アルミや樹脂加工品の雌ネジ部にヘリサートやインサートを入れる場合があります。
ヘリサートやインサートは主にステンレス製でネジ部の強化を目的に使いますね。
アルミや樹脂は素材が柔らかいので、直接ネジ加工をしたところに鉄製のネジやボルトを入れたり抜いたりしていると、ネジ部が摩耗してネジ山が痩せてしまうんです。
なので、頻繁にネジの抜き差しをするようならヘリサートやインサートを挿入して、ネジ山の補強をしておかないと部品が使えなくなってしまうのです。
部品加工図では「ヘリサート(インサート)挿入」という指示があると思います。
そこに「1.5D」とか「2D」という表記も併せて記載されていることがほとんどなのですが、経験がない人はなんだこれ?と思うわけです。
でも難しくありませんので安心してください。
ただ深さを示すだけです。
「D」は呼び径に対する呼び深さを示します
例えば、M3ヘリサート「2D」とあれば、3 x 2 = 6mm が実際にヘリサートを入れる深さになります。
1.5Dならば4.5mmですね。
購入するヘリサートも「1D」「1.5D」「2D」・・・と色々ありますので、必要な深さのものを選びましょう。
1.5Dなのに2Dのヘリサートを使うとダメですよ。
ヘリサート用のタップ深さは、目的に見合った深さを加工しておきましょう。
時々、初心者さんで間違いがあるのは、M3ヘリサートを入れるのに、普通のM3タップの加工をしちゃっていて、ヘリサートが入れられない!!!と嘆く人。。。
当たり前やろ・・・と言いたいところですが、知らなかったら仕方ないですね(笑)
ヘリサートを入れるために加工するネジ穴はヘリサートタップと呼ばれるもので加工しないといけませんのでご注意あれ。
「D」という表記はヘリサート以外にもザグリ深さで使う人もいる
長年、町工場で部品加工図を色々と見てきましたが、本当に完璧な図面ってほとんどありません。
とりあえず、見て形が分かって寸法がわかればいいやろという図面が多いです。
なので、同じ加工でも表記の仕方が会社ごとにバラバラだったりします。
その1つがザグリ加工の深さ表記ですね。
普通は、「ザグリ 深さ6」というように書かれていることが多いですし、あるいは「M6 ザグリ」というように深さは具体的に表記されていない代わりに、M6ボルトの頭が沈むように加工しておいてねというものもあります。
これらの他に「D」を使っている人もたまーに見かけます。
この表記が正しいか正しくないかわかりませんが、個人的にはややこしいので好きではないですね(笑)