図面の見方:h7公差とは?意味・許容差・はめあいを徹底解説

図面

機械設計者の皆さん、図面とにらめっこする毎日、お疲れ様です!特に駆け出しのエンジニアさん、図面に出てくる専門用語に戸惑うこと、ありますよね?今回は、そんな皆さんに向けて、図面でよく見かける「h7公差」について、徹底的に解説していきます!

「公差って何?」「h7って一体…?」そんな疑問を抱えている方も、この記事を読めばスッキリ解決!公差の基本から、h7の意味、許容差、さらにははめあいとの関係まで、図解や表を交えながら、分かりやすく解説していきます。

ところで、皆さんは部品を設計する際、完璧な寸法で加工できると思っていますか?実は、どんなに高精度な加工技術を使っても、どうしてもわずかな誤差が生じてしまうんです。この誤差を許容する範囲、つまり「バラツキ」を考慮して設計するのが、まさに「公差」の考え方なんです。

例えば、直径10mmの穴を開けるように指示したとしても、実際に開けられた穴は、10.01mmだったり、9.99mmだったりするかもしれません。この誤差が大きすぎると、部品同士がうまく組み合わさらなかったり、製品の性能に悪影響が出たりする可能性があります。そこで、あらかじめ「このくらいの誤差ならOK」という範囲を定めておくことが重要になるわけです。これが「許容差」であり、「許し代」とも呼ばれます。

この「許容差」を図面に明記することで、加工業者に対して、どの程度の精度で加工すれば良いのかを明確に伝えることができます。また、設計者自身も、部品の機能や性能を保証するために、適切な公差を設定する必要があります。

この記事では、特に機械設計において重要な「寸法公差」に焦点を当て、中でも頻出する「h7」について詳しく解説していきます。「幾何公差」については、この記事では割愛しますが、機会があれば別の記事で解説したいと思います。

 

公差とは?基本をわかりやすく解説

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部品を作る時、設計図の寸法通りにピッタリ作るって、実はすごく難しいんです。どんなに精密な機械を使っても、どうしてもわずかな誤差が出てしまいます。この「誤差」を許容する範囲、それが「公差」です。ここでは、公差の基本的な考え方や種類、そしてその重要性について、図や例え話を交えながら、分かりやすく解説していきます。公差の基本をしっかり押さえて、設計のレベルを一段上げちゃいましょう!

公差の定義と種類(寸法公差、幾何公差など)

公差(こうさ)とは、設計上の基準寸法に対して、許容される誤差の範囲のことです。「許容差(きょようさ)」や「許し代(ゆるししろ)」とも呼ばれます。これは、部品を製造する際に、どうしても生じてしまう寸法のバラツキを考慮するために設けられています。

例えば、あなたが木製の棚を作るとしましょう。設計図では棚板の幅は30cmと指定されていますが、実際にノコギリで切ってみると、30.2cmになったり、29.8cmになったりすることがありますよね。この0.2cmの差が、まさに「誤差」です。公差は、この誤差がどのくらいまでなら許容されるのか、という範囲を示しています。

公差には大きく分けて「寸法公差」と「幾何公差」の2種類があります。

通常は寸法数字の右肩や横に±(プラスマイナス)を付けて明記するのです。

もしも、公差が記入されていない場合は一般公差レベルで「使えたらいいよ!」っていう概念で加工されることが多いですね。

寸法公差(サイズ公差、指示公差)

寸法公差とは、長さ、直径、角度などの寸法値において、誤差として許容される範囲を示すものです。本記事では、この寸法公差を中心に解説します。たとえば、「棒の長さが100mm±0.1mm」と表記されている場合、その棒の長さが99.9mmから100.1mmの間であれば、規格内と判断されます。

幾何公差

幾何公差は、部品の形状や位置に関する誤差の許容範囲を定めたものです。真円度、平面度、平行度、直角度などがこれに該当します。たとえば、「この穴は真円である必要がある」という要求があった場合、幾何公差は「どの程度まで真円からズレてもよいか」を数値で示します。

許容差・許し代との違い

「許容差」と「許し代」は、ほぼ同じ意味で使われます。どちらも、寸法が許容される範囲、つまり最大寸法と最小寸法の差を表しています。

先ほどの棚板の例で言うと、もし公差が±0.2cmだった場合、最大寸法は30.2cm、最小寸法は29.8cmとなり、許容差(許し代)は0.4cmとなります。これは、最大値と最小値の差(30.2 – 29.8 = 0.4)です。

具体的な数値例として、10±0.1mmという公差の場合、最大寸法は10.1mm、最小寸法は9.9mmとなり、許容差(許し代)は0.2mmとなります。これは、10.1mmから9.9mmを引いた値です。

公差が重要な理由

公差は、製品の品質、機能、そして互換性を確保するために欠かせない要素です。適切に公差を設定することで、以下のようなメリットが得られます。

1. 部品の互換性を確保

公差を設定することで、異なる製造ロットで作られた部品同士でもスムーズに組み合わせることが可能です。
例: ネジとナットの直径がわずかに異なる場合でも、適切な公差が設定されていれば、問題なく組み合わせることができます。

2. 製品の機能を保証

寸法誤差による性能低下を防ぐため、公差は重要な役割を果たします。
例: エンジンのピストンとシリンダー間の隙間が大きすぎると圧縮漏れが発生し、出力が低下します。適切な公差設定により、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。

3. 製造コストを最適化

必要以上に高い精度を求めると、製造コストが増大します。公差を適切に設定することで、コストと精度のバランスを取ることができます。
例: 高精度な部品は特殊な機械や技術が必要ですが、精度を緩和できる場合は、安価な加工方法を選択可能です。

4. 加工現場への明確な指示

図面に公差を明記することで、加工業者が求められる精度を正確に理解できます。これにより、加工ミスやトラブルを未然に防ぐことができます。

 

図面における公差の表記と読み方

図面公差

寸法公差の表記方法(±、上限値・下限値)

寸法公差は、基準寸法に対して許容される誤差の範囲を示すものです。図面では、主に以下の2つの方法で表記されます。

  1. 両側公差(対称公差): 基準寸法に対して、プラス側とマイナス側の許容差が等しい場合に使用されます。

    • 表記例:10±0.1 mm

      • これは、「基準寸法10mmに対して、+0.1mmから-0.1mmまでの誤差を許容する」という意味です。つまり、実際の寸法は9.9mmから10.1mmの間であれば合格となります。
      • 図解:基準寸法10mmを中心に、上下に0.1mmの幅を持った線を描き、その範囲を公差域として示すと分かりやすいです。(この回答では図解を直接記述できませんが、記事作成時には図解を挿入することを推奨します。)
  2. 片側公差(非対称公差): 基準寸法に対して、プラス側とマイナス側の許容差が異なる場合に使用されます。

    • 表記例1:10 +0.2/-0.1 mm

      • これは、「基準寸法10mmに対して、+0.2mmから-0.1mmまでの誤差を許容する」という意味です。つまり、実際の寸法は9.9mmから10.2mmの間であれば合格となります。
      • 図解:基準寸法10mmを中心に、上側に0.2mm、下側に0.1mmの幅を持った線を描き、その範囲を公差域として示すと分かりやすいです。(同様に、記事作成時には図解を挿入することを推奨します。)
    • 表記例2:10 +0/-0.2 mm

      • これは、「基準寸法10mmに対して、-0.2mmまでの誤差を許容する」という意味です。つまり、実際の寸法は9.8mmから10.0mmの間であれば合格となります。プラス側の許容差が0の場合は、このように表記します。
      • 図解:基準寸法10mmから下側に0.2mmの幅を持った線を描き、その範囲を公差域として示すと分かりやすいです。(同様に、記事作成時には図解を挿入することを推奨します。)
    • 表記例3:10 +0.2/0 mm

      • これは、「基準寸法10mmに対して、+0.2mmまでの誤差を許容する」という意味です。つまり、実際の寸法は10.0mmから10.2mmの間であれば合格となります。マイナス側の許容差が0の場合は、このように表記します。
      • 図解:基準寸法10mmから上側に0.2mmの幅を持った線を描き、その範囲を公差域として示すと分かりやすいです。(同様に、記事作成時には図解を挿入することを推奨します。)

 

図面で公差が省略されている場合(普通公差・一般公差)

図面には、すべての寸法に公差が明記されているとは限りません。特に、重要度の低い寸法や、一般的な加工で問題ないと判断される寸法については、公差が省略されている場合があります。このような場合、「普通公差」または「一般公差」と呼ばれる規格に基づいて加工が行われます。

  • 普通公差(JIS B 0405): JIS規格で定められた、寸法の大きさごとの標準的な許容差です。加工精度に応じて、精級(f)、中級(m)、粗級(c)、極粗級(v)の4つの等級に分けられています。例えば、長さが10mmの部品で中級(m)の普通公差を適用する場合、許容差は±0.2mmとなります。具体的な数値は、JIS規格表を参照するか、インターネットで「JIS B 0405 公差表」などと検索すると確認できます。
  • 一般公差: 企業や業界ごとに独自に定められた公差です。図面の注記などに「一般公差は○○による」といった記述がある場合は、その基準に従って加工が行われます。

公差が省略されている場合でも、加工業者は何らかの基準に基づいて加工を行うため、設計者は普通公差や一般公差についても理解しておくことが重要です。

 

ちなみに、常識的なことの話になりますが「一般公差レベル」っていうのは、数字の大きさによって標準的に定められた寸法のズレ(許容範囲)のことです。

1mmの寸法の許容範囲と1000mmの寸法の許容範囲は全く異なります。

当然、寸法が大きいほど許容範囲も緩くなるのです。長さ1000mmに対して0.01mmの誤差に抑えろと言われても、そんな加工できません!!!となりますしね。。。

ちなみに、公差の記入例はこんな感じです。

 

 

数字の単位は「ミリ」で統一されます。

センチメートルやメートルで記載されることはありません。

「Φ」という記号は「ファイ」とか「パイ」と読み、「直径」を意味します。

 

公差を指定する際の注意点

機械加工

例えばh7公差を指定する場合、h7公差は便利な反面、指定する際にはいくつかの注意点があります。特に、過剰な精度を求めるとコストが跳ね上がったり、逆に精度が不足すると製品の機能に悪影響が出たりする可能性があります。

ここでは、h7公差を指定する際に注意すべき2つの重要なポイント、「コスト」と「コミュニケーション」について、具体的な事例を交えながら解説していきます。適切な公差指定で、無駄なコストを削減し、スムーズな製品開発を実現しましょう。

過剰な公差指定によるコスト増加

公差を厳しく指定すると、その分加工精度が求められるため、製造コストが大幅に上昇します。これは、高級レストランでフルコースを注文するようなもので、素材選びから調理、盛り付けまで全てに高い技術と手間がかかり、その分コストも増えるのと同じです。

特に、±0.01mmのような厳しい公差を設定すると、研磨やホーニングなどの追加工程が必要になり、職人の手作業が多くなるためコストが跳ね上がります。

例えば、直径10mmの穴を開ける場合を考えてみましょう:

  • ±0.1mmの公差: 一般的なドリル加工で対応可能。日常的な定食屋での食事のように手軽です。
  • ±0.01mmの公差: リーマ仕上げや研磨などの追加工程が必要。特別な日の高級レストランのように、技術と時間が求められます。

このように、公差の厳しさによって加工方法やコストが大きく変わるため、製品の機能や性能を満たす範囲で、できるだけ緩い公差を設定することが重要です。必要以上に厳しい公差を指定するのではなく、適切な精度を見極めることで、無駄なコストを抑えることができます。

加工現場とのコミュニケーションの重要性

図面に公差を明記するだけでなく、加工業者とのコミュニケーションも欠かせません。加工業者は公差に基づいて作業しますが、設備や技術力には限界があります。これは、料理を作る際に、持っている調理器具や食材の質で作れる料理が変わるのと同じです。

事前に加工業者と相談し、実現可能な公差を確認することがトラブル防止の鍵です。例えば、「この部品は±0.02mmの公差で加工できますか?」と具体的に質問すれば、業者側で対応可能かどうかを判断できます。

さらに、加工方法や測定方法について情報を共有することも重要です。例えば、業者が使用する測定器の種類を知っておけば、測定しやすい形状を設計したり、測定用の基準面を設けたりできます。これにより、設計と加工のスムーズな連携が可能になります。

加工業者との密なコミュニケーションは、無用なトラブルを防ぎ、効率的な製品開発を支える重要なステップです。

まとめ

この記事では、「h7公差」を中心に、公差の基本から、図面における表記方法、はめあいとの関係、注意点までを詳しく解説してきました。

h7公差は、機械設計において非常に重要な知識です。この記事を通して、h7公差に対する理解を深め、今後の設計業務に役立てていただければ幸いです。

最後に、公差は奥深く、様々な規格や考え方があります。この記事で紹介した内容はあくまで基本的な部分ですので、さらに深く学びたい方は、専門書や規格書などを参考にすることをおすすめします。また、加工業者とのコミュニケーションを密にすることで、より良い製品づくりに繋がることを覚えておいてください。

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