部品加工屋は『春節と中秋節』が勝負時!?

海外の外注

海外から部品調達をしていると言うと、大抵は中国とか台湾、韓国だったりする。

私も海外の主力は中国です。

サブ的に台湾と韓国に協力してもらっている感じです。

 

しかし、これらの国で共通しているのが旧正月(春節)と秋にある中秋節という長期休暇があるということ。

この頃はいつも決まって慌ただしくなる。

 

海外メーカーが一斉に休みに入るため、海外メーカー頼りの案件などは、納期調整とか価格調整とかいろんな面で対処に困るようになるからです。

いつもなら海外に出していた仕事が出せなくなると、日本国内で対応するしかありません。

そうなると、仕事が集まるところはどんどん集まるので、いつも以上にパンク状態になってしまいます。

 

海外に出せないので国内の協力メーカーに、、、と思っても、国内ですら出せない(受け付けてくれない)のです。


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海外生産が前提の仕事だってある

中国や韓国、台湾の製品価格がどんどん高くなってきていて、昔ほど価格面での恩恵は期待できないという声を聞くようになって久しいと思っていませんか?

 

確かに、海外の労働賃金の上昇に伴い、加工単価も上がっている印象はあります。

しかし、実際はやはりまだまだ価格面での恩恵を受けることができると言えます。

 

とりわけ、中国や新興国ではまだまだ部品加工のスタートアップ企業が存在し、彼ら小さい企業は仕事の継続的な獲得に躍起になっている。

そのため、安い価格でもとにかく沢山仕事を受け入れてこなしているという感じがします。

もちろん、本当に価格が難しいものは難しいと言ってもらうようにはしています。

 

そういった彼らの存在は、海外メーカーどうしの戦いを生んでいるようです。

 

というのも、弊社のとあるお客様の案件はとにかく受注価格が安い。

少なくとも、日本国内で価格対応できる企業はいまだ私は見つけられていません。

しかし、海外では継続して仕事を受けてくれているメーカーがある。

 

聞くところによれば、弊社のライバル会社も結局は海外メーカーを使っているようです。

なので、海外メーカー同士の戦いがそこにはあるということです。

もはや、普通の日本の加工屋は土俵に上がれないということです。

安い海外メーカーとのつながりがある会社でないと勝負できないということです。

 

果たしてそれでいいのか?という疑問もあるが、今はそれしか道が見えないのです。

付加価値を付けてどうのこうのという話もしたい気持ちは山々ですが、客先からは「付加価値などいらない」ときっぱりと釘を刺されている。

 

客が求めるのは、それなりの品質でとにかく安くです。

そのため「海外で作れ」と海外メーカー指定までされる始末です。

超大手メーカーですが、大手だからこそよくある話なのかもしれません。

 

だが、冒頭でも述べたように海外の春節や中秋節が無くなるということはない。

なので、1月の終わりから2月上旬にかけてと、10月頃は「海外で作れ」というメーカーからの要望は通らないのです。

つまり、その穴埋めは赤字になってでもどこかで作らないといけないようになってしまいます。

 

春節と中秋節のない地域での生産を目指す企業が増える!?

これまでは、海外からの部品調達ができるというだけで町工場は付加価値をゲットできていた。

しかし、今はそれもすっかりと珍しいものではなくなってきた。

 

それが結果的に海外製前提での仕事が存在するようになった理由でもある。

じゃあ、次はどんなことで差別化を図るようにしないといけないのか?ということになる。

 

1つは、価格の追求。

2つ目は難しい加工の対応。

そして、3つ目が春節や中秋節とは無縁の地域での部品加工ということになるだろう。

 

価格をとにかく安く追求するというのは、常に客先から求められることではあるが限界がある。

なので、できる範囲での対応に留まるだろう。

 

穴場となるのが、2つ目と3つ目だ。

 

2つ目の難しい加工の対応というのは、海外メーカーと取引があるのなら是非とも目指したいところです。

日本の協力会社でも対応できるところがなかなか見つからないというような案件を、海外で対応できるメーカーを探しておくとすごく強みになります。

価格が安いとか高いということよりも、加工できるできないが重要となる案件で「できる」と言えるのは1つ大きなポイントになります。

 

そして、3つ目の春節や中秋節と無縁の地域で加工メーカーを見つけるということは、これから大きな差別化ポイントになると思う。

特に毎月決まった量の仕事をしないといけないという場合には、長期休暇によって頭を悩ます必要がなくなる。

 

要するにメーカーの使い分けではなく、仕事のふり幅を広げるということですね。

 

私も実はフィリピンからメールの問い合わせがあり、興味を持ったので試験的に仕事を発注してみました。

フィリピンにも中華系の人がいますが、そうでない人たちは春節や中秋節は関係ありません。

なので、もしかしたらという期待がある。

 

まだ、製品が届いていないので評価はしていませんが、この会社もスタートアップ企業なので、今後、協力してもらえそうなら大きな戦力になるのではないかと期待もしつつ発注した製品の到着を待つばかりです。

 


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