プラスチック製品を小ロット作りたい!って金型費用はいくら?

お金・費用

オリジナルのプラスチックを少量だけ作って販売したい

でも、小ロットだと金型代がすごく高いんだろうな・・・

というような妄想・葛藤にふけっていませんか?

 

私達の身の回りには沢山のプラスチック(樹脂)製品がありますが、その多くは金型を作って大量生産されて出来ているわけです。

 

おそらくご存知でしょう。

あぁ、金型ね・・・と聞いたことがあるとは思います。

 

多くのプラスチック製品は決して3Dプリンターや光造形などで繰り返し作っているわけではない。

3Dプリンターなどは、あくまでも試作品などの単品物を作るとか、真空注型に使うためのマスターモデルを作るのに使います。

真空注型については「真空注型を使って少量のプラスチック部品(パーツ)を安く複製する方法」の記事で紹介しています。

 

さて、50個、100個レベルくらいの小ロットのプラスチック製品を作るというのは、やっぱり莫大なコストがかかってしまうのでしょうか?

結論から言うと、金型代は高いです!

プラスチック製品を作るための金型はやっぱり高いのか?

まず初めに、プラスチック製品をガシャガシャ大量に作るための金型って素材は何で出来ているでしょうか?

 

鉄じゃないの?と思ったあなた。はい、そうです。その通り。

プラスチック金型用のスチール(NAK55やNAK80など)というものがあるのです。

これらは、硬い金属ですから刃物で切削して金型に仕上げるのは時間もかかりますしコストは高くなります。

 

同じ金属切削加工業界でも、金型屋と呼ばれる会社と部品加工屋と呼ばれる会社では内容を区別していることがほとんどで、金属を削れるからといって機械部品の加工会社に金型を作ってくれと頼んでもまず断られると思ってください。

逆に、金型(モールド)屋さんに機械部品加工をお願いしても、反応が鈍くなることは多い。

 

実際、金型の費用は確かに高い。

数万円どころではないです。

高いのは材料費が高いからではないですよ。材料を加工する加工費が高いんです。

 

実はですね。

普通に金型業界で作っている金型は、数十万~数百万円はします。

高いものは1000万円以上します。

普通に高級車1台以上の値段がする。

 

げっ!!そんなん個人で無理やんけ!!

って思いますよね。当然。

 

しかし、これらの金型費用はあくまでも、大量生産向けの金型費用です。

数万個、数十万個以上もの製品を作るための金型なので、それくらいの費用を投入してもペイできるように資金計画をたてられているのです。

 

あなたが知りたいのは、100個くらいの生産量での価格ですよね?

50~100個だけでいい。

それ以上は望まない。

 

実は小ロットなら別の素材で金型を作れば安くなるんです。

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高強度アルミ合金で金型を作れば安くつく!

個人が試験的に小ロットのプラスチック製品を作って売ってみたいと思う時には、その数量は50個、100個レベルですよね。

いきなり数千、数万個を作ろうと思う人は少ないでしょう。

 

だけど、先ほどにも書いた通り通常の金型(本金型)を作ってしまうと、金型代は高いわモデルをちょっと変更したいと思っても融通がきかないわ・・・ということになってしまいます。

とりわけ

  • これから設計変更をするかもしれない
  • テスト販売した時のお客さんの反応でアレンジを加えたい
  • 製品機能のテストをしたい

という場合は、その都度金型を作り直さないとダメなんです。

 

 

これじゃぁ、いくらお金があっても足りません。

 

じゃぁ、金型代が限りなく安く収まれば多少は気持ち的に楽になりますね。

そこで、提案するのは高強度アルミ合金を使って金型を作っちゃう方法です。

専門的にはジュラルミンとかアルミーゴという名前のアルミを使います。

 

鉄と違ってアルミ合金ですから、切削は随分と楽になります。

加工スピードも格段に速くなります。

 

ただし「高強度」のアルミ合金であっても、さすがにプラスチック用金型素材と比べると硬さは劣りますので金型としての寿命は悪くなります。

でも、試作品用という「お試し金型」の目的で使うなら問題ないでしょう。

 

1000個くらいまでなら、金型として使えると思います。

 

その後、バンバン製品を大量に作るぞ!

という見通しが立つようなら、スチール素材で本金型を作れば良い。

 

案外、こういう提案をしてくれる会社さんって少ないかもしれませんが、ないわけではないので問い合わせをしてみると良いかもしれません。

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実際、高強度アルミ合金で作った金型ってどれくらいするの?

数万個以上の製品をつくるための金型が数百万円もすることはお伝えしました。

じゃあ、アルミで作った金型だとどれくらい?

数万円?

 

 

アルミの金型費用。

手のひらに乗るくらいのプラスチック製品の場合。

およその平均金額は。

50~100万円くらいです。

 

あ、ショックでした?

そんなにするのかよ!!!バカヤロ―!!って思いました?

申し訳ございません。

 

現実はそんなものなんです。。。

 

100個くらい作るとして、真空注型による製品価格は数十円~100円前後だと思います。

そこに金型費用が50万円くらい。

1個単価は5000円以上になってしまう可能性もある。

 

今現在、数百円でハンドメイド品を販売しているなら、現実的ではないですね。

つまり、結論から言うと本気の大量生産に向けて計画できないと、金型を作って~というのは考えにくいです。

 

ただ、ここ数年は3Dプリンターの技術の向上もあり、金属3Dプリンターがもっと普及することで数万円で金型が作れる日がくるかもしれません。

まとめ

プラスチック製品を量産するための金型費用は本来、高くなってしまいます。

しかし、比較的小ロットの製品を作るだけならば、ジュラルミンなどの高硬度アルミを使用することでかなり費用は抑えることができます。

 

それでも大きさによりますが、数万円~数十万円はかかるものなので、ある程度の資金準備と販売を目的にしているのであれば、販売計画もしっかりと立てておく必要があることは間違いありません。

無駄にお金を使ってしまわないように気をつけましょう!

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