町工場の営業職が年収1000万稼ぐ戦略

町工場の営業職が年収1000万稼ぐ戦略 工場で働く

「営業職で年収1000万円なんて、一部のトップ営業だけの話だろう」と感じていませんか?
特に町工場のような中小企業では、単価の安い仕事や単発案件ばかりで、どうしても年収が伸び悩むことが多いのが現実です。

しかし、実は営業活動のやり方次第で、町工場の営業職でも年収1000万を実現することは可能です。
本記事では、「粗利を生む案件の見極め方」「安定した受注を得る営業の仕組み」「大手企業との継続取引を実現する方法」など、年収アップに直結する具体的な営業戦略を解説します。

年収を高めたい営業職の方へ──。
この先を読めば、あなたの営業活動に“戦略”という武器が加わるはずです。

 

営業職が年収1000万を稼ぐために必要な“考え方”と“仕組み”とは

営業職が年収1000万を稼ぐために必要な“考え方”と“仕組み”とは

営業職として「年収1000万」は、限られた業界・人材だけが届く数字と思われがちですが、町工場のような中小製造業でも、しっかりと戦略を持てば十分に実現可能です。
営業力そのものよりも、「どんな相手に・どんな価値を・どのタイミングで提案するか」という全体戦略の設計がカギになります。

特に、単価が安く不安定な個人営業ではなく、法人営業・BtoB営業として粗利の大きな仕事を安定的に受注する仕組みが重要です。
この章では、営業職が“年収1000万”を目指すうえで根幹となる「考え方」と「仕組み」について、実例をまじえながら深掘りしていきます。

 

粗利が営業職の評価基準になる理由

町工場の営業職が年収を大きく伸ばすためには、「売上」よりも「粗利」に着目する必要があります。

粗利とは、売上から原価を差し引いた利益のこと。
たとえば、500万円の売上でも、原価が450万円なら粗利は50万円。
しかし、300万円の売上でも原価が150万円なら、粗利は150万円。
後者の方が、営業としての“成果”は圧倒的に高いのです。

多くの町工場では、「売上=成果」と見なされがちですが、経営視点で見れば粗利こそが給与・ボーナス・インセンティブ・固定給の源泉。
実際に、年収1000万以上の営業マンを多数育てている中小企業の多くが、粗利ベースで営業評価制度を設計しています。

また、成果報酬型の給与体系に依存せずとも、粗利3〜5倍の営業パフォーマンスが維持できれば、固定給ベースでも年収1000万は現実的です。
つまり、営業職としての真の評価軸は「どれだけ利益を会社に残したか」に他なりません。

>>>高年収を実現したいなら「一人当たりの粗利」を意識せよ|年収の3〜5倍が目安の理由とは?

 

町工場営業職に必要なのは「売る力」ではなく「選ぶ力」

「もっと売らなきゃ」ではなく、「何を売るか」「誰に売るか」を選ぶ力が、年収1000万の鍵になります。

たとえば、A社からの発注案件が1個あたりの単価8,000円、1ロット100個で粗利率10%。
一方、B社の案件は単価2万円、同じロット数で粗利率40%。
この時点で、営業として“どちらに時間を使うべきか”は明白です。

町工場の営業では、製品の単価が決して高くないため、少ない高利益案件に集中する方がコスト・時間・利益すべての面で効率的です。
加えて、大手企業や商社との取引は、単価だけでなく「年間契約」「定期発注」「追加工案件」といった“育つ商材”であることも多く、継続受注につながります。

つまり、営業職として年収1000万を目指すには、「売れる案件」ではなく、「利益が積み上がる案件」を選び抜く力=選別力が不可欠です。
そしてその判断には、図面読解力や加工の知識・外注コスト感覚など、製造業特有のスキルセットが求められるため、現場との連携も極めて重要です。

この“選ぶ力”こそが、町工場営業の年収を左右する真の武器になります。

 

営業職で年収1000万を実現する案件獲得と交渉スキルの磨き方

営業職で年収1000万を実現する案件獲得と交渉スキルの磨き方

営業職として年収1000万円を達成するには、単なる「数をこなす営業」では限界があります。重要なのは、どれだけ粗利の高い、継続性のある案件を安定的に獲得できるかという点です。
町工場のような中小製造業では、1件1件の受注が経営に与えるインパクトが大きく、営業が案件の“質”を見極める目を持つことが、年収を大きく左右します。

この章では、具体的な見極め基準・アプローチ・交渉の工夫を紹介しながら、粗利アップに直結する営業ノウハウを解説します。
これらのスキルは、キャリアアップを目指す営業職にも必須の武器となるはずです。

 

粗利の高い案件を見極める3つの基準

質の高い案件を見極めるには、営業の勘ではなく、明確な判断軸を持つことが重要です。

まず1つ目は「価格交渉なしでも発注される提案内容か」。
たとえば、「納期3日短縮」「他社ではできない±0.01mmの精度保証」など、顧客が“価格より優先する条件”を満たしている案件は、利益を削られにくくなります。

2つ目は「図面や仕様から利益率を事前に見抜ける力」。
アルミのような加工しやすい材質か、焼入れ材のように工具コストがかかるか、穴の深さや精度指定から加工時間を推測するなど、設計段階で“割に合うか”を見抜ける営業スキルは強力な武器になります。

そして3つ目は「業界トレンドと購買サイクルの把握」。
たとえば、半導体装置関連は短納期・高精度の需要が高く、コストよりスピードを重視されやすい傾向があります。こうした情報をキャッチし、“今、需要が集まっている業界”に先回りして提案するのが、高収益営業の基本です。

参考:精密加工業界の単価トレンドや需要傾向は 日刊工業新聞 などの業界紙で定期的にチェックしましょう。

 

大手企業と継続取引を作る“導線設計”の技術

町工場にとって、大手企業との継続取引は収益の安定と営業効率の両面で極めて重要です。

最初のステップは「試作案件の獲得」。この段階で“安くて早い”だけでなく、「加工条件の提案」「工程の省略によるコスト削減」など、技術提案型の営業ができると、信頼構築に大きく貢献します。

次に重要なのは、「試作→小ロット量産→定期発注化」という段階設計。
営業としては、初回納品後すぐに顧客へフィードバックを求め、「品質面の改善提案」や「納期短縮の可能性」など、次回発注の口実をこちらからつくる必要があります。

また、商社経由での受注でも、エンドユーザーとのコミュニケーションを細かく取り、「誰のためにこの製品が必要なのか」「困っているのは現場か購買か」を把握することで、受注の“深さ”をコントロールできます。

こうした導線をあらかじめ設計し、次のステップを想定した対応ができる営業職は、大手との長期契約や専属化のチャンスを引き寄せる存在となるのです。

 

町工場の営業職が年収1000万を現実にする差別化戦略と行動習慣

町工場の営業職が年収1000万を現実にする差別化戦略と行動習慣

営業職として年収1000万円を本気で目指すなら、もはや“がんばる”だけでは足りません。
他社との明確な違い──いわゆるUSP(Unique Selling Proposition)を持ち、それを効果的に伝えるスキルが必須です。

また、単発的な成功ではなく、毎月コンスタントに成果を上げ続けるためには、日々の営業活動を数字と仕組みで支える行動習慣が求められます。
この章では、差別化戦略の具体例と、年収1000万プレイヤーが実践している営業ルーティンを徹底解説します。

 

営業職としてのUSPを言語化し“武器”にする方法

顧客が町工場を選ぶ理由は、実は「技術力」だけではありません。
“この会社じゃないとダメな理由”を一言で言えるかどうかが営業成績を左右します。

たとえば、「溶接と機械加工の一貫対応」ができる町工場は意外と少なく、大手メーカーの購買担当者にとっては外注管理コストを減らせるメリットになります。
このような特徴を「一貫体制で管理がラク」「納期も一元管理」など営業用語に翻訳して提案資料に落とし込むことで、他社との差別化が明確になります。

さらに、「最短3日対応の短納期」「全品検査・寸法保証付き」「海外調達によるコスト競争力」なども立派なUSPです。
これらを“強み”として見せるには、

  • 商談時に使える「対応実績の事例集」

  • 商社向け「加工ネットワークの図解資料」

  • 品質保証体制をまとめた「ISO対応パンフレット」
    などの営業ツールの整備も必要です。

中小企業の営業こそ、「ウチは○○ができます」と言語化して伝える力=営業力が問われます。

 

年収1000万を実現した営業職が必ず持つ習慣と行動指標

差別化ができても、行動しなければ結果は出ません。
年収1000万円を稼ぐ営業職には、日々の活動を“数字”で可視化する習慣があります。

たとえば、「月間300万円の粗利を目標」に設定した場合、

  • 平均粗利率30%なら、売上目標は月1000万円

  • 平均受注単価が50万円なら、20件の商談が必要
    と逆算して、1日1件以上の商談または新規アプローチが必要という計画が立ちます。

こうした指標をもとに営業日報をつけることで、「今日は何件電話したか」「商談数は予定通りか」など、PDCAがまわせる“営業の設計図”になります。

さらに、町工場ならではの強みとして「現場との連携」を営業KPIに組み込むのも有効です。
たとえば、「加工現場と週1でミーティング」「図面レビューの回数」など、技術と営業をつなぐ動きも“成果につながる行動”として習慣化します。

このように、“行動が成果につながる設計”を持った営業こそが、継続的に年収1000万を達成していくのです。

【参考文献】営業パフォーマンスと粗利の関係については、株式会社識学の調査(識学公式サイト)も参照されています。

 

まとめ:町工場の営業職でも“年収1000万円”は実現できる

「町工場の営業職では年収1000万円は難しい」と思われがちですが、本記事で紹介したとおり、正しい戦略と行動習慣を身につければ、その壁は十分に超えられます

重要なのは、ただ売上を追うのではなく、「粗利を最大化する案件の見極め力」「選ぶ力を活かしたターゲティング」「大手企業との継続取引の導線設計」といった“利益に直結する営業思考”への転換です。

また、USP(独自の強み)の言語化と資料化、そしてPDCAを回す日々の行動指標によって、“属人的”な営業から“仕組みで勝てる営業”へと進化することができます。

町工場だからこそできる強みを営業力に変え、高単価・高粗利・安定継続の三拍子が揃った案件を自ら引き寄せる存在になること。それが、営業職としての年収1000万を現実にする最短ルートです。

有限会社平野製作所では、この記事で書いた内容に賛同し取り組んでくれる営業職を募集しています。詳しくはホームページ内の採用ページをご覧ください。
タイトルとURLをコピーしました