製造業で「五面加工機」の導入を検討しているものの、「価格はどれくらい?」「どのメーカーがいいの?」と悩んでいませんか?また、五面加工機の導入メリットが本当に自社に合っているのか、気になる方も多いでしょう。
本記事では、五面加工機の基本的な仕組みから、価格相場、主要メーカーの特徴、導入による生産性向上のメリットまで詳しく解説します。さらに、五軸加工機との違いや選び方のポイントも紹介。
この記事を読めば、五面加工機がどのような機械なのか、どのメーカー・モデルが自社に最適なのかがわかります。設備投資の判断材料として、ぜひ最後までご覧ください!
五面加工機とは?基本構造と五軸加工機との違い
五面加工機は、大型ワークの多面加工を効率的に行うために設計された工作機械です。特に、金属加工業や精密機械製造業では、一度のセットアップで5つの面を加工できるという特長が評価されています。
しかし、「五面加工機」と「五軸加工機」は混同されがちです。どちらも高度な加工を実現する設備ですが、機構や用途が異なります。この記事では、五面加工機の基本構造と、五軸加工機との具体的な違いを解説します。
五面加工機の仕組みと加工できる範囲
五面加工機は、**門型構造(ガントリー型)**を採用していることが多く、大型のワーク(加工対象)を固定したまま、上面・側面・正面・背面・底面の5つの面を加工できるのが特徴です。
基本構造と動作の仕組み
五面加工機の主な構成要素は以下の通りです。
- テーブル(作業台): ワークを固定するための台。門型フレームの下に設置されており、移動可能なタイプもある。
- 主軸(スピンドル): 回転する切削工具を取り付ける部分。多方向に角度を変えられるヘッド(アタッチメント)を装備している。
- 門型フレーム(コラム): 機械全体の骨格となり、主軸の動きを支える構造。
- NC制御(数値制御): プログラムを入力することで、自動で複雑な加工を行うシステム。
加工できる範囲と用途
五面加工機は、特に以下のような大型・高精度な加工が必要な業界で活用されています。
✅ 航空機部品(翼・胴体パネル) → 大型かつ精密な切削加工が求められる
✅ 建機・自動車部品(フレーム・シャーシ) → 強度が必要な構造部品を一括加工
✅ 産業機械(プレス機・射出成形機の部品) → 多方向からの加工が必要な複雑形状
たとえば、3メートルを超える鉄板や鋳造部品の加工も可能な機種があり、大型設備を扱う工場では欠かせない存在です。
五軸加工機との違いと使い分けのポイント
「五面加工機と五軸加工機は何が違うの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。どちらも多面加工を可能にする機械ですが、加工方法・可動範囲・得意なワークサイズに大きな違いがあります。
五軸加工機との主な違い
項目 | 五面加工機 | 五軸加工機 |
---|---|---|
動作軸 | X・Y・Zの3軸 + 回転軸(2面切削用) | X・Y・Z + A・B軸(傾斜・回転) |
加工できる面数 | 5面(1度のセットアップで) | 任意の角度からの連続加工が可能 |
得意なワーク | 大型・直線的な部品 | 複雑形状・曲面加工が必要な部品 |
導入コスト | 比較的安価 | 高額(数千万円~) |
適した業界 | 建機・大型部品・産業機械 | 航空機・医療・金型・精密部品 |
つまり、五面加工機は「大型ワークの平面加工」に適しており、五軸加工機は「3D形状の高精度加工」に強いという違いがあります。
例えば、建設機械のフレームを加工する場合は五面加工機、航空機のプロペラや人工関節のような曲面が多い部品を作る場合は五軸加工機が選ばれることが多いです。
✅ 「五軸加工機」についてさらに詳しく知りたい方はこちら
👉 5軸加工とは?導入メリット・デメリットと成功のポイントを詳しく解説!
五軸をもう少し詳しく説明
3軸加工とか5軸加工とか聞くけど、そもそも「軸」ってどこの軸を言っているのか?
まず、3軸とはX,Y,Zの軸のことです。
このうち、Z方向の動きはヘッド(工具がついている軸)の動きです。X,Y方向はテーブルが動きます。
なので、実際に素材をエンドミルなどで削っているのは、工具が動いているのではなく、テーブルに固定した素材が動いているということになります。それに加えて、工具はZ方向に上下に動くということ。
この組み合わせによって、3軸が同時に動かせるようになれば、3次元加工の1つであるヘリカル加工もできます。ヘリカル加工とは、Z軸方向にらせん状に工具を動かして加工する方法のことです。
らせん状に工具を動かすということは、X,Y,Z全ての軸が同時に動かないといけませんよね。今のマシニングセンタはX,Y,Zの同軸移動は当たり前ですが、市場に出た初期の頃はオプションでした。
なので昔の古いマシニングセンタを持っているところでは、いまだにヘリカル加工ができなかったりします。XY, XZ, YZ いずれかの動きしかできないんです。
もしかすると「2.5次元加工」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
CAD/CAMソフトが出た頃も、2.5次元加工と3次元加工に分かれていましたが、2.5次元加工というのは、X,Zの2軸もしくはY,Zの2軸の動きで加工するプログラムのことを指していました。
そに比べて5軸とは、X,Y,Zに2つの回転軸を加えたものを指します。
追加される2軸は3つあります。
それがA軸、B軸、C軸。
- A軸とは、X軸を中心にした回転軸
- B軸とは、Y軸を中心にした回転軸
- C軸とは、Z軸を中心にした回転軸
5軸の組み合わせは、AC、BCもしくはABになります。
例えば、AC軸タイプの場合
BC軸タイプの場合
この2つのAC、BCタイプは立型のマシニングで採用されています。立型マシニングとは、工具が下向き(Z軸方向)に取付られるタイプのマシニングのこと。
工具を横向き(X軸もしくはY軸方向)に取り付ける、横型のマシニングの場合は、AB軸タイプもあります。この加わる2回転軸が工作機械のどの部分に加わるかによって機械のタイプも変わります。
削る素材(ワーク)を固定するテーブルにA軸もしくはB軸とC軸があるタイプもあれば、工具を取り付けたヘッドに回転軸が追加されているものもあります。
ちなみに、工具そのものの回転軸(主軸)は5軸の ”軸” にカウントしません。
あくまでも、機械の動きに対しての移動軸のことです。
五面加工機の導入メリットとデメリット
五面加工機の導入にはさまざまなメリットがありますが、一方で、コスト面や運用面でのデメリットも存在します。新規導入を検討する際は、これらのポイントを正しく理解し、設備投資の判断をすることが重要です。本章では、五面加工機を導入することで得られる生産性向上のメリットと、導入時に注意すべきデメリットについて詳しく解説します。
五面加工機を導入することで得られる生産性向上のメリット
五面加工機の最大のメリットは、加工工程の削減と作業効率の向上 です。従来、複雑なワーク(加工対象)を加工する際には、複数回の段取り替え(セッティング) が必要でした。しかし、五面加工機を導入することで、一度のクランプ(固定)で5つの面を加工 できるため、作業時間の大幅な短縮が可能になります。
① 段取り時間の削減で生産性が向上
例えば、従来の3軸マシニングセンタを使用する場合、ワークの面ごとにセットし直す必要があり、1回の加工ごとに平均30~60分の段取り時間 が発生していました。しかし、五面加工機ではワークを一度固定するだけで複数面を加工できるため、段取り時間を最大50~70%削減 することが可能です。
② 精度の向上と不良品の削減
五面加工機は、ワークを一度の固定で加工するため、位置ズレや寸法誤差のリスクが低減 します。従来の手法では、クランプを変更するたびにミスが発生する可能性があり、不良品の発生につながっていました。五面加工機なら、同じ基準で5面を加工するため、公差±0.01mm以内の高精度加工も実現可能 です。
③ 作業者の負担軽減と人手不足対策
熟練工が必要だった加工工程を自動化できるため、作業者の負担が軽減される ことも大きなメリットです。また、近年の製造業では深刻な人手不足が問題となっていますが、五面加工機を導入することで少人数でも効率的な生産ラインを維持できる ようになります。
④ 工場の生産性と利益率の向上
生産時間の短縮と不良品削減によって、全体の生産性が20~40%向上 し、納期短縮も可能になります。結果として、受注量の増加やコスト削減により、利益率の改善 にもつながります。
五面加工機のデメリットと導入時の注意点
五面加工機には多くのメリットがありますが、導入に際してはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。設備投資の判断をする際は、これらのポイントも踏まえて検討しましょう。
① 初期投資コストが高い
五面加工機の価格は、メーカーや機種によりますが、新品の場合で5,000万円~1億円、中古でも2,000万円以上 することが一般的です。これは通常の3軸マシニングセンタ(1,000万~3,000万円)と比べて高額なため、資金計画をしっかり立てる必要があります。
② 設置スペースの確保が必要
五面加工機は、大型の門型マシンが主流であるため、設置するための十分なスペースが必要 です。特に天井の高さや搬入経路の確認が重要になり、工場のレイアウト変更を伴うケースもあります。設置場所が限られている場合は、小型モデルや加工範囲を考慮した選定が求められます。
③ 操作・プログラムの習得に時間がかかる
五面加工機は、多軸制御を行うため、従来の3軸加工機とは異なるプログラミング技術が求められる こともデメリットの一つです。CAMソフト(コンピュータ支援製造)の活用が必要になることが多く、オペレーターのスキル向上や教育に時間がかかる場合があります。導入前に操作研修や技術サポートが充実しているメーカーを選ぶ ことが重要です。
④ メンテナンスコストが高い
五面加工機は高精度な機械であるため、定期的なメンテナンスが必須 です。特に、主軸の精度を維持するためのオーバーホールや潤滑系の管理が重要になります。メーカーごとの保守契約が必要になるケースもあり、年間のメンテナンス費用は数百万円規模 になることもあるため、事前にランニングコストも考慮しましょう。
総括
五面加工機は、段取り時間の削減・加工精度の向上・作業者の負担軽減など、多くのメリットをもたらします。しかし、導入コストの高さや設置スペースの確保、プログラム習得の難しさといった課題もあります。導入を検討する際には、メリット・デメリットを正しく理解し、自社の生産環境に適した機種を選定することが重要 です。
五面加工機の主要メーカーとおすすめ機種比較
五面加工機は、複雑な大型部品の加工を効率化するために、多くの企業で導入が進んでいる工作機械の一つです。日本には、世界的にも評価の高い工作機械メーカーが多数存在し、それぞれ得意とする技術や機能に違いがあります。導入を検討する際は、メーカーごとの特徴を理解し、自社の加工ニーズに合った機種を選ぶことが重要です。
ここでは、国内の主要メーカーの特徴と代表的な機種、さらに五面加工機の価格帯や中古市場の相場について詳しく解説します。
五面加工機の国内主要メーカー(オークマ・三菱・東芝・ニデックなど)
日本の五面加工機市場は、世界でもトップクラスのシェアを誇る工作機械メーカーが牽引しています。それぞれのメーカーには独自の技術や強みがあり、導入の際には比較が欠かせません。
①オークマ(OKUMA)— 高精度・高剛性の一体型構造が強み
オークマは、愛知県に本社を構える日本を代表する工作機械メーカーで、五面加工機の分野でも高い評価を得ています。
- 代表機種:「MCR-BⅢ」「MCR-S」
- 高剛性な門型構造で大型部品の高精度加工が可能
- 主軸の自動交換機能を備え、複雑な加工にも対応
- オークマ独自の制御装置「OSP-P500」が搭載され、操作性に優れる
- 導入実績:航空機産業や大型金型加工分野で多数採用
②三菱重工(MHI)— 大型設備に強み、耐久性重視の設計
三菱重工は、産業機械・航空宇宙・発電設備など幅広い分野で活躍するメーカーで、五面加工機も高耐久性を誇ります。
- 代表機種:「MVR-Eχ」「MVR-A」
- 高精度な門型五面加工機で、1000mm超の大型部品にも対応
- 強力な切削能力を備え、鉄鋼やチタンなどの高強度材料の加工が可能
- 独自の振動抑制技術により、高精度な加工が維持できる
③東芝機械(芝浦機械)— 自動車・重工業向けの高剛性モデル
東芝機械(芝浦機械)は、特に自動車産業向けの大型加工機で知られ、五面加工機でも高剛性なモデルが揃っています。
- 代表機種:「MPFシリーズ」
- 超大型部品の加工に対応する門型五面加工機
- ワークの積載重量が大きく、航空機やエネルギー関連設備の部品製造に最適
- 高速・高精度のATC(自動工具交換)機能を備え、大量生産にも対応
④ニデック(Nidec)— 最新技術を活用した高効率モデル
ニデック(旧日本電産)は、近年工作機械分野に積極的に参入し、高性能な五面加工機を開発しています。
- 代表機種:「RB-FⅡ」
- 新開発の主軸ヘッドにより、五面加工の精度を向上
- 省エネルギー設計で、電力消費を抑えながら高い加工能力を発揮
- 独自のAI技術を活用した加工プログラムの最適化機能を搭載
五面加工機の価格帯と中古市場の相場
五面加工機の導入を検討する際に最も気になるのが 価格 です。五面加工機は大型の工作機械であり、新品の場合は1億円を超えるモデルも珍しくありません。また、中古市場でも比較的高額で取引されています。
①新品の価格相場
- 小型モデル(テーブルサイズ2000×3000mm程度): 約3,000万円~7,000万円
- 中型モデル(テーブルサイズ3000×5000mm程度): 約7,000万円~1億円
- 大型モデル(テーブルサイズ5000×10000mm以上): 約1億円~3億円以上
新品を購入する場合、メーカーオプションや導入する設備環境によって価格が変動します。また、導入には 輸送費・設置費・制御システムのカスタマイズ費用 なども考慮する必要があります。
②中古市場の価格相場
- 10年以上前のモデル: 1,500万円~4,000万円
- 比較的新しいモデル(5年以内): 4,000万円~8,000万円
- 大型・高機能モデル: 8,000万円~1億円以上
中古の五面加工機は、新品に比べて 導入コストを大幅に抑えられる というメリットがあります。ただし、メンテナンス状況や部品交換の可否 などをしっかり確認することが重要です。
③価格を抑えるためのポイント
五面加工機は高額な設備ですが、以下の方法でコストを抑えられる可能性があります。
- メーカーのキャンペーンを活用する
- 一部メーカーでは、補助金制度や導入支援プログラムを提供しているケースがあります。
- 中古設備の導入を検討する
- メンテナンス履歴がしっかりしている中古機は、新品と同等の性能を発揮する場合もあります。
- リース契約を活用する
- 一括購入ではなく、長期リース契約を利用すれば、初期コストを大幅に削減できます。
五面加工機の選び方と導入コストを抑える方法
五面加工機を導入する際、単純に「価格が安いから」「有名なメーカーだから」という理由で選ぶのは危険です。なぜなら、加工精度や操作性、耐久性などを考慮しないと、思わぬ生産ロスや追加コストが発生する可能性があるからです。
本章では、五面加工機の選定で押さえるべきポイントと、新品・中古のどちらが最適かを詳しく解説します。
五面加工機の選定ポイント(精度・耐久性・操作性など)
五面加工機の選定で重要なのは、 「精度」「耐久性」「操作性」「加工サイズ」「メーカーのサポート体制」 の5つの要素です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 加工精度:ミクロン単位の精度を求めるか?
五面加工機の 加工精度は、±0.01mm~±0.005mm程度 が一般的です。ただし、航空機部品や金型加工など、高精度な加工が求められる場合は ±0.001mm以下の超高精度機 が必要になることもあります。
精度の高い機械は当然価格も高くなりますが、必要以上に高精度なモデルを選ぶと無駄なコストが発生します。自社の加工精度の要件を明確にしたうえで、適切なモデルを選びましょう。
② 耐久性:長期間安定して稼働できるか?
五面加工機は 一度導入すれば10~20年は使用する 長期投資の設備です。
そのため、耐久性が低いモデルを選ぶと 頻繁なメンテナンスや修理が必要になり、稼働停止による機会損失が発生する 可能性があります。
メーカーが提供する 稼働時間データやユーザーのレビュー を参考にしながら、長期間安定して動作する機種を選ぶことが重要です。
③ 操作性:プログラムの作成が容易か?
五面加工機は、NC(数値制御)によるプログラミングが必須 です。
そのため、操作パネルのUI(ユーザーインターフェース)が直感的で使いやすいか、プログラミングの自由度が高いか も重要なポイントです。
例えば、オークマの 「OSPコントローラー」 は独自の対話式プログラミングを採用しており、初めての人でも直感的に操作しやすい と評価されています。
一方、三菱やニデックの機械は、他社のNC装置とも互換性が高く、既存のシステムと統合しやすい のが特徴です。
④ 加工サイズ:自社のワークサイズに対応しているか?
五面加工機の テーブルサイズは、1,000mm×1,000mmの小型モデルから、8,000mm×3,000mmの超大型モデルまで さまざまです。
選定時には、自社の加工対象ワークの最大サイズに余裕を持たせた機種 を選ぶことが重要です。
⑤ メーカーのサポート体制:修理や部品供給は安定しているか?
機械は長期間使用するものなので、サポート体制の充実度も重要なポイント です。
特に、中小規模の企業では、機械の不具合や修理対応が遅れると 生産ラインが停止し、大きな損失につながる こともあります。
オークマ、三菱、東芝などの大手メーカーは 全国にサービス拠点があり、修理・保守対応が迅速 ですが、中小メーカーや海外メーカーの場合、部品の調達に時間がかかるケースもある ので注意が必要です。
新規購入と中古購入、どちらが最適か?
五面加工機は 新品で3,000万円~1億円、中古で500万円~3,000万円程度 するため、導入コストは大きな負担になります。
そこで、「新品」と「中古」、どちらを選ぶべきか、それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
【新品のメリット・デメリット】
✅ 最新技術が搭載されており、高精度な加工が可能
✅ メーカー保証がついており、万が一の故障時も安心
✅ ソフトウェアのアップデート対応があり、将来的な拡張性が高い
❌ 初期コストが非常に高く、ROI(投資回収)までに時間がかかる
❌ 納期が長い(受注生産の場合、納品まで6カ月~1年かかることも)
【中古のメリット・デメリット】
✅ 新品と比べて大幅に安く導入でき、コスト削減につながる
✅ 即納可能な場合が多く、短期間で導入できる
✅ 導入実績のある機種なら、運用ノウハウが豊富で使いやすい
❌ 経年劣化による精度低下や、メンテナンスコストがかかる可能性
❌ サポート終了済みのモデルだと、修理対応や部品供給が受けられない
【新品と中古、どちらを選ぶべきか?】
🔹 最新技術を活かした高精度加工が必要なら「新品」
🔹 導入コストを抑え、すぐに稼働させたいなら「中古」
🔹 加工精度に大きな影響を及ぼさない汎用部品なら「中古」、高度な精度が求められる加工なら「新品」
また、中古購入を検討する場合、「購入後にすぐメンテナンスできるか」「保証がついているか」「残りの耐用年数」 もチェックしておくことが重要です。
このように、五面加工機の選定には さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。
特に、加工精度・耐久性・操作性・サイズ・サポート体制 をしっかり見極めたうえで、新品・中古のどちらが最適かを判断することが、設備投資の成功につながります。
五面加工機の導入事例と活用方法
五面加工機は、金属加工業界の生産性向上や高精度加工の実現に貢献しており、自動車、航空、精密機械業界など、さまざまな分野で導入が進んでいます。特に、大型部品の一括加工や高精度の穴あけ・面加工が求められる業界では、五面加工機の活用が不可欠です。ここでは、実際に五面加工機を導入した企業の成功事例や、具体的な活用事例を紹介します。
五面加工機を導入した企業の成功事例
事例①:自動車部品メーカーA社 – 加工精度向上とリードタイム短縮
A社は、自動車エンジン部品の製造を手掛けるメーカーで、高精度かつ複雑な形状の部品を大量に生産する必要がありました。しかし、従来の3軸マシニングセンタを用いた加工では、工程数が多く、ワークの着脱による精度誤差が問題となっていました。
そこで、A社は五面加工機を導入し、一度のクランプで5面の加工が可能な環境を構築。結果として、加工工程が30%削減されただけでなく、ワークの再固定による誤差がなくなり、公差±0.01mmの精度を安定して維持できるようになりました。また、セットアップ時間が短縮されたことで、生産リードタイムが25%短縮され、納期対応力の向上にもつながりました。
事例②:航空機部品製造B社 – コスト削減と品質向上
B社は、航空機の主翼部品やエンジンハウジングなど、大型のアルミ・チタン部品を製造する企業です。航空機部品は厳しい品質基準が求められるため、加工精度の高さと安定性が重要視されます。
以前は複数の工作機械を使用して加工を行っていたため、ワークの移動や再固定に多くの手間がかかり、人為的なエラーによる不良品も発生していました。そこで、門型五面加工機を導入し、一括加工による精度向上を実現。これにより、ワークの段取り替えが不要になり、加工時間を40%短縮。さらに、ワークの固定精度が向上し、不良率も50%削減されました。
この成功により、B社は五面加工機を活用した受注拡大にも成功。新たに海外の航空機メーカーとの取引を獲得し、売上を前年比20%向上させることができました。
五面加工機の活用事例(自動車・航空・精密機械など)
五面加工機は、単に工程を削減するだけでなく、高精度な加工を安定して行えるという点で、さまざまな業界で活用されています。特に、大型・高精度・多工程の部品加工が求められる分野では、その導入効果が顕著です。
① 自動車業界での活用:エンジンブロック・シャーシ部品の一括加工
自動車業界では、エンジンブロックやシャーシのフレーム部品など、多数の面を精密に加工する必要があります。従来の3軸や4軸加工では、何度もワークを固定し直す必要があり、誤差のリスクが高まりました。
しかし、五面加工機を導入することで、一度のクランプで5面を同時加工できるため、精度を確保しつつ工程を削減できます。結果として、生産性が約30%向上し、不良品率の低減にも貢献しています。
② 航空・宇宙業界での活用:軽量かつ高強度な部品加工
航空・宇宙業界では、チタンやアルミニウム合金を使用した軽量かつ高強度な部品の製造が求められます。主翼部品やエンジンマウントなどは、複雑な形状を持ち、かつ強度を損なわないよう高精度で加工する必要があります。
五面加工機を導入した企業では、加工中の剛性が向上し、刃物の摩耗が抑えられたことで、より高品質な加工が可能になっています。また、機械の自動化機能と組み合わせることで、24時間稼働による生産効率の向上を実現した事例もあります。
③ 精密機械業界での活用:金型・医療機器部品の高精度加工
精密機械業界では、金型や医療機器部品など、ミクロン単位の精度が求められる加工が増えています。例えば、人工関節や歯科インプラントなどは、高い面粗度と精度を保ちつつ、一貫加工が求められるため、五面加工機が最適な選択肢となります。
五面加工機を活用することで、ワークの取り回しを最小限に抑えながら、安定した精度で加工を行うことが可能になります。実際に、医療機器メーカーでは五面加工機の導入により、製品の不良率が50%以上減少し、加工時間も30%短縮されるなどの成果を上げています。
五面加工機のメンテナンスと長持ちさせるポイント
五面加工機は高額な設備投資となるため、一度導入したらできるだけ長期間にわたって安定稼働させたいものです。しかし、定期的なメンテナンスを怠ると、加工精度の低下や予期せぬトラブルが発生し、結果として生産効率の低下や修理コストの増大を招くことになります。本章では、五面加工機を長持ちさせるための定期メンテナンスの重要性と、具体的な対策について詳しく解説します。
五面加工機の定期メンテナンスとトラブル対策
五面加工機は複雑な構造を持つため、長期間安定して使用するためには、計画的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、定期的に実施すべきメンテナンス項目と、よくあるトラブルに対する対策について解説します。
1. 定期メンテナンスの重要項目
五面加工機のメンテナンスは「日常点検」「週次点検」「月次点検」「年次点検」に分けて行うのが一般的です。それぞれの点検で確認すべき主な項目を紹介します。
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日常点検(毎日実施)
- 各部のボルトやナットの緩みチェック
- 作業開始前の主軸の回転チェック
- クーラント(冷却液)の量と汚れ具合の確認
- 異音・異常振動がないかの確認
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週次点検(週に1回)
- スライド面やリニアガイドの潤滑状況の確認と給油
- 主軸の芯ブレ測定
- 切粉(スラッジ)の蓄積状況の確認と清掃
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月次点検(月に1回)
- クーラントの交換(油の劣化を防ぐため)
- フィルター類の洗浄または交換
- 電気系統の接続部の確認
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年次点検(年に1回)
- ボールねじの摩耗測定と調整
- ガイドレールの精度測定(0.01mm単位でのズレも確認)
- モーターや駆動系部品の分解点検
2. よくあるトラブルと対策
五面加工機でよく発生するトラブルを事前に知っておくことで、予防策を取ることができます。以下は、特に発生頻度が高いトラブルとその対策です。
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加工精度の低下
- 【原因】ガイドレールやボールねじの摩耗
- 【対策】定期的な清掃と給油を実施し、摩耗が進んだら部品を交換
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異音・異常振動の発生
- 【原因】主軸のバランス不良、軸受けの摩耗
- 【対策】主軸の回転精度を定期的に測定し、異常があれば修理や交換
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工具寿命の短縮
- 【原因】クーラント管理不良、適切でない切削条件
- 【対策】クーラントの定期交換と、適正な回転数・送り速度の設定
長期間安定して使うためのポイント(潤滑・清掃・部品交換など)
長く安定して五面加工機を使うためには、適切な潤滑・清掃・部品交換を徹底することが重要です。これらの対策を怠ると、加工精度の低下だけでなく、機械全体の寿命を縮めることになります。
1. 適切な潤滑管理
五面加工機の可動部には、スライド面やボールねじ、ガイドレールなど、多くの摺動(しゅうどう)部が存在します。これらの部分には、定期的な潤滑が必要です。
- 自動給油装置の活用:最近の五面加工機には、自動給油装置が搭載されているものもあります。給油量や頻度を適切に設定し、定期的にオイルの補充やフィルター交換を行いましょう。
- オイルの種類を確認:指定された粘度や種類の潤滑油を使用することで、部品の摩耗を最小限に抑えられます。
2. 日々の清掃を徹底する
加工現場では、切粉や粉じんが機械の内部に入り込みやすいため、こまめな清掃が求められます。
- 切粉の除去:加工後は、エアブローや吸引装置を使って切粉を取り除くことで、可動部の摩耗を防ぐことができます。
- クーラントタンクの清掃:クーラント液が汚れると、腐敗や異臭の原因になります。3~6ヶ月ごとの交換と、タンク内の清掃を行いましょう。
3. 定期的な部品交換
長期間にわたって使用すると、どうしても摩耗が進み、性能が低下してしまう部品があります。特に交換が必要になる部品は以下の通りです。
- ボールねじ・ガイドレール:定期的に精度測定を行い、摩耗が進んだら交換することで、高い加工精度を維持できます。
- 主軸ベアリング:回転精度が低下したり、異音が発生した場合は、主軸ベアリングの交換が必要です。
- 電気系統の配線・センサー類:長年の使用で接触不良を起こすことがあるため、動作不良が見られたら点検・交換を検討しましょう。
五面加工機は、適切なメンテナンスを行うことで、10年以上安定して稼働させることが可能です。 日々の点検や清掃を徹底し、定期的に部品交換を行うことで、長期間にわたる安定稼働を実現できます。導入後のランニングコストを抑え、最大限のパフォーマンスを引き出すためにも、ぜひメンテナンスを計画的に実施してください。
まとめ
五面加工機は、大型ワークの精密加工を効率化するために欠かせない設備ですが、導入コストや運用方法を正しく理解しないと、思わぬトラブルにつながることもあります。本記事では、基本的な構造や五軸加工機との違い、選び方、導入メリット・デメリット、そしてメンテナンスの重要性について詳しく解説しました。
改めて、記事のポイントを振り返ると:
✅ 五面加工機は、1度のクランプで5つの面を加工できるため、段取り時間を短縮できる
✅ 五軸加工機との違いは、主に可動範囲と得意な加工内容にある
✅ 導入コストは高いが、生産性向上や不良率低減といったメリットが大きい
✅ メーカーごとに特徴が異なり、用途に合った機種を選ぶことが重要
✅ メンテナンスを適切に行うことで、機械寿命を延ばし、安定稼働が可能
五面加工機の導入を成功させるには、適切な選定と計画的な運用・メンテナンスが不可欠です。設備投資を最大限活かすために、ぜひこの記事を参考にしてください!