回転させているのに「周速度が0」の秘密~ボールエンドミル~

町工場

3軸加工機でボールエンドミルを使うと工具先端の周速度が0にる

5軸加工機なら外周の刃で加工できるから良い

 

こんな話を聞いて、フライス加工初心者さんはボールエンドミルはちゃんと回転させているけど・・・と意味がよくわからないと言います。

初心者だから仕方ないですね。

で終わってはいけません。

 

ここで理屈を理解して、1つステップアップしましょう。

ボールエンドミルの周速0(ゼロ)とは

よく使われるボールエンドミルはこのような形をしていますね。

あなたもボールエンドミルを持っているならば、実際に手に持って回転させてみましょう。

 

回転させてみればわかると思いますが、刃先をよく見てください。

回転軸のある中心部とボールエンドミルの一番外側では1回の回転で動く量が全く異なりますね。

つまり、同じ回転量だけども刃の切具合はボールエンドの先端とそうでない部分では全く異なることになります。

さらに先端点を見れば、刃物をいくら回転させても刃は1点で止まっているのと同じような状態=周速0(ゼロ)になってしまうのです。

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5軸加工機なら外周の刃で加工できるから良いという意味は?

この図が分かりやすいので載せておきますが、3軸加工は刃物は常に垂直方向にしか向きません。

しかし、刃物の保持角度に自由度がある5軸ならば切削加工をするときに、ボールエンドミルの周速0点を回避して加工できます。

 

要するに、5軸加工ならばボールエンドミルの刃が切れる部分で加工できちゃうよ!ということであり、加工面もキレイに仕上がるわけです。

3軸加工により周速0点で加工しても、形はできますがどうしても削らずに押し切っている部分が多くなる(切削条件が最適でない部分が多い)ので、ボールエンドミルの底で加工した部分は汚くなりがちです。

 

また、工具寿命もあまりよくない。

ということです。

 

ボールエンドミルの周速0のことわかりましたか?

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