町工場で働き始めて10年。
知らず知らずのうちに、無意識に口から出てくる言葉(単語)は実は普段あまり使わない言葉だったりします。
これから工場に就職して働こうかと思っている人にとってはちょっと気になることではないでしょうか。
いわゆる業界用語的?なものを覚えないといけないのかと。
ここではそれを紹介しよう。
町工場に就職するなら、たぶん使うようになるよ。
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長さの単位はミリ!センチメートルなんて使いません!
我々のように、毎日部品加工の図面を眺めていると自然と脳みそが「ミリ単位」で固まります。
小学校で長さの単位として、mm(ミリメートル)、cm(センチメートル)、m(メートル)、km(キロメートル)と習いますよね。
そして、普段よく使うのが cm(センチメートル)だと思う。
でも、部品加工の図面は私の知る限りでは全て mm(ミリメートル)表記です。
何も知らずに町工場に就職して図面を見たら、寸法数字に単位がないのでうっかり cm(センチメートル)と間違えそうにならないか心配ですね。
単位をmm と cm で間違えたら 10倍長さが変わりますから!!
個人で町工場に加工をお願いしたいという時にも、この寸法単位は間違えないようにしよう。
また、できるだけ mm単位で表記しておくことが望ましいです。
この寸法で私達は 10mm のことを「とーミリ」って呼びます。
ひー、ふー、みー、よー・・・・・っていう数字の読み方のやつです。
ひー:1
ふー:2
みー:3
ですね。
10は「とー」と呼びますので、「とーミリ」なんです。
だけど、他の数字は普通に「いちミリ」「にミリ」・・・です。
不思議。
さらに、0.01mm のことは「ひゃくぶんの1ミリ」と呼ぶ。
「れーてん、れーいちミリ」とも呼ぶけど、「ひゃくぶんの~」という方が多いですね。
バリ取り?かえり取り?何ですかそれ?
ものを切ったり、削ったりするとエッジ(カド)部分に削り残留物が残ります。
手で触ると引っかかるやつです。
例えば、包丁を砥石で研いだときに出る刃先の薄い皮のようにまくれてくるやつです。
これを、「バリ」とか「かえり」って呼ぶのですけど、この言葉自体がものづくりの用語みたいですね。
ところで、「バリ」と「かえり」って使い分けしていますか?
意味は同じなんですが、何で言葉が2つあるのか。
また、人によって呼び方がまちまちです。
もともと、日本では「かえり」という言葉が主流でしたが、外来語として同じ意味をもつ「burry」からカタカナ表記で「バリ」という言葉が生まれました。
どちらを使ってもよいですが、最近は「バリ取りしといて~」というように、「バリ」を使う方が多くなった気がします。
みんな西洋かぶれか!!
「ビビる」って言うけど、別に怖気づいてるわけちゃうから!
金属を削る時に「ビビる!ビビる!」と言うことがあります。
これは別に金属を削ることに怖気づいてしまっているわけではなく、削っている加工物が振動して加工面が波打ったようになってしまうことを指します。
「ビビる」という言葉の由来は実は平安時代から使われている言葉にあって、昔の戦の時に大群が移動すると身に着けている鎧がすれて音が出ます。
その音が「ビンビン」と鳴り響くことから「ビビる」という言葉が生まれたのです。
つまり、「ビビる」は震えるという意味になり、ものづくりの用語的に使われるのです。
町工場では加工中に「品物がビビって困る!」と言いますね。
ビビりやすい加工は、薄っぺらい板を削るような加工とか、細い工具を使って加工する時ですね。
「ビビる」という言葉は怖気づくという意味も持ちますが、これは鎧を着た大群が押し寄せてくる音が聞こえ、恐れをなして逃げたという話からきています。
「ハネといて」って言われて跳ねたらあかんで
「ちょっとここハネといてくれる?」
と職場の先輩に言われて、えっ!?ここで飛び跳ねるの?
なんて勘違いするとひっぱたかれるるのでご注意を(笑)
「ハネる」というのは、部品加工において削るということ。
カットするということです。
削っといてとは言わずに、ハネといてと言う使い分けは微妙。
イメージ的には削り落とすという感じですかね。
ざぐってください
何かの呪文ですか?と言われそうですが、建築用語とか加工用語の1つです。
何だか「ググってください(グーグルで検索してください)」と同じニュアンスで略した言葉ですね。
「ざぐって」は「座刳る」と書き、座ぐり加工をしてくださいという意味です。
座ぐり加工って何ですか?という人は↓を参照してください。
結局は自然と使うようになる「ものづくり用語」
他にも、ものづくりの世界でしか使わない言葉ってあるかもしれませんが、工場に就職した頃は馴染まなくとも、いつの間にか脳に勝手にしみ込んでいきます。
特に寸法単位は、これまでセンチメートル単位で考えていたのが、すべてミリ単位基準で考えるようになることに気づくと思います。
それだけ、気構えすることは必要ないってことですね。
それよりも、どこの工場に勤務するか、どんな内容の業務をするのかの方が大事です。
こだわりの条件で工場(職場)探しをしたいと思うなら、工場ワークスが安心して利用しやすいと思います。
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きっと、見つかると思いますよ。