金属切粉を見ればあなたも職人レベルになれる!?切削加工の秘密

部品加工の基礎

これから金属の切削加工の仕事をやっていこうと思っている人に、いつか「職人さん」と呼ばれるようになるための第一歩的なことをお伝えします。

それが切粉の見分けです。

 

金属切削加工のことは、まだ何も知らないというあなたに最初にお伝えしたいのは、金属には種類がいっぱいあるよということです。

 

鉄、ステンレス、アルミ、真鍮

色々と思いつくでしょうか?

でも、学校で習ってきた金属知識はまるで通用しないのが、金属切削加工の世界です。

 

鉄って化学記号でFeでしょ?

と言う人もいますが、私たちの身の回りにあるもののほとんどは合金です。

炭素、マンガン、モリブデン、バナジウム、ニッケル、亜鉛、アルミなどなど。

 

とにかく、色んな成分がある程度決まった配合で入っているのです。

そして、その決まった配合で作られた金属には規格があり、S45CとかSS400とか、SCM440、SKD11というような一般名が付けられています。

 

そこからさらに、各鋼材メーカーが独自に改良した合金を作ってオリジナル名称を付けた改良版の鋼材があったりします。

なので、長年工場勤務をしていても「なんだこの材料は?」というような材質が書かれた図面に遭遇することもあります。

 

そういった、膨大な種類の金属があるわけですが、各種合金の成分組成の違いは切削をした時にも違いが出てきます。

これを見分けることが「職人」と言われるための第一歩だったりするのです。

金属切粉の色で見分けろ!

金属に含まれる組成の違いは、その金属を削った時に出てきます。

削った切粉(きりこ)の色です。

 

赤っぽいとか、青っぽい、紫など。

それぞれの色によって、今削っている金属は何かをあるていど判断できるようになれたら、職人に近づいている証拠。

 

さらに、金属を削る工具も使っているうちに摩耗して切れ味が悪くなります。

それによっても、切削抵抗の変化により切削熱の差が出るので切粉の色が変わります。

 

切粉を見て「そろそろ工具の交換時期だな」と判断することもあります。

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切粉の見極めができることのメリット

金属切粉の色で見分けがつくことにはメリットがあります。

例えば、「図面に記載されている金属とは削ってみた感じが何か違う気がする」と気付けるかどうかです。

 

素材間違いがあったりすると大変です。

特に、社内に在庫材を置いてあり、それを使って加工するなんて場合に鋼種を取違えたというミスが起こる可能性もあるわけですね。

 

そのまま、間違った材料で部品加工して納品したあとに、「これ、おかしいぞ!」とお客さんから言われたら最悪です。

何かの製造ラインの部品なんかだったら、賠償金請求されたりする可能性もゼロじゃない。

恐ろしや・・・・

 

あとは、工具の交換タイミングが予測しやすいという点です。

工具も永久には使えないので、どこかのタイミングで交換するわけですが「そろそろやな」というタイミングがわかるのは大きなメリットです。

工具の限界ギリギリまで使っていて、万が一ボキッと工具が折れたりした場合、その折れた衝撃で加工品がダメになったりすることもあります。

 

工具代も必要だけど、製品の作り直しという無駄なコストが発生してしまうのを抑えることができるのです。

切粉の色の見分け方はどうやって覚えるのか?

会社によって、普段からよく削っている材料の種類には偏りがある程度あったりします。

なので、一番の方法は先輩・上司に聞くということです。

 

あるいは、自分で削ってみて切粉の色を見て覚える。

それでもいい。

私は、自分で削って色を覚えました。

 

そのうち、色だけじゃなくて切粉を見れば、どの工具で削ったかまでわかるようになります。

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