マシニングセンタの【ボールねじ駆動】【リニアモーター駆動】の違い

工作機械

ものづくり補助金や今回2021年に実施される中小企業等事業再構築促進事業での大きな補助金などを活用してマシニングセンタの導入を考える加工業者は多いです。

私もそろそろ会社に新しくマシニング加工機を導入したいなと考えているのですが、折角なら今まで自社でできなかったことができるようになる機械をと考えるところです。

 

そんな私のように、新しいマシニングセンタを導入しようかと思っている人にとって、大きな選択肢となるのが

  • 「ボールねじ駆動」のマシニング
  • 「リニアモーター駆動」のマシニング

どちらを選択するかということが挙げられます。

 

厳密には少し違いますが、ボールねじ駆動とリニアモーター駆動では加工するものが大きく変わってくると言っても過言ではないくらい特徴がそれぞれで異なります。

今後、自社がどのような仕事を展開していくのかの方向性を決める重要なことでもあるので知っておきたいところです。

リニアモーター駆動のマシニングの特徴

リニアモーター駆動とはその名前のとおり、リニアモーターで動かすこと。

リニアモーターの特徴として以下のようなことが挙げられます。

  • バックラッシュ・ロストモーションがない
  • 機械精度の経年劣化がほぼない
  • 位置決め精度や繰り返し精度が極めて高い
  • 高速移動が可能

 

リニアモーターはマグネットプレートとコイルユニットからなる単純非接触構造です。

そのため、駆動装置の摩擦抵抗という概念が不要になります。

 

摩擦抵抗がないということから、駆動装置の経年劣化が極めて低いため精度が長年維持されるというメリットがあります。

特に、リニアモーター駆動ではボールねじ駆動のようにギアを使って動かす機械装置などで発生する「バックラッシュ」心配がありません。

 

バックラッシュというのは、ギアの歯のかみ合わせにある隙間のことです。

ある一方向に回転しているギアが逆回転するとき、この隙間があるために一瞬だけギアの歯がかみ合わない時が生じますよね。

これをバックラッシュと呼びます。

 

最新のマシニングでは、このバックラッシュを限りなく少なくするように作られてはいますが、バックラッシュをゼロにはできません。

そのため、ボールねじ駆動のマシニングの場合は、どうしてもバックラッシュによる精度不良が出ることもあるのです。

 

特に、エンドミルで大きな円を描く動作をさせて加工すると、ワークテーブルが右から左に切り返して動くタイミングのところでエンドミルの動きがバックラッシュによって一瞬止まるので、加工物にスジが入ります。

 

しかし、リニアモーター駆動ではバックラッシュが無いため、上記のような問題は心配不要になり、高精度な加工が実現できます。

1mm以下のような小径のエンドミルを20,000~60,000mm-1回転で加工することで、鏡面加工もできますし、超硬のような硬い素材も直彫り加工できます。

高速で細かい加工作業を高精度に行うのであれば、間違いなくリニアモーター駆動を選ばないといけません。

 

デメリットは剛性が無いので、荒加工には向かないということ。

ラフィングエンドミルでバリバリ削るのは無理ですし、高速回転・高速切削するためのものがほとんどなので、通常は6mm以下くらいのエンドミルしか使用できません。

ホルダーも焼き嵌めホルダーが多いようです。

 

とにかく、リニア駆動のマシニングはあらかじめ荒加工されたものを仕上げていくためのマシニングだと思わないといけないです。

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ボールねじ駆動のマシニングの特徴ボールねじ駆動はリニアモーターと違って優れているのは何と言っても剛性です。

マシニングセンタならば、シャンクの大きさが30番とか40番のように分かれているので、使うツール(エンドミルなど)のサイズによって機械導入時に選ばないといけません。

 

より剛性を強く、大きな刃物でバリバリ削りたい場合は40番、50番、あるいはそれ以上のシャンクを選ばないといけません。

マシニングセンタのシャンク30番、40番って何?その意味とは
あっ!そのマシニングは50番ですね? 結構剛性強いですよね? なんてことを社外の人から言われて 「50番とか何言ってんの? やべっ! わかんねー(汗)」 ということありますよね...

 

リニア駆動のマシニングでは、30番テーパかメーカー独自のヘッドが採用されているものもあるようですが、小径刃物を使うからということで剛性が無くても大丈夫ということではないので誤解しないでください。

小径刃物を使う時ほど、主軸の回転数は大きくなります。

 

回転数が上がればそれだけ主軸の振れが懸念されるため、主軸の剛性はより重要になります。

ただし、切削時にワークにかかる負荷が少ないのでテーブルの剛性はそこまで必要ありません。

 

一方、大きな刃物でバリバリ削る場合は、テーブルにも負荷が掛かるので耐えられる強さが求められます。

これをクリアするのがボールねじ駆動です。

リニアだとどうしても荒加工には耐えられません。

 

ボールねじ駆動のメリットは剛性ですが、高速移動やバックラッシュの問題などはリニアには及びません。

【未来を見据えるたマシニング選び】リニア駆動とボールねじ駆動、どちらを選ぶべきか?

加工するものによってどちらを選ぶべきかはこれまでの簡単な説明で分かると思いますが、今後、会社をどのような方向性で発展させていくかによっても変わりますよね。

 

例えば、うちの会社の場合は10年くらい前に3軸加工ができるOKKのマシニングを導入してから設備投資をしていません。

ボールねじ駆動であり、40番テーパなので剛性はそこそこあります。

 

今後は、松浦製作所の5軸マシンニングセンタやDMG森精機やオークマなども考えられますが、いずれにしても、「今できないことをできるようにする」というのは大事だと思う。

そう思うと、今はフライス加工しか社内でやっていない状況なので、旋盤加工機、ワイヤー加工機、研磨機なども候補の1つとして入ります。

もちろん、超硬を直彫りできるようにして仕事を増やしたいとか、医療分野に使われるような微細な加工をやっていきたいと思えば、高速回転を使えるリニア駆動のマシニングも候補になる。

 

機械は使い方次第ですが、その機械じゃないとできないことをまったく新たに手掛けていくのか、既存の仕事の延長線上に付随する加工をクリアしていくのか。

今までやったことのない、まったく新しい分野への挑戦はリスクもあるが、長い目で見れば会社の成長を助けるものになるかもしれません。

 

導入する機械を決めるときには

  • 仕事の確保はできそうか?
  • オペレーターの確保はできそうか?
  • 営業の担当者にも機械の特性を理解して仕事をしてもらえるか?

ということは確認が必要ですね。

 

自社にとって汎用性のある機械は、あくまでも使い方次第ですけども良く言えば潰しがきく。

悪く言えば、他社の多くも持っているので独自性がない。

一方で、マイナーな機械は潰しがきかないけど、突き抜けた独自性が作れる可能性が高い。

 

さぁ、あなたならどうしますか?

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