日々、様々な業務に携わっていますが、個人の方からのご依頼で多い悩みの1つが「ネジの規格がわかりません!」ということ。
現物が手元にあって、素人ながらも必死こいて図面(らしきものとかイラストとか)を描いてくださるのですが、どうしてもネジがどの種類のネジか分からなくて指示できないというケース。
一般的に使われているネジっていうと
- メートルネジ(Mネジ)
- インチネジ(ウィットネジ)
- 管用ネジ
がほとんどです。
他には、ユニファイネジ、台形ネジなどもありますし、それぞれに並目、細目のネジもあります。また、管用ネジにはPT(Rc)、PF(G)、PS(Rs)があります。
ややこしいですけど、それぞれの用途によって使い分けしているのです。
これらネジには全て規格というものがあり、ネジ山のピッチ(ネジの山と山の間の距離)とか、ネジ山の角度とかが異なります。
実際、ネジの種類がわからないと加工屋としてもどうしていいか分かりません。
「現物渡すから、それ見て作って」と言われるのが一番困るんですよね。
なので、加工依頼をする前にはある程度でもよいので、ネジの規格リサーチをご自身でしておくことをおススメします。
でなければ、「加工できません」という返事が返ってくる確率が一気に跳ね上がるのです。
だって、加工屋だって忙しいのにサービス(無料)でネジの規格を調べる時間を割きたくないから・・・
ということで、今回はネジの規格をざっくりとリサーチする方法を紹介しようと思います。
ネジの外径とネジピッチから推測する
ぶっちゃけ、ネジの規格を調べるのは簡単ではありません。
ネジの外径とネジピッチだけでわかるものでもありません。
でも、情報が何もなければこれで調べて推測することが最善策なんです。
もしかしたら、手元にある不明なネジの規格を調べてくれる外部機関もあるのかもしれませんが、わざわざ依頼する人は個人でまずいないでしょう。
なので、自分で調べられる範囲で頑張ろう。
ここでは、雄ネジを例にして調べ方を紹介します。
ネジの外径をノギスで測る
規格を調べたいネジを用意します。
ここでは、仮にM8ネジを例に紹介しますね。
仮に今、このネジの規格が分からないとしましょう。
まずは外径をノギスで測ってください。
測定してみると、約8mmですね。
もし、ノギスの使い方が分からないという人は超簡単!ノギスの使い方を参考にしてください。
測定した数字はメモっておいてね。小数点以下の細かい数字まではいりません。
ネジピッチを調べる
ネジの外径を調べたあとは、ネジピッチゲージでネジピッチを調べます。
ピッチゲージは1つあればほとんどのネジピッチを調べる事ができちゃいますし、1,000円ちょっと出せば買えるので、工具箱に1つ入れておくと便利がよいでしょう。
例えば、今回の場合だとこのようにネジピッチが合うものを順番に当てていって探します。
画像では見えにくいですが、ピッチ1.25でバッチリ合います。
sponsored linkネジの規格表を見る
ここまでの情報だと、ネジの外径は8mm、ネジピッチが1.25
この2つの情報が分かったところで、ネジの規格表を見ます。
調べたいネジがどこに使われているものかによって、見るべき規格表が異なるので注意してください。
ガス管とか水道管の場合だと、管用ネジの規格を見ますし、古い部品だとか海外製品だとインチネジ(ウィットネジ)がよく使われているものがあります。
それ以外だとメートルネジ(Mネジ)が一般的ですね。
よくわかりませんという場合なら、とりあえず片っ端から見ていきますが、まずはメートルネジ(Mネジ)の規格から見るとよいでしょう。
規格表はインターネットで検索すればすぐ出てきます。
まずは、外径がほぼ合致するサイズを探します。
今回ですと、外径が約8mmでしたので、8mmくらいのものを探す。
すると、M8並目ネジが相当しますね。
次に、外径でほぼ合致するところを見つけたら、ネジピッチを探します。
並目ネジと細目ネジではピッチが違いますし、Mネジとインチネジでもピッチが異なるのでネジピッチで絞り込むのです。
ネジの規格の調べ方まとめ
今回はネジピッチが1.25でしたから、M8ネジで間違いなさそうです。
ただし、ネジの外径とピッチから調べるにも限界があり、あくまでも推測であるため実際に使えるかどうかの保障はできません。
それに、紛らわしい似たり寄ったりのネジもあるのでご注意ください。
まぁ、大体はこの方法でネジの規格を調べて上手くいきますから。