ノーズRとは、旋盤加工に使うチップの角についている工具Rのことを指します。
R0.2やR0.4など色々なチップがあります。
たまに図面に「ノーズRでOK」みたいな文言が手書きで書き加えられていたりするものもありますが、この場合は加工する時に使う工具Rが残ってもいいよという意味になります。
では、チップのノーズRの選び方はどうすればよいのでしょうか?
ノーズRの選び方
チップのノーズRが大きい場合、切削抵抗が大きくなりますね。
そのため、ビビりが出やすくなります。
「同条件下でノーズRが小さいほど仕上げ面が良い」ということを聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、言うなればノーズRが小さい方が切削抵抗が少ないのでビビりが無くてキレイに仕上がるという意味です。
その反面、ノーズRが大きいということは、チップの剛性が上がるので深く切り込んだ加工でもチッピングの心配が少なくなるというメリットがあります。
一方、ノーズRが小さいチップは切削抵抗が小さくなるのでビビりが少なくなります。
そのため、浅く削る仕上げ加工ではキレイに仕上がります。
ノーズRの小さいチップを使って、深くガッツリ削ってしまうと先端強度が弱いためにすぐに欠けてしまいますから上手く選択するようにしてください。
断続加工の場合、ノーズRが0.2や0.4のチップでは、どうしてもチッピングしやすいので注意しないといけません。
できれば丸チップの方がよいかもしれない。
NC旋盤におけるノーズR補正とは?
NCの加工プログラムを作るときには、工具先端Rは無いもの(仮想刃先)として計算されます。
しかし、実際はR0.2やR0.4といったノーズRがついているため、そのままの加工プログラムではテーパ切削や円弧切削で削り過ぎたり、削り足りなかったりします。
そこで、このノーズRの分だけ補正をかけてあげることで、機械が仮想計算通りに仕上がるよう動いてくれるようになります。
刃先R補正機能は、機械メーカーにもよるかもしれませんが、補助機能のG41、G42、G40コードを指令すれば、刃先Rの補正ができます。
つまり、自分が使っているチップの刃先は何Rかということは重要なんですね。
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