部品加工屋が密かにビビる『追加工』

問い合わせ事情

部品加工屋の使命は部品製造を通じて、人々の暮らしをより豊かに、より楽しくすることである。

そういう理念を掲げて日々の営業をしている部品加工屋はあるし、それが仕事です。

 

しかし、時々ある追加工という相談や依頼には、ほとほと頭を悩まされることがあるのです。

 

追加工とは読んで字のごとく、すでに形になった部品に追加で加工するということだ。

この追加工という依頼がかなり厄介だと思っている部品加工屋は非常に多いのです。


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部品加工の手順は「両側通行」とは限らない

ちょと分かりにくい表現をしてしまいましたが、部品加工には加工手順というものがあります。

もちろん、多少は工程が前後しても何とかなるものもありますが、決まった工程通りに加工を進めないと形にできないものだってあります。

 

つまり、追加工と簡単に言うけれども、それがかなり難しいことだったりするケースもあるのです。

 

加工に失敗した時のリスク(責任が負えない)

よくある相談の1つに、市販の既製品を改造して欲しいということ。

部品加工屋として、これはかなりリスキーです。

 

先ほどにも書いたとおり、部品加工には加工工程というものがあります。

すでに出来上がってしまっている既製品に手を加えるのが難しいものだってあるのです。

それでも、無理やりやろうとして失敗したら、その既製品を弁償しないといけない?

 

そこが怖いんですよね。

 

市販品だけでなく、他社が加工した部品を持って来て、「ここの部分に追加工をして欲しい」という依頼をされるのも同じです。




追加工品がどんな素材で出来ているのか不明

追加工でもう1つ問題になるのが材質。

市販品、既製品の情報が少なすぎて、一体どんな材質で作られたものなのかがわからない時があります。

 

市販品のメーカー仕様書には単純にアルミとか鉄としか書いていない場合だってある。

鉄とかアルミと言っても種類がたくさんあります。

 

部品加工屋としては、削ったことのない素材だと加工条件を模索しながらになってしまうんです。

あるいは、表面処理(メッキやアルマイトなど)が施されているものも困ります。

さらにもっと困るのは、熱処理されてしまっているもの。

 

熱処理されてしまうと、金属が熱処理前よりも硬くなっていることがほとんどですから、そう簡単に追加工ができなくなったりします。

 

リスクの割に価格を安くさせられる

これは感覚の問題かもしれません。

ここの部分にちょっと追加工するだけなんだから・・・とか言われても、「いや、いや、いや、、、」となるこのギャップが埋まりません。

 

素材を購入して一から作ることよりも安いでしょ!という感覚を持ってしまいます。

 

正直、それはケースバイケース。

安いときもあれば、逆に高くつくこともあります。

なので、思い込みで勝手に判断しないようにしてほしいですね。

 

 

というように、これらの事情から部品加工屋(町工場)は基本的に追加工という仕事はやりたがりません。

というか、断固拒否をするところは多いです。

うちも、基本的にはお断りです。

 


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