マニホールドブロックとは?構造と役割を解説!

マニホールドブロックとは?構造と役割を解説! 町工場ビジネス

機械装置の設計や油圧システムに携わっていると、必ずと言っていいほど出てくるのが「マニホールドブロック」。でも、いざ「マニホールドブロックとは何か?」と聞かれると、なんとなくで済ませていませんか?構造や役割、バルブとの関係など、意外と知られていないポイントが多くあります。

この記事では、マニホールドブロックの基本的な仕組みや配管における意味、油圧機器における役割について、図解を交えながらわかりやすく解説します。初心者の方でもイメージしやすいように、用途やメリット、使い方まで丁寧にご紹介します。

読後には、現場で「それ知ってるよ」と自信を持って言えるようになるはずです!

 

マニホールドブロックとは?構造と基本機能をやさしく解説

マニホールドブロックとは?構造と基本機能をやさしく解説

マニホールドブロックとは、油圧システムに欠かせない重要部品です。しかし、その役割や構造を深く理解している方は案外少ないかもしれません。

ここでは、「そもそもマニホールドブロックとは何か?」という疑問に答える形で、仕組みや構造、基本的な機能についてわかりやすくご紹介します。部品単体ではなく、油圧システム全体の中での働きまで含めて理解することで、設計・選定・メンテナンスの精度向上につながります。

 

マニホールドブロックとは何か?その基本定義と役割

マニホールドブロックは、油圧システムの心臓部ともいえる存在です。
バルブや電磁弁などの油圧制御機器を一つの直方体のブロックにまとめ、配管の接続点を減らして省スペース化・軽量化を実現します。内部には精密な流路が形成されており、流体(多くは作動油)が必要な方向にスムーズに流れるよう設計されています。

たとえば、10個のバルブを1枚ずつ取り付けていた場合、それぞれにホースや継手が必要になります。しかしマニホールドブロックを使えば、それらを一体構成にまとめられ、部品点数を約40%削減できるというデータもあります(※参考:油研工業製品資料 https://www.yuken.co.jp)。

また、漏れのリスクも大きく低減され、保守や点検の作業も大幅に短縮できます。こうした特徴から、産業機械・建設機械・医療機器・工業用ロボットなど、多くの分野で採用されています。

さらに、流路の設計次第でシステムの応答性や圧力制御の精度も向上するため、設計段階での理解が非常に重要です。見た目はただの金属ブロックでも、中身には高い技術が詰まっているのです。

 

構造と仕組み:内部流路とバルブ配置の意味

マニホールドブロックの内部は、まるで迷路のような流路が複雑に彫り込まれています。
この内部流路が、油圧回路の命を握るポイントです。一般的には、アルミやSUS304などの金属素材をフライス加工・ドリル加工・ねじ加工などで削り、ポート(Rcねじ口径)ごとに分かれた流路が形成されます。

たとえば、複数の電磁弁を1つのマニホールドに取り付ける場合、「P(圧力)→A/B(出力)→T(戻り)」という流れが最も一般的です。この流路を正確に設計することで、流体が無駄なく流れ、システムのレスポンス向上やエネルギー損失の削減が可能になります。

また、バルブの配置にも意味があります。外部からのメンテナンスがしやすいように、制御バルブや圧力センサーは上面または前面に設置されることが多く、これにより現場での作業効率が高まります。

内部流路の直線度は±0.05mm以内、ポートのねじ交差はJIS規格に準拠するのが一般的。これらの加工精度によって、最終的なシステム全体の性能が左右されます。

このように、マニホールドブロックは見えない内部構造にこそ技術が詰まった部品。設計・製作・運用すべての工程において、深い理解が求められる重要な油圧構成部品なのです。

 

マニホールドブロックの油圧システムにおける実用面と選定基準

マニホールドブロックの油圧システムにおける実用面と選定基準

実際に設計現場や保守現場で使う立場になると、「どのマニホールドブロックを選べばよいか」「何に注意すべきか」といった判断が求められます。

このパートでは、実務に即した形で、選定時に見るべきポイントや他の油圧部品との違い、誤解しやすい点などを深掘りして解説します。特に、バルブブロックや分配バルブなどとの違いを理解しておくことが、トラブルの未然防止にもつながります。

 

マニホールドブロックと他部品(バルブブロック等)の違い

マニホールドブロックと似た名称の部品はいくつかありますが、それぞれに役割の違いがあります。

たとえば「バルブブロック」や「分配バルブ」は、油圧や空圧の流体を切り替えるための制御部品として使われます。一方でマニホールドブロックは、これらのバルブ類を一体化・集約するための“土台”としての役割を担っています。

マニホールドブロックは、直方体の金属ブロックに流路を加工し、複数の電磁弁やポンプ、圧力センサーなどをまとめて取り付けできるよう構成されています。そのため「構成部品を固定する本体」であり、「流体の流れをコントロールする装置」ではない点が最大の違いです。

たとえば、5つの電磁弁をバラバラに配管する場合、ホース・ねじ・継手・フランジなど30点以上の部品が必要になりますが、マニホールドブロックを使えばそれが1ブロック+5バルブ程度で済み、配管作業も大幅に短縮できます。

加えて、バルブブロックは流体の制御精度が重視される一方で、マニホールドブロックは内部構造の流路形成精度や取付ポートの寸法精度が重視されます。これにより、全体のシステムとしての安定性が確保されるのです。

 

選定のポイント:材質、流量、圧力、接続方法

実務上、マニホールドブロックを選ぶ際にもっとも重要なのが「目的に合った仕様かどうか」です。

まず材質の選定が肝になります。アルミニウムは軽量で加工がしやすく、コストダウンにもつながるため、自動化装置や搬送装置などに多く使われます。一方で、SUS304やSUS316、SUS630などのステンレス系は、耐圧・耐食性が高く、食品機器や医療用装置、海洋産業機械などに適しています。

さらに、それぞれの材質が持つ機械的特性を最大限に活かすために、固溶化熱処理の知識も必要です。耐食性や強度の変化に関しては、以下の記事が参考になります:
▶︎ SUS304、SUS316、SUS630などの固溶化熱処理とは?

 

次に流量と圧力(MPa)の設計値に応じた仕様選定も不可欠です。仮に最大使用圧力が16MPaのシステムであれば、20MPa対応のマニホールドブロックを選定するのが一般的です。
ポートサイズ(Rc1/8〜Rc1)や接続タイプ(フランジ式、ねじ接続式)も事前に確認しておくべきです。接続ミスによるリーク(油漏れ)は、安全性・機器寿命に直結するため、ここでの判断が重要です。

また、最近ではモジュラー式構成やカスタム設計対応のブロック製品も増えており、メンテナンス性や更新のしやすさを優先する現場ではこうした選択肢が推奨されています。

技術資料や製品カタログでは「接続口数」「質量(kg)」「寸法(mm)」が明記されていますので、必ずチェックしましょう。

なお、一般社団法人日本フルードパワー工業会が公開している技術指針も非常に有用です。詳細な規格値や応力データなどを知りたい方はこちらも参考にどうぞ。
▶︎ JFPS公式サイト

 

「マニホールドブロック」設計・加工・導入の現場で本当に役立つ知識

「マニホールドブロック」設計・加工・導入の現場で本当に役立つ知識

設計者・エンジニア・メンテナンス担当など、現場で関わる方が本当に知りたいのは、教科書的な定義ではなく、「どう設計し、どう加工・導入すればいいのか?」という実用的な知識です。

ここでは、図面作成時や加工業者への依頼時に押さえるべきポイント、設計ミスを防ぐための実践ノウハウをご紹介。さらに、近年注目されている3D CAD設計やカスタム対応、樹脂製マニホールドといった最新の動向にも触れます。

 

設計・製作時の注意点と加工トラブル回避のコツ

実際の設計現場では、マニホールドブロックの“図面通り”が必ずしも“使いやすい”とは限りません。

たとえば、内部流路が極端に長くなると圧力損失が増加し、ポンプやバルブへの負荷が高まります。配管が短くても、流路の交差や急角度の変更が多ければ乱流が発生し、油圧制御の精度が低下する恐れがあります。こうしたトラブルは、見た目では判断できないため、設計段階から流体解析(CFD)や3Dモデルによるシミュレーションを活用するのが有効です。

また、加工においてはフライスやボーリングによる深穴加工、ねじ加工(Rcポート)など、高精度が求められる工程が多く、±0.01mm以内の交差を指定するケースも一般的です。
ただし、加工者との間で「どの寸法が最重要か」「検査の基準点はどこか」などを共有していないと、完成品が図面通りでも実機に合わないといったことが起こります。

さらに、切りくずの混入や未加工残りがあると、最終的な油圧システム全体に不具合が生じるリスクがあるため、組立前の洗浄工程や目視検査の徹底も不可欠です。

こうした現場での失敗を減らすために、加工業者との密な打ち合わせとフィードバックループの構築が重要です。特に一貫製作が可能なパートナー企業を選ぶことで、精度・納期・コストのバランスをとりやすくなります。

 

最新動向:3D設計・カスタム加工・樹脂製品の可能性

近年では、マニホールドブロックの設計にも3D CADとシミュレーション技術が欠かせなくなっています。

以前は2D図面での設計が主流でしたが、流路の可視化・体積計算・干渉チェックなど、3Dでの事前検証により手戻りや加工ミスが激減しています。特に内部流路の形状が複雑な場合や、積層構造を持つカスタムブロックでは、3D設計が有効です。

また、カスタム対応についても、かつては「高コスト・長納期」が常識でしたが、現在では短納期(翌々日出荷)や少ロット(1個から)の対応が可能なメーカーも増えています。たとえば、ダイカスト成形を活用した専用設計ブロックでは、試作段階での流路変更も柔軟に対応できるという事例もあります。

さらに注目されているのが、樹脂製のマニホールドブロックです。特に医療分野や半導体製造装置においては、軽量で耐薬品性に優れたPEEKやPOM素材の需要が拡大しています。
もちろん圧力耐性は金属に劣りますが、最大0.8MPa程度の低圧用途であれば十分に実用的であり、製品重量を最大40%以上削減できるケースも報告されています。

樹脂製品は、加工時の変形や熱収縮を考慮した設計が必要なため、専門的なノウハウを持った加工業者との連携が重要です。また、材料のデータシートやCADモデルがオンラインで提供されているかどうかも、選定基準のひとつとなるでしょう。

このように、設計から導入に至るまで、「どう選ぶか」だけでなく「誰と組むか」も品質と信頼性を左右する要素です。現場での成功事例をもとに、柔軟な対応力と技術力を持つパートナーと協力することが、最良の結果へとつながります。

 

中国製マニホールドブロックはコストダウンの有力手段に

マニホールドブロック

「マニホールドブロックって、もっと安く作れないかな…」
そんなふうに感じたことはありませんか?実は、中国の協力会社に依頼することで、国内製作よりもコストを大幅に抑えられるケースがあるんです。

もちろん、「安い!安い!」とばかり言うと少し大げさに聞こえてしまうので、まずはそこはご容赦を。でも実際に、自社加工と比べて3割以上安く製作できた実例もあります。最初は驚きました。

たとえば、ミスミなどで販売されている標準品が使えるならそちらが最適です。ですが、「規格外」や「特殊形状」のマニホールドブロックになると、別注対応が必要。そういった場面で、中国製の特注加工品は高いコストパフォーマンスを発揮します。
特に、両手で持てる中サイズ程度までなら、輸送コストを含めても十分にメリットがあります。

 

「本当に大丈夫?」という不安、最初は誰もが感じます

中国製と聞くと、「品質は大丈夫かな?」という不安がつきものです。私自身も、最初は試作のつもりで依頼しました。ですが、結果は想像以上にきれいな仕上がりで、評判も良く、その後は指名でリピート注文をいただくほどになりました。

現在は、深センエリアにある協力会社と長年の取引があり、マニホールドブロックの製作はすべてそちらで対応しています。輸送にはDHLの航空便を使用しており、品質・スピードともに満足度は高いです。

初期のころは、Rc(PT)タップの深さなどで微調整が必要なこともありましたが、現在ではゲージ検査も標準化され、品質の安定性が向上しています。

 

海外調達でも「信頼関係」が加工精度に直結する

何度も発注を重ねていくうちに、こちらの加工の意図や仕様のクセを理解してくれるようになります。
「前回と同じ仕様ですか?」
「今回はここが違いますが大丈夫ですか?」
といった質問をくれることもあり、不良を未然に防げたケースも実際にありました

こうした細やかなやり取りこそ、長く取引を続けてきた“信頼”の証。今では、深穴加工や横からのガンドリル加工のような難加工も中国側に一任しています。国内で対応するよりも作業負担や段取り工数が少なく済むのも魅力のひとつです。

 

気になる納期は?平均1か月、短納期対応も可能

「中国に依頼すると納期が遅いのでは?」と聞かれることがありますが、平均して3〜4週間以内で納品されるケースが多く、製品のサイズや数量によっては2週間程度で出荷されることもあります(要相談)。

「今すぐ欲しい!」という緊急案件でも、協力会社に直接相談して調整を行うことで、柔軟な対応が可能です。

 

中国製マニホールドブロック、見積だけでも大歓迎です

最近は、価格圧縮の流れで商流の見直しや中間マージンのカットが進んでおり、以前のように3次・4次請けでも受注できた時代とは様変わりしています。

その中で、発注元に近いメーカーや、直接海外調達ルートを持つ企業が有利になっているのは間違いありません。

私たち平野製作所は、小規模ながらも中国との取引を10年以上続けてきた実績があり、図面1枚からでも気軽にお見積り対応しています。
「価格を抑えたい」「納期に余裕がない」「一品モノだけど加工先が見つからない」そんなときは、ぜひご相談ください。

▶︎ マニホールドブロックの中国調達、見積ご希望の方は 有限会社平野製作所 までお気軽に。

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