部品図とは?CAD図面との違いも解説【初心者向け】

部品図とは 図面

「部品図」という言葉を耳にしたことはありますか?機械設計や製造業において欠かせない存在ですが、初めてこの分野に触れる方にとっては「部品図って何?」と思うことも多いでしょう。

本記事では、部品図の基本的な定義や役割から、組立図や製作図との違い、さらにはCADでの部品図作成まで分かりやすく解説します。

部品図は、製品の品質向上や製造効率の向上を支える重要なツールです。この内容を理解することで、設計から製造までの流れをスムーズに進められるようになります。初心者の方でも無理なく理解できるよう丁寧に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

部品図(図面)とは?

部品図とは?

部品図の基本的な定義と役割

部品図は、製品を構成する個々の部品の詳細情報を示す図面です。この図面には、形状、寸法、公差、材質、表面処理、加工方法など、製造に必要なすべての情報が記載されています。

部品図が果たす主な役割は以下の通りです。

  • 製造現場への指示:部品図は、製造現場が部品を正確に作るための唯一の情報源です。
  • 品質管理:部品図に記載された寸法や公差が品質基準となります。
  • コスト管理:部品図に基づいて材料選定や加工方法が決まり、製造コストに直結します。

部品図と組立図の違い

部品図と混同されやすい図面として「組立図」があります。

項目 部品図 組立図
対象 単一の部品 複数部品の組み合わせ
目的 部品の製造に必要な情報伝達 製品全体の構造や組立方法の理解
記載情報 寸法、公差、材質、加工方法など 部品番号、配置関係、結合方法など

組立図は、製品全体の構造や動作原理を理解するために用いられます。一方、部品図は製造現場での部品作成に特化した図面です。

 

部品図の種類

部品図の種類

部品図は、その表現方法や目的によっていくつかの種類に分類できますが、ここでは代表的な「詳細図」と「部分詳細図」について、さらに掘り下げて解説いたします。

詳細図

詳細図は、その名の通り、部品全体の形状、寸法、公差、材質、表面処理など、製造に必要なあらゆる情報を詳細に示した図面です。部品図の中心となる図面であり、他の図面(例えば組立図など)と組み合わせて使用されることもあります。

  • 詳細図の目的:
    • 部品の形状を正確に伝えること
    • 部品の寸法や公差を明確に指示すること
    • 部品の材質や表面処理を指定すること
    • 製造現場が部品を製作するための唯一の情報源となること
  • 詳細図に含まれる情報:
    • 投影図(正面図、側面図、平面図、断面図など)
    • 寸法および公差
    • 幾何公差
    • 表面粗さ
    • 材質
    • 熱処理、メッキなどの表面処理
    • 注記(特別な指示事項)
  • 詳細図の例:
    • 円筒形の部品であれば、直径、長さ、中心線、表面粗さなどが記載されます。
    • 複雑な形状の部品であれば、複数の投影図や断面図を用いて、形状を立体的に表現します。
    • ねじ穴がある場合は、ねじの種類、サイズ、深さなどが記載されます。

部分詳細図

部分詳細図は、部品の一部分を拡大して詳細に表現した図面です。全体図では表現しきれない微細な形状や複雑な構造を、より分かりやすく伝えるために使用されます。特に、公差が厳しい部分や、加工が難しい部分などを強調する場合に効果的です。

  • 部分詳細図の目的:
    • 全体図では表現しきれない微細な形状を明確に伝えること
    • 複雑な構造を分かりやすく表現すること
    • 公差が厳しい部分や加工が難しい部分を強調すること
    • 製造現場が加工手順を理解する手助けとなること
  • 部分詳細図が使用される場面:
    • 小さな穴や溝の形状と寸法を詳細に示す場合
    • 複雑な曲面やR形状を明確に示す場合
    • ねじ山や歯車の歯形を拡大して示す場合
    • 溶接部や接合部の詳細を示す場合
  • 部分詳細図の例:
    • 部品の一部分に小さな穴が複数ある場合、その部分を拡大した部分詳細図を作成し、穴の直径、間隔、深さなどを詳細に記載します。
    • 部品に複雑な曲面がある場合、その部分を拡大した部分詳細図を作成し、曲面の半径や形状を正確に表現します。

詳細図と部分詳細図の関係

部分詳細図は、通常、詳細図の一部を拡大して作成されます。そのため、部分詳細図は詳細図と組み合わせて使用されることが一般的です。詳細図で部品全体の形状を把握し、部分詳細図で細部を確認することで、製造現場は部品の形状を正確に理解し、製作することができます。

 

部品図の書き方・作成手順

必要な情報

部品図には、以下の情報が記載されます。

  • 寸法と公差:部品の大きさや許容範囲を示します。
  • 材料:部品を構成する物質。
  • 表面処理:耐食性や耐摩耗性を向上させるための処理。
  • 注記や幾何公差:特別な指示や形状精度の基準。

作成手順

  1. 部品の形状を把握する。
  2. 寸法、公差、材料などを決定する。
  3. 投影図(正面図、側面図、平面図など)を作成する。
  4. 必要な情報を図面に記載する。
  5. 完成した図面をチェックする。

 

注意!部品加工の図面に書く数字に単位は記入しない

金属部品加工の世界には図面に記載する寸法の単位に一定のルールが存在します。

それは、普段私たちがものさしを使ったりして計る長さの単位がcm(センチメートル)やm(メートル)が多いのに対して、日本の部品加工ではmm(ミリメートル)単位を使用しているということです。

 

欧米では「inch(インチ)」を使用します。(1inch=25.4mm)

海外製の製品カタログを見たりする場合はその寸法単位に注意が必要です。

意外と盲点になるこの寸法単位に注意しておきたいところです。

 

図面ですから、もちろん寸法は記載していると思いますが、その寸法数字に単位は記入しません。

加えて、寸法数字の単位は暗黙のルールでmm(ミリメートル)であると覚えておこう。

 

 

例を挙げてみよう。

数字に一切寸法単位が記載されていませんが、これは20cm x 50cmではありません。

20mm x 50mmです。

 

さらに、補足ですが数字の横に±0.05とか、0.00+0.1と書かれているのは、寸法公差のことです。

50(±0.05)だと、50mmに対して-0.05mm~+0.05mmまでOKですよって意味です。

なので、49.95~50.05mmの範囲で寸法が入っていればOK。

 

また、20(0~+0.1)というのは、同じように寸法が20~20.1mmの範囲におさまっていればOKという意味です。

 

よく、これをcm(センチメートル)単位の認識で書いてこられる方もいますが、加工屋では絶対にcm(センチメートル)だと認識しません。

よほど「何かおかしいぞ?」と思えないかぎりは。なので、十分に注意しましょう。

寸法単位の勘違いが招くトラブルの可能性

これは実際に弊社への問い合わせであったことだが、とある個人様から「iPadスタンド」と書かれた図面を頂き、見積もりをすることになりました。個人使用するのか、製品として販売したいのかまでは伺っていなかったのですが、ここでも寸法公差の問題でおかしなことになったのです。

私たちは図面の数字を見ると単位はmm(ミリメートル)だという無意識に判断するクセがついてしまっています。なので、今回頂いた図面も全てmm(ミリメートル)単位で加工方法とか、表面処理とか材料代なども含めて考えて見積もりを提出したのです。

でも、見積もりを提示する前に図面に違和感を感じたのは、それが3mm x 10mm x 30mmくらいのサイズだったと思いますが、スタンドにしてはやけに小さいなぁと思ったこと。

ちなみに、分かりやすいようにcm(センチメートル)単位に直すと

0.3cm x 1cm x 3cm

どう考えてもおかしい(笑)

で、一応、メールで相談者様にcm(センチメートル)単位で寸法を記載されていませんか?と確認しておいたのです。そんな小さいものに iPadが立てかけられるわけないですよ。

ミニチュアか?とも思いましたが、いやいや。。。

で、結局、相談者様はcm単位ですってことで、再見積もりすることに。

材料代も表面処理代も加工代も全て変わってきます。

 

単純にサイズは10倍になるわけですからね。

だから、本当は「3x10x30」ではなく「30x100x300」と寸法数字は記載しないといけなかったってことです。

 

今回はすぐに気付きましたけど、もし別の案件等で何も気付かずに加工依頼を出し、出来上がってきたものを見て愕然としたらどうします?

こんなミニチュア頼んでないし!!って憤慨する前に、図面の寸法単位を見直そう。

 

CADでの部品図作成

CADでの部品図作成

近年では、CADソフトを用いた部品図作成が主流です。CADを使うことで、以下のメリットがあります。

  • 手書きよりも正確で効率的。
  • 修正や更新が簡単。
  • 3Dモデリングとの連携が可能。

代表的なCADソフトには、AutoCADSolidWorksがあります。

 

 

部品図の活用とメリット

部品図の活用とメリット

活用シーン

部品図は、以下の場面で活用されます。

  • 設計段階:部品の形状や寸法を検討。
  • 製造段階:部品を製作する際の指示書。
  • 品質管理:製品の品質を確認する基準。
  • 保守段階:部品の交換や修理時。

メリット

  • 設計意図を正確に伝えられる。
  • 製造現場でのミスを削減。
  • 製品品質の安定化。
  • コスト削減。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

部品図の記号の意味は?

部品図には、設計意図を正確に伝えるために、様々な記号が用いられています。これらの記号は、寸法、公差、表面粗さ、溶接、幾何公差など、様々な情報を簡潔に表現する役割を果たしています。それぞれの意味を理解することで、図面の情報を正確に読み取り、製造現場との誤解を防ぐことができます。代表的な記号とその意味を以下に示します。

  • 寸法に関する記号:
    • Φ(ファイ):直径を表します。例:Φ10は直径10mmを示します。
    • R:半径を表します。例:R5は半径5mmを示します。
    • □:正方形を表します。例:□20は一辺20mmの正方形を示します。
  • 公差に関する記号:
    • 公差は、寸法の許容される誤差範囲を示します。上限値と下限値で表される場合や、記号で表される場合があります。例:10±0.1は、10mmに対して±0.1mmの公差があることを示します。
    • 幾何公差は、形状や位置のばらつきの許容範囲を示します。記号と数値で表され、真直度、平面度、円筒度、平行度、直角度、位置度、振れなどがあります。
  • 表面粗さに関する記号:
    • 表面の粗さの程度を表します。記号と数値で表され、Ra、Rz、Ryなどの種類があります。
  • 溶接に関する記号:
    • 溶接の種類、方法、サイズなどを表します。記号と補助記号で構成されています。
  • その他:
    • 中心線:部品の中心を示す線です。
    • 切断面:断面図を示す際に、切断された面を表す線です。

これらの記号はJIS規格(日本産業規格)などで規定されており、図面の種類や分野によって使用される記号が異なる場合があります。詳細については、関連するJIS規格を参照することをお勧めします。

部品図の寸法記入のルールは?

寸法記入は、部品の形状や大きさを正確に伝えるために、一定のルールに基づいて行われます。これらのルールはJIS規格などで規定されており、図面の見やすさや情報の正確性を保つために重要です。主なルールを以下に示します。

  • 寸法線の引き方:
    • 寸法線は、寸法を記入する方向を示す線です。両端に矢印が付きます。
    • 寸法補助線は、寸法線と対象物を結ぶ線です。
  • 寸法数値の書き方:
    • 寸法数値は、寸法線の中央に記入します。
    • 単位はmm(ミリメートル)が基本ですが、図面全体で単位が統一されている場合は省略されることがあります。
    • 角度は度(°)で表します。
    • 円や円弧の寸法は、直径(Φ)または半径(R)で表します。(部品図で直径と半径を示す記号「Φ」と「R」
  • 寸法の配置:
    • 寸法は、できるだけ正面図に集中して記入します。
    • 重複した寸法記入は避けます。
    • 寸法線が重ならないように配置します。
    • 関連する寸法は一直線上に配置します。
    • 形状の中に寸法を記入する場合は、引出線を用いて、できる限り形状の外に寸法を配置するようにします。
  • その他:
    • 寸法記入のスペースがない場合は、矢印の代わりに黒丸を用いることがあります。
    • 引出線を利用して寸法値を入れる場所をスペースのある場所に移動させることもできます。

これらのルールを守ることで、図面の見やすさが向上し、情報の伝達ミスを防ぐことができます。詳細については、関連するJIS規格(例えばJIS B 0001 製図通則など)を参照することをお勧めします。

研磨加工に用いられる記号『G記号』と目的

まとめ

部品図は、設計から製造、品質管理まで、ものづくりにおける重要な役割を果たします。本記事を通じて、部品図の基礎を理解し、実務に役立ててください。効率的な設計・製造プロセスを実現し、より高品質な製品作りに貢献しましょう。

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