コーティング付きドリルと普通のドリルの使い分けってどうする?

ドリル 部品加工の基礎

金属部品加工の仕事を始めたばっかりの初心者にとって、気になることの1つが工具のコーティングです。

エンドミルとかドリルなどに金色のコーティングがされているものを見かけたりしませんか?

あれって、TiNコーティングと呼ぶのですが、他にもTiC、TiCNとかDLCコーティングなどもあります。

 

これらのコーティングの使い分けはさておき、いずれも耐摩耗性などを向上させる目的で施されているのは何となくわかりますよね。

じゃあ、あなたの務める会社(工場)に、コーティング付きのドリルとそうでない普通のドリルがあったら、どちらを使うと良いでしょうか?

 

そんなの、コーティング付きを使えば大は小を兼ねる的な感じで良いのでは?

と思うでしょうか。

でも、違うんですよね。

コーティング付きのドリルを使わない理由

コーティング付きのドリルは耐摩耗性が優れているので、難削材とか連続加工には向いています。

特に連続加工する場合には、ドリルが加工プログラムの途中で折れてしまったりする確率を減らせるのでよいかもしれません。

 

あるいは、削りにくいステンレスや溶着が問題になるアルミ加工にはコーティング付きのドリルが向いていると言えます。

 

しかし、コーティング付きのドリルのデメリットが1つあるのです。

それは、刃先研磨をするとコーティングが剥がれてしまうということ。

 

通常、コーティング付きのドリルなどは再研磨をする場合、再コーティングの依頼もします。

でも、多くの町工場では再研磨に出すのが面倒なので、新しいドリルを買っているところもあります。

 

じゃあ、そのドリルはどうするのかというと、廃棄しちゃうか、普通のドリルとして使ったりしています。

どこの会社でもそのようにしているかというと、そういうわけではないですが、そういうところもあると思ってください。

 

なので、普通にSS400とかS50Cなど比較的加工がしやすい金属の穴開けなどは、研磨しても使えるハイスドイルを使えばいいと思います。

これがハイスドリルを使わない理由ですね。

 

コーティングドリルを使うときの注意点

コーティングにも種類があるように、それぞれ特徴があります。

加工条件として切削油をかけるウェット式で加工するのか、切削油をかけずにエアブローでドライ加工するのかによっても推奨されるコーティングの種類が異なります。

 

新人のうちは、コーティングの種類まで気にしない人も多いかと思いますが、できるだけ覚えておくと外部の人との会話でも役立つことがありますし、加工がうまくいかない時にコーティング工具を検討しやすくなりますよ。

まぁ、覚えろとは言わないので、コーティングにも種類と特徴があるぞとだけ頭に入れておけば、調べることはできますね。

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