オリジナル製品の製作依頼における金型費用と耐用年数

部品加工依頼の「い・ろ・は」

私が日々、様々な部品加工依頼を受ける中にはオリジナル製品を100個、200個と製作して販売したいという相談がある。

たかだか100個や200個レベルで金型を作るのはおススメしないということを何回も色々な方に伝えてきたが、100個くらい大量に作ればかなりコストは安いでしょ?という感覚で相談されるのです。

 

確かに、普通に金属の素材ブロックを削って製品を作り上げる場合は、1個だけ作るよりも100個を1ロットとして作る方が安くはなります。

でも、金型を使って製造する単価とは比にならないです。

それなのに、何故か多くの方は金型で製造したくらいの単価を想定して話を進めてくるので困ることがよくある。

 

例えば、金型を使えば1個100円くらいのコストで作れるものを、機械切削で作れと言われたら1,000円もらっても作れないことだってある。

たとえ1ロット100個あってもね。

 

じゃぁ、金型で作るほうが得やん!

というわけにはいきませんよね。。。

 

何故なら、金型を作る費用がかかるからです。

だからみんな頭を悩ますんですよね。

とくに資金がない個人では、金型の製作費用を聞くとひっくり返るかもしれません。


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金型の製作費用はどれくらい?

「金型」にもいくつもの種類の金型があります。

プレス機で挟み込んで成型するためのプレス金型。

鋳物などを流し込んで形を作るための金型。

射出成型によってプラスチック製品を作るための金型。

などなど。

 

私達の身の回りにあるものは、金型を使って作られたもので溢れています。

いざ自分で考えた製品を作って売ろう!と思っても、どれくらい売れるのかは未知数です。

とりわけ、個人だと在庫リスクというものがすごく心配になりますよね。

 

なので最初は100個くらいから・・・

 

もしもダメでも赤字は最小限に抑えつつ、上手くいきそうなら生産量を増やして対応しよう。

まぁこれが普通です。

 

でも、初動の数が問題なんですよね。

金型を作るほどのものかどうか。

仮に、個人がオリジナル製品を作るために金型の製作からスタートした場合にどれくらいの費用がかかるのか。

実は一概にこれくらいの費用がかかるというのは言えないのです。

 

というのも、製品の形状や必要なパーツの種類によっても金型は変わってきます。

そして、作る製品がゴムなのか、プラスチックなのか、金属なのか。

素材によっても変わる。

 

ちなみに、以前私が構想したプラスチック製品(片手で持てるくらいの大きさ)だと、金型費用が100万円くらいでした。

しかも、これは金型設計費用を無視しての価格ですからね。

 

当時は真剣に資金を投じて作ろうかと考えていたのですが、クライアントさんとの商談がボツになったので無くなってしまいました。。。(トホホ)

金型を作るためには、金型を設計しないといけませんし、設計したあとには実際に金型の製作をしないといけません。

案外費用がかかるんです。

 

それでも、数万円ということは絶対にない。

数十万、数百万という金額は想定しておくべきでしょう。

 

ちなみに、よく製品モデルを3Dソフト(ソリッドワークスなど)を使って作り、それさえあれば金型が簡単に作れると思っている方がけっこういますが、大間違い。

製品の完成モデルとそのための金型モデルは別設計になります。


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金型の耐用年数と費用

金型は金属で作るものや、砂型、木型もあります。

いずれにしても、金型を1回作れば永久的に使えるというわけではありません。

金型も劣化しますので、耐久年数がある。

というか、金型は何個製品を作ったかで作り代えを考えるのですが、その回数は製品ごとによって異なります。

 

1,000個作ったら、金型を作り変えしないといけないかもしれないし、1万個で作りかえるかもしれません。

じゃあ、仮に1,000個作ったら金型を作りかえる場合は、1,000個作るごとに新たな金型費用が発生するの!?

と心配になるかもしれませんが、通常は初回のみ金型費用を要求されます。

 

1,000個で金型を作り変えないといけないなという、おおよその予測をもとに見積り価格に上乗せするケースが多い。

つまり、1,000個作れば金型を作る費用を回収できるというようにしておくのです。

なので、最初だけ金型費用をもらえれば大丈夫というわけ。

 

まぁ、全ての会社がそうしているかどうかはわかりませんけど。

 

というわけで、あるオリジナル製品の製作依頼を投げかけた場合、まず初期費用として金型の製作費を要求されます。

それとは別に、製品1個当たりの製作価格が提示される。

 

例えば、分かりやすく金型の設計・製作費用が100万円。

その金型を使ってオリジナル製品を1個作った場合、製品1個につき100円。

全部で1万個の製品を作って欲しいと頼んだ場合、金型代100万円、製品代100万円かかるということ。

 

さらに、梱包費、運送費などが加算されることがありますが、それらを無視しても1万個のオリジナル製品を1万個作るのにザックリと200万円かかるということ。

1個200円で販売すればトントンですね。

ところが、1000個しかオリジナル製品を作らないなら、1個2,000円で販売しないと赤字。

100個しか作らないと、1個2万円で販売しないと赤字。

という計算になります。

 

つまり、小ロットしか販売しない場合は金型を使う意味がないということ。

でも、形状などの問題で金型を作らないと作れないということもあるので、じっくりと考えたいところですね。

 

というわけで、加工屋さんなどに早計に相談する前に、ある程度自分でシュミレートしておかないと相談する側もされる側も無駄な時間と労力を使うことになります。

それどころか、「資金がない」という前提で相談をもちかけると門前払いされるのである程度の資金を貯蓄しておくことをおススメします。


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