アルミの種類一覧|用途・強度・選び方を徹底解説!

材料

「アルミにはどんな種類があるの?」「A5052やA6061の違いが分からない…」そんな疑問を持ったことはありませんか?アルミは軽量で耐食性に優れた金属ですが、用途や加工方法によって最適な種類が異なります。間違った選定をすると、強度不足や加工トラブルの原因になることも…。

この記事では、アルミの種類を一覧で整理し、それぞれの用途・強度・特性をわかりやすく解説します。さらに、選び方のポイントや、用途別のおすすめアルミ材についても詳しく紹介。

「どのアルミを選べばいいのか迷っている」「最適な種類を知って業務に活かしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください!

 

  1. アルミの種類とは?特徴と用途を徹底解説!
    1. アルミの種類はどう分類される?純アルミとアルミ合金の違い
      1. 純アルミ(1000系)の特徴
      2. アルミ合金の特徴
    2. アルミ合金の系統別分類(1000系~7000系)の特徴と用途
      1. 【1000系(純アルミ系)】耐食性が高く、加工しやすい
      2. 【2000系(ジュラルミン系)】強度が高く、航空機向け
      3. 【3000系(Mn系)】耐食性と加工性のバランスが良い
      4. 【5000系(Mg系)】強度と耐食性に優れた万能型
      5. 【6000系(Mg-Si系)】バランスが良く、建築・自動車向け
      6. 【7000系(Zn系)】最高強度を誇るが溶接性が低い
  2. アルミの強度・耐食性・加工性の違いとは?
    1. アルミの強度比較|どの種類が最も高い? 
    2. アルミの耐食性と表面処理|どの種類が錆びにくい?
      1. 代表的なアルミの耐食性比較
    3. アルミの加工性|切削・溶接・曲げ加工のしやすさを比較
      1. 切削加工性
      2. 溶接性
      3. 曲げ加工性
  3. アルミの選び方|用途別に最適な種類を見極めるポイント
    1. 自動車・航空機向けのアルミ材の選び方
      1. 航空機向けアルミ材の代表例
      2. 自動車向けアルミ材の代表例
    2. 建築・構造材向けのアルミ材の選び方
      1. 建築・構造材向けのアルミ材の代表例
    3. 機械部品・加工用途に最適なアルミ材の選び方
      1. 機械部品向けのアルミ材の代表例
  4. アルミの種類の見分け方|JIS規格や記号の意味を理解しよう
    1. アルミの記号(H14、H24、T4、T6)の違いとは? 
      1.  
      2. 「H」:加工硬化(硬さ調整)を示す記号
      3.  
      4. 「T」:熱処理による強度向上を示す記号
    2. JIS規格とアルミの番号の見方を解説
      1.  
      2. JIS規格のアルミ番号の基本ルール
      3.  
      4. JIS規格の番号で適切なアルミ材を選ぶ
  5. アルミの種類別価格とコストパフォーマンスの考え方
    1. 安価なアルミと高価なアルミの違いとは?
      1. 1. 純度と合金の違い
      2. 2. 用途と業界による違い
      3. 3. 表面処理や加工性の違い
    2. コストと性能のバランスを考えた最適なアルミの選び方
      1. 1. 目的に応じた適正な強度を選ぶ
      2. 2. 耐食性を考慮する
      3. 3. 加工性とコストを比較する
      4. 4. 表面処理による価格差を考慮する
  6. まとめ

アルミの種類とは?特徴と用途を徹底解説!

アルミの種類とは?特徴と用途を徹底解説!

アルミは、軽量かつ耐食性に優れた金属として、航空機、自動車、建築、電子機器など、さまざまな分野で活用されています。しかし、一口に「アルミ」と言っても、その種類は多岐にわたり、強度や加工性、耐摩耗性、耐熱性などの特性が大きく異なります。

たとえば、飲料缶やアルミホイルに使われる純アルミ(1000系)と、航空機や自動車部品に使われる高強度アルミ合金(7000系)では、強度や用途がまったく異なります。もし、用途に合わないアルミ材を選んでしまうと、強度不足や耐久性の低下につながり、最悪の場合、製品の安全性にも影響を及ぼす可能性があります。

本章では、アルミの種類について基本的な分類を紹介し、それぞれの特徴や用途について詳しく解説します。「どのアルミを選ぶべきか?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

アルミの種類はどう分類される?純アルミとアルミ合金の違い

アルミは大きく分けて 「純アルミ(ピュアアルミ)」「アルミ合金」 の2種類に分類されます。

純アルミ(1000系)の特徴

純アルミは、アルミの含有率が99%以上のものを指し、耐食性や熱伝導性、電気伝導性に優れています。たとえば、A1050A1100といった純アルミは、主に以下のような用途で使われています。

飲料缶・アルミホイル・鍋・電線(高い電気伝導性・耐食性)
反射板・ミラー素材(光の反射率が高いため)
化学プラントの配管(薬品に強く錆びにくい)

しかし、純アルミは強度が低いため、構造材には向いていません。そこで、より強度や耐摩耗性を向上させるために、他の金属を加えた「アルミ合金」が生まれました。

アルミ合金の特徴

アルミ合金は、純アルミにマグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、銅(Cu)、亜鉛(Zn) などを添加し、強度や耐摩耗性、加工性を向上させたものです。アルミ合金は、その成分によって大きく**「展伸材」と「鋳造材」** に分類されます。

🔹 展伸材(押出・圧延用):薄板やパイプ、フレームなどの形状に加工される(例:5000系、6000系)
🔹 鋳造材(ダイカスト用):溶かして型に流し込んで成形する(例:ADC12などのダイカスト合金)

アルミ合金の中でも、JIS規格では1000系~7000系に分類され、それぞれ特性や用途が異なります。次の項目では、1000系~7000系の特徴と用途について詳しく見ていきましょう。

 

アルミ合金の系統別分類(1000系~7000系)の特徴と用途

アルミ合金は、添加元素の種類と割合によって、JIS規格で1000系から7000系まで分類されています。それぞれの特徴と主な用途を以下にまとめました。

【1000系(純アルミ系)】耐食性が高く、加工しやすい

主な材質:A1050、A1100
特徴:柔らかく、耐食性・電気伝導性が高い
用途:アルミホイル、飲料缶、化学プラントの配管、電線、反射板

🔹 メリット:耐食性が非常に高く、リサイクルしやすい
🔹 デメリット:強度が低いため、構造材には向かない

【2000系(ジュラルミン系)】強度が高く、航空機向け

主な材質:A2017(ジュラルミン)、A2024(超ジュラルミン)
特徴:銅(Cu)を含み、高強度だが耐食性が低い
用途:航空機、車両部品、自転車のフレーム、精密機械部品

🔹 メリット:高強度で耐摩耗性がある
🔹 デメリット:耐食性が低く、アルマイト処理が必要

【3000系(Mn系)】耐食性と加工性のバランスが良い

主な材質:A3003、A3105
特徴:マンガン(Mn)を含み、耐食性が高い
用途:屋根材、給水管、厨房機器、自動車部品

🔹 メリット:耐食性が良好でコストパフォーマンスが高い
🔹 デメリット:強度はそれほど高くない

【5000系(Mg系)】強度と耐食性に優れた万能型

主な材質:A5052、A5083
特徴:マグネシウム(Mg)を含み、高強度かつ耐食性が優れる
用途:船舶、タンク、圧力容器、自動車ボディ、橋梁

🔹 メリット:海水や化学環境にも強く、溶接性が高い
🔹 デメリット:熱処理での強度向上ができない

【6000系(Mg-Si系)】バランスが良く、建築・自動車向け

主な材質:A6061、A6063
特徴:マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を含み、適度な強度・耐食性・加工性がある
用途:建築部材(窓枠、ドア)、自動車部品、自転車フレーム

🔹 メリット:耐食性・強度・加工性のバランスが良い
🔹 デメリット:極端に高強度な用途には向かない

【7000系(Zn系)】最高強度を誇るが溶接性が低い

主な材質:A7075(超々ジュラルミン)
特徴:亜鉛(Zn)を多く含み、最も高強度なアルミ合金
用途:航空機、自転車・バイク部品、スポーツ用品

🔹 メリット:最高レベルの強度
🔹 デメリット:溶接性が低く、耐食性も悪いためアルマイト処理が必要

このように、アルミ合金は用途に応じて適切な系統を選ぶことが重要です。次の章では、アルミの強度・耐食性・加工性の違いについてさらに詳しく解説していきます。

 

アルミの強度・耐食性・加工性の違いとは?

違いを調べる

アルミを選ぶ際に最も重要なのは、「強度」「耐食性」「加工性」のバランスです。用途によっては、高強度が求められる場面もあれば、耐食性が優先されるケースもあります。また、加工のしやすさが重要になることもあるでしょう。

例えば、航空機や自動車のフレームには高強度のアルミが求められますが、食品用のアルミ容器は耐食性が優れたものが必要になります。さらに、建築や機械部品の製造では、切削や溶接のしやすさも重要なポイントです。

この章では、アルミの強度、耐食性、加工性の違いを詳しく解説し、それぞれの特性を踏まえた最適な選び方をお伝えします。


アルミの強度比較|どの種類が最も高い? 

アルミの強度は、「引張強さ(MPa)」や「硬度(HB)」で評価されます。一般的に、純アルミ(1000系)は強度が低く、合金を加えることで強度を高めたものが2000系~7000系のアルミ合金です。

以下に、代表的なアルミ合金の引張強さを示します。

アルミの種類 引張強さ (MPa) 特徴
1000系(純アルミ) 40~80 軽量・耐食性が高いが、強度が低い
2000系(ジュラルミン) 400~500 高強度だが耐食性が低い
3000系(Mn系) 120~250 耐食性が高く、強度は中程度
5000系(Mg系) 200~350 耐食性と強度のバランスが良い
6000系(Mg-Si系) 250~350 強度・耐食性・加工性のバランスが良い
7000系(Zn系) 500~600 最高強度を誇るが、溶接性が低い

最も強度が高いのは7000系のアルミ合金です。特に「A7075」は、航空機やスポーツ用品に使用されるほどの高強度を持ちます。ただし、耐食性が低いため、アルマイト処理などの表面処理が必要です。

逆に、1000系の純アルミは最も強度が低いですが、その分、加工しやすく耐食性が高いため、飲料缶や電気部品に使われます。

強度が必要な場合は、2000系(A2024)や7000系(A7075)を、バランス重視なら6000系(A6061)を選ぶのが一般的です。


アルミの耐食性と表面処理|どの種類が錆びにくい?

アルミは基本的に耐食性が高い金属ですが、種類によって腐食しやすさが異なります。また、表面処理を施すことで耐食性を向上させることも可能です。

耐食性が高いのは、1000系(純アルミ)と5000系(マグネシウム系アルミ)です。特にA5052(5000系)は、海水や湿気の多い環境でも腐食しにくく、船舶や自動車のボディにも使われています

一方で、2000系(A2024)や7000系(A7075)は、銅や亜鉛を多く含むため、腐食しやすいのが特徴です。これらの合金は、使用環境によってはアルマイト処理や塗装を施すことが推奨されます。

代表的なアルミの耐食性比較

アルミの種類 耐食性 備考
1000系(純アルミ) ★★★★★ 最も耐食性が高い
3000系(Mn系) ★★★★☆ 耐食性が高く建築向き
5000系(Mg系) ★★★★☆ 海水耐性があり、船舶や車両に使用
6000系(Mg-Si系) ★★★☆☆ 一般的な建築用アルミサッシに使用
2000系(Cu系) ★★☆☆☆ 銅含有量が多く、耐食性が低い
7000系(Zn系) ★☆☆☆☆ 最高強度だが、耐食性は最も低い

錆びにくいアルミを選ぶなら、1000系や5000系が最適です。屋外で使用する建築材料や自動車部品には、これらのアルミがよく採用されています。

また、耐食性を向上させるための**表面処理(アルマイト処理・塗装・コーティング)**も重要です。特に、アルマイト処理を施すことで、耐食性を大幅に向上させることが可能です。


アルミの加工性|切削・溶接・曲げ加工のしやすさを比較

アルミは加工しやすい金属として知られていますが、種類によって切削性や溶接性が大きく異なります。

切削加工性

切削加工しやすいのは、2000系(A2017)や6000系(A6061)です。これらは適度な硬さがあり、削った際にバリが出にくく、仕上がりが美しいのが特徴です。

逆に、1000系(純アルミ)や5000系(A5052)は、切削すると削りカスが粘りつきやすく、工具が摩耗しやすいため、加工が難しくなります。

溶接性

溶接に適しているのは、5000系(A5052)や6000系(A6061)です。特に、A5052は溶接後の強度低下が少なく、アルミの中では最も溶接に適しています。

一方で、2000系(A2024)や7000系(A7075)は溶接に向いていません。これらのアルミは溶接後に割れやすく、強度が著しく低下するため、基本的には機械加工やボルト締結での使用が推奨されます。

曲げ加工性

曲げ加工に適しているのは、1000系(A1050)や3000系(A3003)です。これらは柔らかく、容易に曲げることができます。

逆に、7000系(A7075)は曲げ加工に不向きです。強度が高いため、無理に曲げると割れることがあり、通常は鍛造や機械加工で使用されます。

 

アルミを選ぶ際には、「強度」「耐食性」「加工性」のバランスが重要です。

  • 強度が必要なら、7000系(A7075)や2000系(A2024)
  • 耐食性重視なら、1000系(A1050)や5000系(A5052)
  • 加工性が重要なら、2000系(A2017)や6000系(A6061)

用途に応じた適切なアルミ材を選ぶことで、最適なパフォーマンスを発揮できます!

 

アルミの選び方|用途別に最適な種類を見極めるポイント

アルミの選び方|用途別に最適な種類を見極めるポイント

アルミは種類が豊富で、それぞれ特性が異なるため、用途に応じた適切な材質を選ぶことが重要です。例えば、強度が求められる航空機や自動車には、高強度なアルミ合金が必要になります。一方、屋外で使用される建築資材では、耐食性の高いアルミが適しています。

また、アルミの選定を誤ると、部品の強度不足や腐食のリスクが高まり、製品の寿命を縮めてしまう可能性があります。そこで、本章では、用途ごとに最適なアルミ材の選び方を解説し、それぞれの特徴や適用例を詳しく紹介します。


自動車・航空機向けのアルミ材の選び方

自動車や航空機には、軽量かつ高強度なアルミ材が求められます。特に航空機では、機体の軽量化が燃費の向上に直結するため、7000系(A7075)などの超高強度アルミ合金が使用されます。

航空機向けアルミ材の代表例

材質 特徴 主な用途
A2024(2000系) 高強度・耐疲労性◎ 航空機のフレーム・構造材
A7075(7000系) 最高強度・軽量 翼、主翼部品、着陸装置
A6061(6000系) 強度・耐食性・加工性のバランス◎ 一部の構造部材

A7075は航空機用の代表的な高強度アルミ合金ですが、耐食性が低いため、アルマイト処理やコーティングが必要です。逆に、A6061は強度はやや劣るものの、耐食性が高く加工性も良いため、一部の航空機部品に採用されています

自動車向けアルミ材の代表例

材質 特徴 主な用途
A5052(5000系) 高い耐食性・中強度 車体パネル・燃料タンク
A6061(6000系) 耐食性・強度のバランス◎ フレーム・シャシー
A5182(5000系) 耐衝撃性◎ 車のボディ・ホイール

自動車向けのアルミ合金では、軽量化と耐久性のバランスが重要です。

  • A5052やA5182は、耐食性が高く、燃料タンクやボディパネルに使用されることが多いです。
  • A6061は強度と加工性のバランスがよく、シャシーやフレームの部品に使用されます
  • さらに、最近のEV(電気自動車)では、バッテリーケースに軽量なアルミを採用するケースが増えており、5000系や6000系のアルミが多く使われています。

建築・構造材向けのアルミ材の選び方

建築や構造材向けのアルミ材は、主に耐食性・加工性・コストのバランスが重要になります。特に、屋外で使用されるサッシやフェンス、手すりなどは、雨風にさらされるため、耐食性の高い素材が適しています。

建築・構造材向けのアルミ材の代表例

材質 特徴 主な用途
A6063(6000系) 高い耐食性・加工性◎ アルミサッシ・フェンス・手すり
A1050(1000系) 軽量・柔らかい 内装材・パネル
A5005(5000系) 耐食性◎・コストバランス◎ 外装パネル・屋根材

アルミサッシやフェンスには、A6063(6000系)が広く使われています。これは、耐食性が高く、押出加工しやすいため、窓枠や手すりなどの建材に適しているためです。

また、屋根材やパネルにはA5005(5000系)が採用されることが多く、これは耐食性に優れ、アルマイト処理しやすいためです。一方、1000系(A1050)は軽量で加工しやすいものの、強度が低いため、内装材や装飾用パネルなどに適しています

さらに、最近では、断熱性能を向上させるために、樹脂とアルミを組み合わせた「アルミ樹脂複合サッシ」も増えています。これは、アルミの耐久性と樹脂の断熱性を組み合わせたもので、省エネ性能が高く、住宅やオフィスビルに広く採用されています


機械部品・加工用途に最適なアルミ材の選び方

機械部品の製造では、アルミの切削性・強度・耐摩耗性が重要になります。特に、精密機械の部品や金型には、適度な硬さを持ち、切削しやすいアルミ材が選ばれます。

機械部品向けのアルミ材の代表例

材質 特徴 主な用途
A2017(2000系) 高強度・切削性◎ 機械部品・金型
A6061(6000系) バランス◎・耐食性も高い 汎用機械部品・構造材
A5052(5000系) 耐食性◎・溶接性◎ 圧力容器・配管部品
  • A2017(ジュラルミン)は、高強度で切削しやすいため、機械部品や金型に最適です。特に、耐摩耗性が必要な部品にはA2017がよく使用されます。
  • A6061(6000系)は、機械加工しやすく、耐食性も高いため、様々な部品に使われます。例えば、自動車や産業機械のフレームやジョイント部品などがこれに該当します。
  • A5052(5000系)は、耐食性が高く、溶接しやすいのが特徴です。そのため、圧力容器や配管部品、タンクなどの溶接構造物に向いています。

また、最近では、CNC(コンピューター制御の切削加工)によるアルミ加工が一般的になっており、高精度な部品製造が可能になっています。そのため、加工のしやすさを考慮して、A6061やA2017を選ぶケースが多くなっています

 

アルミの種類の見分け方|JIS規格や記号の意味を理解しよう

アルミの種類の見分け方|JIS規格や記号の意味を理解しよう

アルミ材には JIS規格記号(H14、H24、T4、T6など) が設定されており、これらを理解することで 用途に最適な材料を選ぶ ことができます。しかし、アルミ材の種類が多すぎて「どの記号が何を意味するのか分からない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?

例えば、A5052-H32とA6061-T6 はどちらも強度が高いアルミですが、成分や加工性が異なるため適した用途が変わります。誤った選択をすると、溶接性が悪かったり、強度不足になったりすることも…。

この記事では、アルミの記号の意味やJIS規格を正しく理解し、目的に合ったアルミ材を選べるようにする ことを目指します。


アルミの記号(H14、H24、T4、T6)の違いとは? 

アルミ材の記号には 「H」や「T」 などが付いているものがあります。これらは、アルミの強度・加工性・耐久性 に関わる重要な要素であり、用途に応じた適切な選択が求められます。

 

「H」:加工硬化(硬さ調整)を示す記号

「H」が付くアルミは、加工硬化処理 によって硬度を調整したものを指します。特に 1000系や3000系、5000系のアルミ合金 でよく使われます。

記号 特徴 代表的な用途
H14 半硬質(加工硬化のみ) 建築用パネル、看板
H24 半硬質(加工硬化+低温焼鈍) アルミ缶、薄板材
H32 硬め(加工硬化+低温焼鈍) 船舶、車両パネル
H34 より硬い(加工硬化+低温焼鈍) 構造材、プレート材

例えば、H14とH24はどちらも「半硬質」 ですが、H24は低温焼鈍(熱処理)を行っているため、H14よりも成形しやすくなります。そのため、曲げ加工が必要な場合はH24が適しています。

 

「T」:熱処理による強度向上を示す記号

「T」が付くアルミは 熱処理によって強度を向上させたもの です。特に 2000系や6000系、7000系のアルミ合金 に多く使われます。

記号 特徴 代表的な用途
T4 溶体化熱処理後、自然時効 自動車部品、航空機部品
T6 溶体化熱処理後、人工時効 構造材、フレーム
T5 高温成形後、人工時効 押出材、フレーム
T7 T6の後に追加熱処理(耐応力腐食性向上) 航空機構造材

例えば、A6061-T6とA6061-T4を比較すると、T6の方が強度が高くなる ため、フレームや構造材に適しています。一方で、T4は柔らかいため加工性が良く、曲げやすいという特徴があります。

これらの記号を理解することで、「強度を重視するならT6」「加工しやすさを重視するならT4」 といった適切な選択ができるようになります。


JIS規格とアルミの番号の見方を解説

アルミ材には JIS規格(日本産業規格) によって定められた番号が振られています。この番号を理解することで、材質の成分や用途を正確に把握 できるようになります。

 

JIS規格のアルミ番号の基本ルール

JIS規格のアルミ合金は 4桁の数字で分類 されており、以下のように系統ごとに特徴が異なります。

系統 特徴 代表的な材質 代表的な用途
1000系 純アルミ(99%以上) A1050、A1100 電線、食品容器
2000系 銅(Cu)を添加し、高強度 A2017、A2024 航空機、自動車
3000系 マンガン(Mn)を添加し、耐食性向上 A3003、A3105 屋根材、飲料缶
5000系 マグネシウム(Mg)を添加し、耐食性+中強度 A5052、A5083 船舶、構造材
6000系 マグネシウム+シリコン(Mg-Si)でバランス型 A6061、A6063 フレーム、建築
7000系 亜鉛(Zn)を添加し、最高強度 A7075、A7050 航空機、スポーツ用品

例えば、「A5052」と「A6061」はどちらも 耐食性が高い ですが、A5052は中強度で加工しやすく、A6061は強度が高くなるが溶接性が悪い という違いがあります。

また、JIS規格では「A」+「4桁の数字」で表記 されるため、「A5052」は 5000系のアルミ合金 であることが分かります。一方、「A7075」は7000系の高強度アルミ ということが分かるため、航空機やスポーツ用品に多く使われます。

 

JIS規格の番号で適切なアルミ材を選ぶ

JIS規格の番号を知ることで、どの材質がどの用途に適しているのか を把握できます。例えば、

  • 食品や医療機器には1000系(純アルミ) を選ぶと安全
  • 船舶や自動車には耐食性の高い5000系 が適している
  • 航空機や高強度が求められる構造材には7000系 が最適

このように、JIS規格の番号を見れば、材質の特性を一目で把握できる ようになります。

 

アルミの種類別価格とコストパフォーマンスの考え方

アルミの種類別価格とコストパフォーマンスの考え方

アルミ材は用途や特性によって種類が分かれており、その違いは価格にも大きく影響します。例えば、一般的な建築用アルミと航空機用アルミでは、強度や耐食性の違いから価格が数倍以上異なることもあります。

アルミの価格は主に以下の要因で決まります。

  • 純度:純アルミ(1000系)は比較的安価ですが、合金になると価格が上がります。
  • 強度・耐久性:強度が高く、耐食性が求められるアルミ(7000系など)は高価になりがちです。
  • 加工のしやすさ:切削や溶接がしやすいアルミは、加工コストを抑えられるため、トータルのコストパフォーマンスが良い場合もあります。
  • 市場の供給状況:原材料価格の変動や需要の変化によって、アルミ材の価格も変動します。

本章では、アルミの価格に関する基本的な考え方を解説し、用途に応じた最適なコストパフォーマンスのアルミ選びについて詳しく説明します。


安価なアルミと高価なアルミの違いとは?

アルミの価格は1kgあたり500円程度のものから、数千円以上するものまで幅広く、使用する業界や用途によって大きく異なります。一般的に、アルミの価格が安いか高いかは、以下の要素が影響します。

1. 純度と合金の違い

  • 安価なアルミ(1000系):純度が高く、加工しやすいが、強度が低い。価格は 1kgあたり500~800円程度
  • 高価なアルミ(7000系):高強度・高耐久性だが、加工が難しい。価格は 1kgあたり2,000円以上

例えば、A5052(5000系)は耐食性と強度のバランスが良く、価格は1kgあたり800~1,500円程度とコストパフォーマンスに優れています。一方で、航空機用のA7075(7000系)は1kgあたり3,000円以上することもあり、性能重視の用途向けです。

2. 用途と業界による違い

  • 建築・一般加工向けのアルミ(5000系・6000系)は比較的安価
  • 航空・自動車向けのアルミ(7000系)は高価だが、高強度で軽量
  • 精密機器や半導体向けのアルミ(高純度アルミ)は超高価で1kgあたり数万円することも

3. 表面処理や加工性の違い

  • 生アルミ(未処理)は安価
  • アルマイト処理済みは耐食性向上のため価格が上がる
  • ダイカスト製法のアルミは均一な仕上がりでコストが高め

コストと性能のバランスを考えた最適なアルミの選び方

アルミを選ぶ際には、単純に「安いからこれ」「高いから品質が良い」と決めるのではなく、コストと性能のバランスを考慮することが重要です。以下のポイントを押さえて選定すると、コストパフォーマンスの良いアルミ材を見つけやすくなります。

1. 目的に応じた適正な強度を選ぶ

  • 強度が必要な場合 → 6000系(A6061)または7000系(A7075)
  • 一般用途・コスト重視 → 5000系(A5052)や3000系(A3003)

例えば、建築の窓枠にはA6063(6000系)がよく使われ、1kgあたり1,000円前後。これに対して、航空機の部品にはA7075(7000系)が使われ、3,000円以上するため、用途に応じた選定が重要です。

2. 耐食性を考慮する

  • 屋外や海の近く → 5000系(A5052)が最適(耐食性が高い)
  • 屋内や軽量化重視 → 1000系(A1050)で十分

3. 加工性とコストを比較する

  • 溶接しやすいアルミが必要 → 5000系(A5052)
  • 切削性が重要 → 6000系(A6061)や2000系(A2017)

例えば、A5052は1kgあたり800~1,500円と手頃で、溶接性も高いため、建築・船舶・車両などでよく使われます。一方で、A7075は非常に硬く、溶接が難しいため加工コストが高くなることもあります。

4. 表面処理による価格差を考慮する

  • アルマイト処理あり → 耐食性UPだが価格もUP
  • 塗装やコーティングの有無 → 見た目や耐久性に影響

アルマイト処理済みのアルミは通常のアルミより1.2~1.5倍高いですが、耐久性が向上するため長期的にはコストメリットが大きくなります。

 

まとめ

アルミにはさまざまな種類があり、それぞれの強度・耐食性・加工性によって適した用途が異なります。適切なアルミ材を選ぶことで、コストを抑えながら最適な性能を得ることができます。

1000系(純アルミ)→ 軽量・耐食性◎・強度は低め(飲料缶・電線向け)
2000系(ジュラルミン)→ 高強度・耐食性△(航空機・自動車部品向け)
5000系(マグネシウム系)→ 耐食性◎・中強度(船舶・構造材向け)
6000系(Mg-Si系)→ 強度・耐食性・加工性のバランス◎(建築・フレーム向け)
7000系(亜鉛系)→ 最高強度・耐食性△(航空・スポーツ用品向け)

価格は1kgあたり500円~3,000円以上と幅広く、用途によってコストと性能のバランスを考えることが重要です。例えば、コスト重視なら5000系、強度重視なら7000系、加工性を重視するなら6000系が適しています。

アルミ材の選定を適切に行うことで、コストを抑えつつ最適な性能を発揮できるため、用途に応じた最適な種類を選びましょう!

>>アルミーゴとは?成分・硬度・価格まで徹底解説【用途・加工性も比較】

>>プロに依頼するなら知っておきたい!部品加工に最適なアルミ材の選び方

タイトルとURLをコピーしました