ホーマーなどで使われる超硬ダイス。
そのダイスケースの粗加工は結構価格競争が激しい世界だと思います。
長年、部品加工の世界に身を置いていますが、まだまだ知らないことはいっぱいあるものの、身近に見えている物事については、それなりの経験があるのでよくわかります。
特に旋盤加工のみの粗加工は安さで勝負しかありません。
あるいは、短納期対応で勝負しかないです。
粗加工なので、面粗度とか関係ないですし、寸法も焼入れ研摩前なので緩い。
そんなに腕のいる仕事でもない。
品質で勝負とかできないのでそういうことになるんですね。
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鋼材屋が機械を購入して粗加工やっているところもある
一部の鋼材屋は、ダイスケースの粗加工の注文を受けたら、自分のところの材料を切って自社で加工までしているところもあります。
加工そのものに、特別な技術がいるわけでもないのでとっかかりやすいんですよね。
そうすることで、外注コストを下げるとともに材料代も調整がしやすいので価格競争で優位に立てる。
機械設備を入れても職人の確保なんてできないからやらない。
そう言っている同業の鋼材屋からは陰口を叩かれているみたいです。
「材料屋のくせに、何をしてんねん」みたいな。
まぁ、私からすれば自分が努力もしないで、他人が新しいことを始めて上手くいったのを見て文句を言ったり非難したりするのは間違っていると思っていますが。
じゃぁ、お前もやればええやんってなりますもん。
そんなことはさておき、普通の町工場だと、どうしても材料屋から材料を仕入れないといけないので、材料価格のコントロールが難しいです。
その時点で材料屋に粗加工もされてしまえば、一歩遅れてしまうのですが、これは仕方がないと思います。
でも、全ての材料屋が自社で加工しているわけでもないし、全てを自社でまかなえない時もあります。
それに、仕事は材料屋だけが受けているわけでもないので、純粋な加工屋が絶対的に不利だというわけでもないと思います。
あとは、戦略、人脈、人柄、価格、納期・・・・色んな要素が混ざり合った結果、どこかに仕事が行くというだけです。
ダイスケース粗加工で勝負できる加工屋は?
大阪は金属部品の加工屋がいっぱいありますが、どこで何をどんなふうに作っているか?と聞かれると千差万別です。
たとえ同じ製品でも作り方が違うことも多々あります。
そのため、価格差も非常に激しいものもあります。
A社とB社では同じものでも2倍、3倍の価格の開きがあるとかザラです。
だから、発注する側としては、どこに何を頼めば最適かを常に探り続けないといけません。
じゃあ、ダイスケースの粗加工はどこに頼めば一番安くできるのか?
その答えは、こじんまりとやっている加工屋さんです。
ホームページもなく、インターネットでも見つからないような加工屋さんがベストでしょう。
”小さな店” みたいな工場ですね。
必ずしもではありませんが、従業員が数十人以上となると組織として仕事を受けるので、融通が難しくなることもあります。
当然、他の客もたくさん持っているはずですし。
それが、1人、2人でやっている小さな工場に仕事が頼めるようになると、かなりの確率で助けてもらえるとおもいます。
価格も融通きいてくれやすいです。
ただ、中には頑固オヤジもいると聞きます。
価格は破格だけど時間(納期)に超ルーズだとか。
「オレはSKDは削らへん!」とか言うし。
仕事はやってくれるけど、何かとブツブツ文句言うオヤジ。
黙って仕事せぇと言いたくなるかもしれないが、ブツブツ言うことでストレスを少しずつ吐き出しているのかもしれません。
どこに ”小さな店” みたいな工場があるの?
ダイスケースやその他の粗加工を価格勝負できそうな”小さな店”みたいな工場ってどこにあるんだよと思いませんか?
町工場が並ぶところに行って、適当に当たりまくる時間と体力があるならいいですが、なかなかそういうわけにはいかないですよね。
私が思うには、もう運しかないと思います。
誰かが教えてくれるとか。
たまたま、向こうから来たとか。
知り合いがたまたまそうだったとか。
つい先日、とある仕事で中国の深センに行ってきました。
そこに、弊社がいつも仕事をお願いしている外注先の工場があるのですが、ついでにその工場の外注先も見せてもらうことになったのですが、ビックリすることがありました。
今まで、中国は何回か行っていますが、それは初めて見る光景だったんです。
同じような建屋が並び、その一階はガレージみたいになっているんです。
そこで、それぞれが溶接したり、放電加工したり、ラップ処理したり、旋盤してたり。
でも、隣のガレージでは全然違う業種の人が違う営業をしていたり。
雑然としていました。
まず、日本で見ることはできないです。
イメージとしてはこんな感じ。
話を聞けば、みんな最初はこういうところから始めて、お金を溜めて少しずつ大きな工場に移っていくということらしい。
昔の日本みたいです。
弊社の取引先では、こういうところを外注の1つとして使ったりもしているそうですが、「どうやって見つけてくるの?」と聞くと、通りすがりに声をかけてみるらしいです。
ようするに飛び込みですね。
案外、そういうところって腕の良い人が隠れていたりするみたいです。
中国人は「友達の友達は友達」というように、どんどん友達が増えるらしいです。
日本人とはちょっと感覚が違います。
日本にいる外国人と友達になれたらチャンス?
日本には海外から来た労働者がたくさんいます。
さらに、外国人労働者の受け入れについての法律も改定されることですし、これから増えていく可能性は大きいです。
中には、日本で会社を立ち上げて、これから頑張ろう!という外国人もいます。
今の日本人で、これから部品加工屋としてスタートアップさせることを考える人は少ないので、その点は気力の差を感じますね。
そんな活力が溢れた外国人は、仕事(お金儲け)の話に必死で喰らい付いてきます。
利用すると言うと言葉が悪く聞こえますが、色々と協力してもらえる可能性は断然高いと思う。
事実、私の知り合いにも外国人は多い。
これから自分で会社を立ち上げると言っている人もいます。
彼らは、これまで日本で技能研修生とか技術者として働いてきた経験や自負心があるので、結構強気です。
弱気な人は、まず前面に出てこない。
ダイスケースの粗加工をバンバンやって、毎月数百万円の売上を会社に貢献してきた!という人も知ってます。
安くやりますよ!
とよく私にも言ってくれますし、実際、粗加工はもはや海外価格に近い価格の時があります。
仕事を頼むことも多いですが、価格を聞いて「本当にその価格で大丈夫!?」とよく聞きます(笑)
こっちは安くしてもらえて、めっちゃ助かりますけどね。
そういう彼らに仕事を頼むと、お互いがWin-Winになります。
私はこっそり「メイド・イン・ジャパン by ベトナム とか 中国」って呼んでます。
確かに日本製なんだけど、ベトナム製、中国製みたいな。
外国人と知り合うためには、色々な会社を回ってみたりすることですね。
気付いたらいっぱいいますから。
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