アルミの材料特性による選び方のポイント

材料のこと

アルミニウム素材の部品を作る時、材料選定は非常に重要ですね。

アルミニウムには1000番系の純アルミから金属バットにも使用されるような鋼に匹敵する強度を持った7000番系のアルミニウムまで様々です。

 

アルミ合金にどのような種類のものがあるかは別記事に書いていますので参照してください。

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ですが、色々と種類があり過ぎてどれを選ぶべきかに迷うことはよくあります。

しかし、すべての要望を満足させるというのは難しく、できるだけ優先させたい特性から絞り込むしかありません。

ここでは、アルミの素材選定を考える時の基本的な情報を紹介します。

強度を重視したアルミ素材の選び方

とにかく強いアルミという特性だけに絞り込んだ時、まず ”強い” とは何かを定義しないといけません。

つまり、アルミ素材に負荷がかかった時にどれくらい破損しない耐久性を持っているかになりますが、これを引張強度と呼びます。

 

材料を引っ張っていくと伸びていずれは断裂・破断します。

金属は破断する少し前のポイントで最大の応力がかかった状態になり、そのポイントを引張強度と呼びます。

引張強度を超えて応力が加わると急速に破断に向かうのです。

 

 

では、アルミの引張強度は種類によってどのように異なるのか。

結論から述べると

1000番

5000番

6000番

2000番

7000番

という順番で引張強度が強くなります。

1000番系の純アルミと7000番では引張強度に約10倍の差があるので、かなり広い範囲で選択肢があると言えます。

 

1000番系はアルミ純度99.5%以上の純アルミニウム材料です。

耐食性はアルミニウム合金の中で最良ですし、電気・熱伝導率は良いのですがいかんせん強度が低いので構造材などには全く適しません。

主に電気機器、ネームプレート、反射板、装飾品などに使用されます。

 

車軸や土木関係の構造物に使うのであればA5083を選択するが、最も代表的なアルミ合金はA5052です。

疲労強度も強く、耐海水性・耐食性も優れているので、どのアルミ合金を使うか迷った場合はA5052を選択してもよいでしょう。

 

高い強度を求めるのであればA7075などを検討してもよいが、溶接を必要とする場合はA7075は向きませんので、A5052を選択するとよい。

 

ボルトやリベットで組み立てるような構造品の場合であれば、A6061やA6063が適しているでしょう。

機械部品など耐食性にあまり問題が生じることのないものであれば、さらに強度の強いA2017、A2024、A7075が良い。

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耐食性を重視したアルミ素材の選び方

耐食性の重要性は各用途によって様々ですが、薬品や食品などを保存する容器などは第一選択として純アルミ系であるA1100やA1200を検討するが、もっと耐食性を要求したいならばA1070、A1080といった高純度アルミを選びます。

とはいえ、メーカーが取り扱っているかどうかは確認してみないとわかりません。

 

バイク部品などに使いたいとか、雨風が・・・という心配においては5000番を選択したうえでアルマイト処理などを施すとよい。

溶接によるアルミ素材の選び方

溶接構造のアルミ製品を作りたいと考える時には、溶接に適したアルミ素材を選択しなければなりません。

候補として挙げられるのは、銅(Cu)を含まない1000番、5000番、7000番になります。

見栄えを重視したアルミ素材の選び方

ピカピカに光るアルミ製品を作りたいというなら、純アルミである1000番系を使うことの一択になるでしょう。

基本的にアルミニウムにマンガンなどの不純物が多く含まれるほど、光沢は失われていきます。

その他用途別アルミ素材の選び方

上記機械特性などとは別に、耐摩耗性や導電性などの特性が必要になるケースもあります。

少し例を挙げてみると

導電性を重視する場合・・・A1050、A6061

耐熱性を重視する場合・・・A2017

このようになります。

 

他にも要求される条件は様々ですが、最も適したアルミ素材を選ぶことは難しいが試行錯誤を繰り返したり、アルマイト処理を施すことにより対処していくとよい。


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