「アルミにはどんな種類があるの?」「A5052やA6061の違いが分からない…」そんな疑問を持ったことはありませんか?アルミは軽量で耐食性に優れた金属ですが、用途や加工方法によって最適な種類が異なります。間違った選定をすると、強度不足や加工トラブルの原因になることも…。
この記事では、アルミの種類を一覧で整理し、それぞれの用途・強度・特性をわかりやすく解説します。さらに、選び方のポイントや、用途別のおすすめアルミ材についても詳しく紹介。
「どのアルミを選べばいいのか迷っている」「最適な種類を知って業務に活かしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください!
アルミの種類とは?特徴と用途を徹底解説!
アルミは、軽量かつ耐食性に優れた金属として、航空機、自動車、建築、電子機器など、さまざまな分野で活用されています。しかし、一口に「アルミ」と言っても、その種類は多岐にわたり、強度や加工性、耐摩耗性、耐熱性などの特性が大きく異なります。
たとえば、飲料缶やアルミホイルに使われる純アルミ(1000系)と、航空機や自動車部品に使われる高強度アルミ合金(7000系)では、強度や用途がまったく異なります。もし、用途に合わないアルミ材を選んでしまうと、強度不足や耐久性の低下につながり、最悪の場合、製品の安全性にも影響を及ぼす可能性があります。
本章では、アルミの種類について基本的な分類を紹介し、それぞれの特徴や用途について詳しく解説します。「どのアルミを選ぶべきか?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
アルミの種類はどう分類される?純アルミとアルミ合金の違い
アルミは大きく分けて 「純アルミ(ピュアアルミ)」 と 「アルミ合金」 の2種類に分類されます。
純アルミ(1000系)の特徴
純アルミは、アルミの含有率が99%以上のものを指し、耐食性や熱伝導性、電気伝導性に優れています。たとえば、A1050やA1100といった純アルミは、主に以下のような用途で使われています。
✅ 飲料缶・アルミホイル・鍋・電線(高い電気伝導性・耐食性)
✅ 反射板・ミラー素材(光の反射率が高いため)
✅ 化学プラントの配管(薬品に強く錆びにくい)
しかし、純アルミは強度が低いため、構造材には向いていません。そこで、より強度や耐摩耗性を向上させるために、他の金属を加えた「アルミ合金」が生まれました。
アルミ合金の特徴
アルミ合金は、純アルミにマグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、銅(Cu)、亜鉛(Zn) などを添加し、強度や耐摩耗性、加工性を向上させたものです。アルミ合金は、その成分によって大きく**「展伸材」と「鋳造材」** に分類されます。
🔹 展伸材(押出・圧延用):薄板やパイプ、フレームなどの形状に加工される(例:5000系、6000系)
🔹 鋳造材(ダイカスト用):溶かして型に流し込んで成形する(例:ADC12などのダイカスト合金)
アルミ合金の中でも、JIS規格では1000系~7000系に分類され、それぞれ特性や用途が異なります。次の項目では、1000系~7000系の特徴と用途について詳しく見ていきましょう。
アルミ合金の系統別分類(1000系~7000系)の特徴と用途
アルミ合金は、添加元素の種類と割合によって、JIS規格で1000系から7000系まで分類されています。それぞれの特徴と主な用途を以下にまとめました。
【1000系(純アルミ系)】耐食性が高く、加工しやすい
✅ 主な材質:A1050、A1100
✅ 特徴:柔らかく、耐食性・電気伝導性が高い
✅ 用途:アルミホイル、飲料缶、化学プラントの配管、電線、反射板
🔹 メリット:耐食性が非常に高く、リサイクルしやすい
🔹 デメリット:強度が低いため、構造材には向かない
【2000系(ジュラルミン系)】強度が高く、航空機向け
✅ 主な材質:A2017(ジュラルミン)、A2024(超ジュラルミン)
✅ 特徴:銅(Cu)を含み、高強度だが耐食性が低い
✅ 用途:航空機、車両部品、自転車のフレーム、精密機械部品
🔹 メリット:高強度で耐摩耗性がある
🔹 デメリット:耐食性が低く、アルマイト処理が必要
【3000系(Mn系)】耐食性と加工性のバランスが良い
✅ 主な材質:A3003、A3105
✅ 特徴:マンガン(Mn)を含み、耐食性が高い
✅ 用途:屋根材、給水管、厨房機器、自動車部品
🔹 メリット:耐食性が良好でコストパフォーマンスが高い
🔹 デメリット:強度はそれほど高くない
【5000系(Mg系)】強度と耐食性に優れた万能型
✅ 主な材質:A5052、A5083
✅ 特徴:マグネシウム(Mg)を含み、高強度かつ耐食性が優れる
✅ 用途:船舶、タンク、圧力容器、自動車ボディ、橋梁
🔹 メリット:海水や化学環境にも強く、溶接性が高い
🔹 デメリット:熱処理での強度向上ができない
【6000系(Mg-Si系)】バランスが良く、建築・自動車向け
✅ 主な材質:A6061、A6063
✅ 特徴:マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を含み、適度な強度・耐食性・加工性がある
✅ 用途:建築部材(窓枠、ドア)、自動車部品、自転車フレーム
🔹 メリット:耐食性・強度・加工性のバランスが良い
🔹 デメリット:極端に高強度な用途には向かない
【7000系(Zn系)】最高強度を誇るが溶接性が低い
✅ 主な材質:A7075(超々ジュラルミン)
✅ 特徴:亜鉛(Zn)を多く含み、最も高強度なアルミ合金
✅ 用途:航空機、自転車・バイク部品、スポーツ用品
🔹 メリット:最高レベルの強度
🔹 デメリット:溶接性が低く、耐食性も悪いためアルマイト処理が必要
このように、アルミ合金は用途に応じて適切な系統を選ぶことが重要です。次の章では、アルミの強度・耐食性・加工性の違いについてさらに詳しく解説していきます。
アルミの種類別価格とコストパフォーマンスの考え方
アルミ材は用途や特性によって種類が分かれており、その違いは価格にも大きく影響します。例えば、一般的な建築用アルミと航空機用アルミでは、強度や耐食性の違いから価格が数倍以上異なることもあります。
アルミの価格は主に以下の要因で決まります。
- 純度:純アルミ(1000系)は比較的安価ですが、合金になると価格が上がります。
- 強度・耐久性:強度が高く、耐食性が求められるアルミ(7000系など)は高価になりがちです。
- 加工のしやすさ:切削や溶接がしやすいアルミは、加工コストを抑えられるため、トータルのコストパフォーマンスが良い場合もあります。
- 市場の供給状況:原材料価格の変動や需要の変化によって、アルミ材の価格も変動します。
本章では、アルミの価格に関する基本的な考え方を解説し、用途に応じた最適なコストパフォーマンスのアルミ選びについて詳しく説明します。
安価なアルミと高価なアルミの違いとは?
アルミの価格は1kgあたり500円程度のものから、数千円以上するものまで幅広く、使用する業界や用途によって大きく異なります。一般的に、アルミの価格が安いか高いかは、以下の要素が影響します。
1. 純度と合金の違い
- 安価なアルミ(1000系):純度が高く、加工しやすいが、強度が低い。価格は 1kgあたり500~800円程度。
- 高価なアルミ(7000系):高強度・高耐久性だが、加工が難しい。価格は 1kgあたり2,000円以上。
例えば、A5052(5000系)は耐食性と強度のバランスが良く、価格は1kgあたり800~1,500円程度とコストパフォーマンスに優れています。一方で、航空機用のA7075(7000系)は1kgあたり3,000円以上することもあり、性能重視の用途向けです。
2. 用途と業界による違い
- 建築・一般加工向けのアルミ(5000系・6000系)は比較的安価
- 航空・自動車向けのアルミ(7000系)は高価だが、高強度で軽量
- 精密機器や半導体向けのアルミ(高純度アルミ)は超高価で1kgあたり数万円することも
3. 表面処理や加工性の違い
- 生アルミ(未処理)は安価
- アルマイト処理済みは耐食性向上のため価格が上がる
- ダイカスト製法のアルミは均一な仕上がりでコストが高め
コストと性能のバランスを考えた最適なアルミの選び方
アルミを選ぶ際には、単純に「安いからこれ」「高いから品質が良い」と決めるのではなく、コストと性能のバランスを考慮することが重要です。以下のポイントを押さえて選定すると、コストパフォーマンスの良いアルミ材を見つけやすくなります。
1. 目的に応じた適正な強度を選ぶ
- 強度が必要な場合 → 6000系(A6061)または7000系(A7075)
- 一般用途・コスト重視 → 5000系(A5052)や3000系(A3003)
例えば、建築の窓枠にはA6063(6000系)がよく使われ、1kgあたり1,000円前後。これに対して、航空機の部品にはA7075(7000系)が使われ、3,000円以上するため、用途に応じた選定が重要です。
2. 耐食性を考慮する
- 屋外や海の近く → 5000系(A5052)が最適(耐食性が高い)
- 屋内や軽量化重視 → 1000系(A1050)で十分
3. 加工性とコストを比較する
- 溶接しやすいアルミが必要 → 5000系(A5052)
- 切削性が重要 → 6000系(A6061)や2000系(A2017)
例えば、A5052は1kgあたり800~1,500円と手頃で、溶接性も高いため、建築・船舶・車両などでよく使われます。一方で、A7075は非常に硬く、溶接が難しいため加工コストが高くなることもあります。
4. 表面処理による価格差を考慮する
- アルマイト処理あり → 耐食性UPだが価格もUP
- 塗装やコーティングの有無 → 見た目や耐久性に影響
アルマイト処理済みのアルミは通常のアルミより1.2~1.5倍高いですが、耐久性が向上するため長期的にはコストメリットが大きくなります。
まとめ
アルミにはさまざまな種類があり、それぞれの強度・耐食性・加工性によって適した用途が異なります。適切なアルミ材を選ぶことで、コストを抑えながら最適な性能を得ることができます。
✅ 1000系(純アルミ)→ 軽量・耐食性◎・強度は低め(飲料缶・電線向け)
✅ 2000系(ジュラルミン)→ 高強度・耐食性△(航空機・自動車部品向け)
✅ 5000系(マグネシウム系)→ 耐食性◎・中強度(船舶・構造材向け)
✅ 6000系(Mg-Si系)→ 強度・耐食性・加工性のバランス◎(建築・フレーム向け)
✅ 7000系(亜鉛系)→ 最高強度・耐食性△(航空・スポーツ用品向け)
価格は1kgあたり500円~3,000円以上と幅広く、用途によってコストと性能のバランスを考えることが重要です。例えば、コスト重視なら5000系、強度重視なら7000系、加工性を重視するなら6000系が適しています。
アルミ材の選定を適切に行うことで、コストを抑えつつ最適な性能を発揮できるため、用途に応じた最適な種類を選びましょう!