光輝焼入(こうきやきいれ)とは何か?【代わりの焼入方法は?】

熱処理

部品図に「光輝焼入れ」という文字が。

なんだこれ??

光る焼入れ??

 

こんな焼入れ知らんわ・・・

とりあえず「見積不可」っと・・・

 

ってやってる人、、、ちょっと待った!!!

光輝焼入れは特別な焼入れじゃないので、見積り放棄をしている人はこの記事を読んでくださいね。

この記事を読めば「なんだ、そういうことか! 見積りできるわ!」となるはずです。

光輝焼入れとは

光輝焼入とは無酸化焼入のことで、焼き入れ時に製品の表面に酸化被膜(スケール)がついたり、脱炭したりしないようにする熱処理方法のことを指します。

この方法で焼入れをすると、表面の酸化が起こらないため焼きあがった製品が元の金属の光沢が残ってツルツルの状態で仕上がることから、光輝焼入れって言うみたいです。

決して、ピカピカに光るような表面に変化するわけではないですよ。

 

どうやって酸化させないようにしているかというと、会社によってやり方は違うようですが窒素ガスや、窒素+水素の混合ガスを使用する方法が多い気がします。

空気中で金属を焼くと黒く変色したりするのは、空気中の酸素と金属が反応して酸化するからです。

光輝焼入れの代わりになる焼入れは?

勘の鋭い人ならすでい気づいているとは思いますが、要するに金属表面を酸化させずに焼入れするということですから

真空焼入れをすればよいのです。

(ソルト焼入れでもOKです)

 

光輝焼入れと真空焼入れの違いは、酸素が無い条件下で焼入れするという点で同じ。

光輝焼入れは酸素の代わりに窒素ガスや水素ガスを充てんさせた雰囲気で焼入れ。

真空焼入れは真空ポンプを使って真空状態の雰囲気で焼入れ。

 

光輝焼入れと真空焼入れは違うというお客様もいますが、正直なところ同じです。

両方とも無酸化焼入れに変わりはありませんので、図面に光輝焼入れと記載されていたら真空焼入れしておけばOKです。

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光輝焼入をする意味

焼入れ指示の意図として考えられることとして

  • 表面酸化をできるだけ抑えたい
  • 焼入れ後も製品の外観を損なわないようにしたい
  • 焼入れによる表面脱炭を起こしたくない
  • 全体焼入れしたい

というようなことがあると思います。

 

とりわけ、焼入れで問題となりやすいのが「脱炭」です。

脱炭とは

酸素が存在する雰囲気で焼入れをすると、鋼材に含まれる炭素と酸素が反応して金属表面の炭素が抜け落ちてしまうことがあります。

これを脱炭と呼びます。

 

金属の焼入れは、金属組成に含まれる炭素が重要だという話を以前に書きました。

熱処理で鋼が硬くなる理由(オーステナイトとマルテンサイト)
金属加工では熱処理をして初めて使い物になる部品が多くありますよね。身近なものであれば、スパナなどの工具や自動車などに使われる軸やギア、ベアリングも熱処理をしている金属が使用されています。しかし、鋼はなんで熱処理をしたら硬くなるのか?ってこと

 

つまり、金属表面の炭素が欠乏するとマルテンサイト化が不十分になり、目標とする金属硬さが得られなかったりします。

また、製品の表面と内部で体積膨張に差が出てくることが原因で、割れが生じたりすることもあります。

まとめ

ということから、図面に「光輝焼入れ」と記載されていても、焦らず真空焼入れで対処すれば何の問題もありません。

製品の形によって、その意図は何か?と考えるようにしよう。

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