り速度を計算してみます。

fz(一枚刃送り)を0.1とします。

 

Vf(テーブル送り速度) = 637(回転数) x 0.1(一枚刃送り) x 3(刃数)

これを計算すると191になります。

機械によっては、表示が「送り速度(F)」になっているかもしれません。

 

つまり、回転数637、送り速度191という条件で加工することになります。

数字を当てはめていけば電卓で簡単に計算できます。

 

エンドミルの切削条件を計算する手順の基本

どのような工具カタログを見ても、大体はVc(切削速度)fz(一枚刃送り)が記載されているはずです。

カタログによっては

Vcを「V」と表記したり、fzを「f」と表記しているものもあります。

同じ意味なので混乱しないようにしましょう。

 

切削条件を計算するにあたり、最初にチェックすることは次の2項目です。

  • 刃物の直径(D)
  • 刃数(Z)

 

これがわかれば、まずは刃物の回転数を計算します。

n = Vc (カタログに記載されている数字)÷ π(3.14)÷ D(刃物の直径mm)x 1000

 

次にテーブル送り速度を計算します。

Vf = n(先に計算しておいた回転数) x fz(1枚刃送り) x Z(刃数)

 

簡単でしょう?

上の計算式は是非ともメモっておいてください!!

 

もしも計算した回転数も回せない場合はどうするか?

機械によっては、推奨回転数も回せない場合があったりします。

例えば、推奨回転数がn = 4000だとします。

 

でも、持っている機械は回転数が3500までしか上がらない。。。

そんな場合はどうする?

答えは簡単ですね。

 

回転数を下げればいいんです。

そして、下げた回転数にあったテーブル送り速度を計算すればよいだけです。

簡単でしょう?

 

まとめ

エンドミルの切削条件は回転数とテーブル送り速度で決まるわけではありません。

あくまでも、これらの条件でどれだけの深さを削るか?どれだけの幅を削るか?ということなども考えないといけません。

 

切込み量についても、メーカーカタログに記載されていると思いますのでチェックしましょう。

そのうえで、条件を少しずつ変えてみたりしながら、最適な回転数などを見つけていくのです。

 

条件を変えるときにも、基本となる計算方法はお忘れなく!!

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