中国製の高周波焼き入れ装置(高周波誘導加熱機)は使えるのか?

表面処理

中国製の高周波焼き入れ装置をアマゾンなどのネットショップで見つけた人は「これって使えるのかな?」と思うだろう。

もしも、使えたら簡単な高周波焼き入れをわざわざ熱処理屋に出さなくてよいし、短納期で急いでいる時には超便利やん!と思いますよね。社内で使用する治具への高周波も簡単にできちゃう。

でも、使えなかったらもったいないし・・・という感じです。

こんなものです👇

今回は、そんな怪しげ?な中国製の高周波焼き入れ装置について、実際に購入して使ってみた感想をレビューしてみたいと思います。

中国製の高周波焼き入れ装置は本当に高周波焼き入れできるのか?

この記事を見ている段階で、高周波って何?という人はいないと思いますが、高周波焼き入れの原理と焼き入れできる素材とはという記事で高周波の簡単な原理を説明していますので、気になる人は参照してください。

では、実際に中国製の高周波焼き入れ装置を使って代表的なS50Cの高周波焼き入れをしてみます。

 

その辺に転がっていたS50Cの端材を高周波で熱してから、水で急冷します。

その後、実際に硬度が高くなっているのかを硬度計でチェック!!

電流・電圧の関係もあってか、業者のような高速で真っ赤に熱せられるわけではありませんが、ちゃんと中国製の高周波焼き入れ装置でも熱は入るようです。

 

では、肝心の硬度はどうなっているかというと。

焼き入れ前は、HRC10以下です。

焼き入れ後は、HRC40-50程度。

焼き入れする対象物の大きさによっても、多少のばらつきがありますが焼きは入る。

ということで、使えるか使えないかという疑問においては、一応、使えるという結果でした。

 

中国製の高周波焼き入れ装置を購入する際に注意すること

中国製の高周波焼き入れ装置でも使えそうやん!

ということで、買ってみようかと思ったあなたに注意点を。

 

海外製の製品は200Vの電圧が必要

まず、電源が100Vではなく200Vなんです。

電源プラグがこのような形であったりします。

他にも異なる形のものもあるかもしれません。

なので、我々が普段使っている100V電源には差し込めないの注意しないといけません。

 

EV充電ケーブル用 100V 変換プラグ というものが、売っているのでそれを利用するという手もありますけど、100Vだと高周波焼き入れ装置が使えるのかどうかは???です。

できることなら、100Vから200Vへの昇圧器を使うことをおススメします。

私はこれを使っています。日本の100Vの電圧を200Vに昇圧してくれるので海外製品を使用するときに便利な一品です。

アマゾンで13000円くらい。

UMIVC 変圧器 3000W 海外電気製品を日本で使用 昇圧器 昇圧機 アップトランス 電源トランス 100V to 220V

これを使えば、差込口の問題も電圧の問題も一応は解決されます。

 

水冷タイプの高周波焼き入れ装置は別途ポンプの購入が必要になるかも

どの高周波焼き入れ装置を購入するかにもよりますが、水冷タイプのものを購入した場合はポンプの購入が別途必要になることもあります。

一応は付属でポンプが付いてくるのですが、壊れたりすると代替品を探すのが結構大変だったりします。

 

付属のポンプが壊れてしまった時は、ネットで「水中ポンプ」とか「水流ポンプ」と検索して購入しないと、高周波焼き入れ装置が使用できないままになってしまいます。

私が購入した高周波焼き入れ装置に付属されていたポンプは1年ちょっとくらいでダメになりました。。。

 

ポンプを購入するときは、ポンプの水の吐出量を確認するようにしてください。

吐出量が少ないものだと、パワーが小さくて高周波焼き入れ装置に繋いでもエラーが出てしまいます。

付属されていたポンプに吐出量が記載されていると思いますのでチェックしましょう。

私が購入したのはLNSTUDIO 水中ポンプ 底部入水式 循環ポンプ 吐出量1500L/H 最大揚程1.8M 水耕栽培ウォーターポンプ 水族館給水・排水ポンプ 静音設計 (25W-1500L/H)です。

2000円くらいのポンプですけど、十分に使えています。

あとは、ポンプとホースをつなぐニップルなどは適宜用意してください。

まとめ

安い中国製の高周波焼き入れ装置。

意外と使えます。

ただし、ちゃんと温度管理とかしたければ、非接触型の温度計などを購入しておく方がよいでしょう。社内治具用とか、とにかくある程度硬度が上がれば大丈夫というような使い方をするなら全く問題なく使えます。

 

少なくとも、1日中連続して使用しているわけではなければ、数年は壊れる心配もほとんど無い感じです。3年くらい使っていますが、何も問題が起こっていないので。

気にする点としては、先に挙げた注意点以外には表示が中国語であること。今はスマホのgoogleレンズなどのアプリを使えばカメラ機能を通して翻訳も簡単にできるし、そこはクリアできるのではないかと思います。

とりあえず、余力があるなら買ってみて使ってみてください。

タイトルとURLをコピーしました