【社長になったら何を見ればいい?】損益計算書(P/L)の仕組みと見方

町工場

小さな町工場でも世代交代はあります。

うちの会社は、前社長が病に倒れ何の準備も無しに急遽、私に交代することになったのです。

こういう事態は、親が社長をしているという町工場の跡継ぎ候補の人は要注意ですよ。

 

そして、会社の経営者になったら絶対に言われるのが

損益計算書(P/L)は読めるようになっておかないといけないよ!!ということ。

 

数字に弱いので・・・

と言って、税理士や会計士に全投げということでは、会社経営が行き詰った時に非常に困ります。

 

正直なところ、私も雇われて薬局薬剤師をやっているだけだったり、どこかのサラリーマンだったりしていたら、損益計算書なんてこと考えもしなかったかもしれません。

でも、今は町工場の社長ですから嫌でも考えざるを得ない状況です。

あー面倒くさい(笑)

 

小さな零細町工場の社長でも、損益計算書は絶対に見れるようにしておかないとキャッシュフロー(お金の流れ)が見えないのと同じことになり、会社運営ができてるつもりになってしまいます。

 

会計のことなんて今さら勉強するのも嫌になるという人もいるんじゃないでしょうか。

しかし、私も同じく嫌になるところですがよく見てみると、損益計算書には入ってくるお金と出ていくお金の流れが順番に記載されているだけ。

そう思うと、なんだか分かるような気がしてきました。

 

数字に強いとか弱いとか関係ないです。

実際に見てみると「そういうことね!」と必ず理解できます。

そのうえで、社長になったら何を見ればいいのか?ということについて、私なりの考えを書いてみます。

損益計算書(P/L)の仕組み

損益計算書の仕組みは単純です。

どんなけ売上があって、どんなけお金がかかったか

そしてお金はどれだけ残ったか

を示しているだけです。

 

実際に見てみるとこんな感じです

(+)売上高
▲売上原価
=売上総利益(あらり)
▲販管費
=営業利益
(+)営業外収益
▲営業外費用
=経常利益(けいつね)
(+)特別利益
▲特別損失
=税引前利益(ぜいまえ)
▲法人税
=純利益

ややこしく見えますよね(笑)

でも大丈夫。

順番に見てみましょう。

 

売上総利益(あらり)

「あらり」とよく呼ばれているのは

売り上げ金額から仕入れ原価(売上原価)の金額を差し引いたもの

です。

 

「売上原価」って何なん??

”経費”って言われているやつの、何が売上原価に該当するのか改めて問われると材料費のことじゃねーの?と普通は思いますよね。

でも、それだけじゃないです。

部品加工をしている町工場においては製品製造に直接関与しているモノの原価を指します。

 

部品を社内の機械設備で加工して製造して販売した場合

材料費(自社で購入した場合)はもちろんですが、工具代、切削油、機械の減価償却費が売上原価になります。

 

※製品製造に直接関わるマシニングや旋盤加工機などの工作機械については、その減価償却が残っている場合、減価償却費は売上原価に入ります。

 

材料支給されたものを加工する場合、売上原価に材料費は含まれないということ。

なので、図面ごとに材料支給で加工したものか、材料を購入して加工したものかを分けておかなければ、売上総利益(あらり)は変わってくることになる。

 

ところで、切削工具とかは減価償却しないの?

と思ったので調べてみたところ

工具については10万円未満のものであれば、全額を損金として処理することが認める

という法律があるので減価償却はしません。

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営業利益

売上総利益(あらり)から販管費を差し引いたもの。

販管費というのは、従業員の給与などの人件費、賃貸している工場の家賃(もしくは所有している建物の減価償却費)、光熱費などの経費です。

 

経常利益(けいつね)

営業利益に営業外収益を加え、かかった営業外費用を差し引いたものです。

営業外収益というのは本業以外の活動で経常的に得ている収益のことで、家賃収入とか、株の配当金などです。

「形状的に得ている」というのがポイントのようです。

 

営業外費用も同じく、経常的に出て行くお金のことであり、例えば銀行からの借り入れ利息とかです。

株の売却損なども営業外費用に該当します。

 

税引前利益(ぜいまえ)

経常利益(けいつね)に特別利益を加え、特別損失を差し引いたものになります。

特別利益というのは、土地や自動車などの資産売却で得た利益など、本業の営業で儲けたお金とは別の利益のことです。

 

営業外収益と違うのは、家賃収入のように経常的に入ってくるお金ではなくて、思いがけず舞い込んだ収益のことを特別利益とします。

本業とは関係のない儲けを売上高に組み込んでしまうと、本来、会社がどれくらい収益を上げる力を持っているのかが分からなくなってしまうので、こういう「特別利益」という枠があるんですね。

 

特別損失も同じく、本業のなかで出ていく材料費や消耗品とは別に、イレギュラーに出て行ってしまった費用のことです。

こちらも、金利の返済などのように経常的に出て行くお金ではなく、工場の雨漏りを修繕した費用とか、車をぶつけてしまった修理費とかが相当します。

社長になったら、PLのどこに注目すべき?

損益計算書(P/L)というのは、お金がどれだけ入って、どれだけ出て行ったかという数字を記載しているだけなんです。

ただ、どの項目でお金が入って、出ているのかに注目します。

 

例えば

  • 営業活動の中で得たお金が多くて黒字になっている。
  • 会社で買った土地が急騰して大儲けになった。

いずれも「儲かった」というお金のプラスマイナスではプラスですけど、内容が違います。

 

企業努力によって、会社が稼ぐ力を付けてきた結果儲けているのか。

あるいは、たまたま儲かっただけなのか。

この2つの違いは企業価値を評価するためには重要です。

 

特にお金を貸してくれる銀行は、企業価値を考えて融資する金額を決めるはず。

なので、私たちは営業利益を大きく見せるようにするべきなんです。

 

経常利益や税引前利益は、企業がもつ本来の稼ぐ力とは関係のない利益や損失まで含まれているため、企業価値を評価しにくい。

これまで、販管費として計上していたものの中に営業外費用や特別損失にもってこれるものは無いか?考えてみるべきです。

 

最終的な数字は同じでも、内訳が変われば評価が変わるはずです。

要するに見せ方です。

 

会社の損益を上手く銀行に見せるようにするのが社長の仕事でもあるかなと思うのです。

ほったらかしにしておいたら、勝手に販管費にされているものは、探せば結構あると思いますよ。

 

ちなみに、うちの会社の工場照明を水銀灯からLEDに変えたんですが、その時に発生した工事費やLEDの費用が何故か仕入原価に入れられていたんです。

「これはダメやろ」ということで、会計士に言って特別損失に変えてもらいました。

これで、営業利益は大きくなりますね。

 

余談ですけど、工場の照明に水銀灯や蛍光灯を使用しているところは、できるだけ早くLEDに変えた方がいいですよ

LEDの消費電力はかなり小さいので、水銀灯を使っている場合の1/4とかになったりします。

うちの工場も年間10万円以上は電気代が安くなっている計算です。

 

社長になると、経費を使わないと損!!

みたいな話を周囲の人から聞くようになるとは思いますが、あくまでも会社として利益をしっかりと出していることが前提です。

キャッシュが残っていないのに、経費で高級車を買うとか、高級な接待費を使うというのは論外かと。

 

キャッシュを残しつつ、税金をできるだけ少なくするようにしないといけない。

会社で長年使用していない備蓄品があれば、さっさと処分して特別損失を増やす。

2つ以上の収益事業があるなら、子会社あるいは別会社を作って事業を2つの会社に分けて行うことでも税金は抑えられます。

これは、法人税に累進課税制度が適用されているため。

 

このように、町工場の社長になったらお金のことをよく考えないといけません。

投資する(お金を使うこと)に躊躇してばかりだと、会社は成長しません。

投資をした分、会社にマイナスが出れば法人税が免除されるということを頭に入れて、タイミングを見計らって思い切ってやらないといけないなと、私も自分に言い聞かせているところです。

 

損益計算書を見ることで、ただお金が入る、出ていくということじゃなくて、どういう名目かということに頭を働かせられるようになります。

これこそが、社長になったら何を見ればいいのか?という答えです。

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