加工の面粗度とは?Ra・Rz・Ry・Rmax・Rzjisの違い

面粗度部品加工の基礎

部品図には面粗度を指定する記号や数字が記載されていることがあるんですが、その表記がRaだったりRzだったりして、ふとその記号の違いって何?と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

2002年のJIS改定以来、主に使用されている面粗度記号は以下の4種類です。

  • Ra(a)
  • Rz(z)
  • Ry(Rmax)(s)
  • Rzjis

一番よく見るのはRaだと思う。

ちなみに、仕上げ記号として▽、▽▽、▽▽▽、▽▽▽▽という三角形の記号もよく見かけますけど、これは古い表記です。

インターネットで面粗度記号の説明を調べる場合は、その情報がいつの時代の情報なのかをよく見ておかないと間違った認識をしてしまう場合がありますのでご注意ください。

最新のJISは2002年改訂されたものです。

 

実際に加工工場の現場で作業をする人が全員ちゃんと図面に記載されている面粗度表記まで見ているかというと・・・

まぁいいかと放置していてはダメです!

 

面粗度表記にはRaやRzなどがあるけれど、それぞれの数字は同じ意味ではないので正しい理解が無いままだと面粗度がNGといったトラブル発生の原因になったりします。

本稿ではそういった表面粗さのトラブルを少しでも防ぐために、部品加工初心者さん向けに簡単に面粗度表記の違いを説明します。

面粗度(表面粗さ)とは?

面粗度 標準片

金属や樹脂などを切削したり研削したりすると、必ず表面に微細な凸凹が発生します。

どんなに頑張っても加工スピードや使用する刃物、ワーク(被加工物)のビビりなどいくつもの要因が重なるために完全なるツルツル表面を得るのは100%無理と言ってもよいくらいです。

あと、加工以外だとアルマイト処理で面粗さが悪くなるのは有名な事象ですので覚えておいた方がいいですよ

アルマイト処理後の面粗度変化に注意しなければならない理由

 

このように加工や表面処理などで発生した表面の凸凹の度合いを数値化したものが面粗度(表面粗さ)

RaやRzなどの記号の違いがあるのは、それぞれ測定方法が異なるからです。

ちなみにRa25などで表記される数字の単位はマイクロメーター(μm)

 

余談ですが、面粗さは「面荒さ」と表記することはありません。

「粗い」と「荒い」は類義語ですが、工業の世界では「面粗さ」と表記します。

荒加工のように行動を示す言葉には「荒い」という文字を使うことはありますが、物の状態を表す時には「粗い」の文字を使うのが一般的かな。

 

Ra(算術平均粗さ)とは

Raとは

Raは単純に「a」で表記することもあります。

その意味は、一定の長さでどれだけ表面に凸凹があるかを凸凹の平均値で示したもの。

 

極端な話、めちゃくちゃ出っ張ってる部分が1か所あっても他の部分でほとんど凸凹が少ないとRaの数値は小さくなります。

最大・最小がどれだけかじゃなくて、あくまでも平均値ってことです。

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Rz・Ry(最大高さ)とは

RyRzとは

現在のJIS規格ではRzとRyは同じ意味で使用されますので、どちらで表記していてもOK。

Rzは「z」と表記することもあるし、Ryは「Rmax」あるいは「s」と表記することもあるので覚えておきましょう。

 

意味は先ほどのRaが平均値をとっていたのに対して、Ry、Rzは最大・最小の差を示します。

なので、凸凹が1か所でも突出して高い部分があるとRy、Rzの数値は大きくなります。

 

つまり、同じ平面をRaとRy,Rzで表記すると、必ずRy,Rzの方が数値が大きくなります。

実際に見比べてみてください。

面粗度

Rzjis(十点平均粗さ)とは

Rzjisとは

Rzjisはほとんど見かけることが無いですが、表面の凸凹それぞれ5か所ずつ合計10か所の平均高さの幅を表したのがRzjisです。

昔のRzはこのRzjisと同じですが、現在のRzは最大高さを意味しますので間違えないようにしましょう。

規格改定されて変わりました。

古い図面でRz表記されているものは、現在のRzjisの意味かもしれません。

覚えておきたい除去加工記号

除去加工記号

Ra、Rzなどの違いについては理解できたと思うんですけど、もう1つ注意して見ておいて欲しいのが除去加工記号です。

なんだそりゃ?と思うかもしれませんが、図面の右上とか左上なんかによく記載されている記号で、上の画像の赤矢印で指している記号です。

 

これの意味は、黒皮などの汚い面は一発削ってキレイにしておけよ!ってことです。

実は、上の左右は同じ意味なんです。

 

左側は、面粗度数値が記載されていない面は全部Ra25の面粗度で加工しておいてねという意味。

右側は、カッコ内で示す面粗度表記が無い部分は全部Ra25で削ってねという意味。

同じ意味ですよね。

 

面粗度表記はRaかRzのどちらで表記されているかをよく見ておかないとダメだよってことは、この図でも言えます。

Ra,Rz違い

内径だけがRz表記されていて、他はRa表記されていますよね。

なので面粗度の数値だけを見ていてはダメなんです。

普通は記号を統一して書きますが、例として出しています。

 

そしてもう1つの除去加工記号として「全周」という意味の記号があります。

〇印が入った記号です。

除去加工記号全周

こちらは、全周をRa25で加工してくださいという意味になります。

全周の意味はあるけれど前面と後面は含まれないことには注意しましょう。

前面と後面にもRa25の記号を入れたい場合は、断面図を描いて面粗度記号を入れたりします。

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面粗度表記の新・旧JISの違い

面粗度表記

1952年のJIS規格による面粗さ記号は▽を使用していました。

でも、▽、▽▽、▽▽▽って記載されていても結構アバウトですよね。

数値化されていないので、およその感覚でしか表現できません。

 

これではパッキンが貼り付けられる表面だとか、ピストン運動をするようなシリンダーの内部などすり合わせが必要な精密部品を作る時に不具合が発生する原因になります。

こうした加工背景もあって、面粗さもちゃんと数値で表そうねということから1992年のJIS改定で数値化された表記ができました。

 

ただ、RaとかRzとか今でも複数の表記方法が残っていますし、古い図面は面粗度表記がそのまま残っていることもあります。

なので、いつの時代のものかをよく見ておかないと数値がおかしいのでは?と感じることも出てくるかと思う。

特に昔のRzと今のRzは意味が違うんだよってことには注意しておいた方がいいです。

 

 

Rz1.6と記載されているものをRa1.6と勘違いすると3ランクくらい面粗度が違っていた!というミスにつながることもあるかもしれません。

注意して見よう。

 

 

さらに、近年では工作機械の精度や工具の発達などによって、切削でも鏡面加工ができるようになりました。

鏡面加工をするためには、高速回転で微細加工などができるリニア駆動のマシニングが使われることがほとんどです。

マシニングセンタの【ボールねじ駆動】【リニアモーター駆動】の違い

 

いままでは、研磨やバフ、ラップなどの工程で面粗度を確保していたかもしれませんが、切削でも十分な面粗度を確保できる場合もあるんですよね。

すごい時代です。

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