3DプリンターでABSの造形に『ラフト』が必要な理由

ラフト3Dプリンター

3DプリンターでABSの造形をする時には『ラフト』が必要になります。

 

ラフトって何???

というように私も初めて3Dプリンターを使う時に思いました。

 

ラフトというのは、ABSやPCなど造形中にテーブルから剥がれてしまいやすい素材の3Dプリントの時に造形物とテーブルの間に仮に作るテーブルみたいなものを指します。

テーブルの上にまずはラフトを薄く造形し、そのラフトの上に目的のものを造形することになります。

 

PLAではラフトは必要ないのに何でや??と思った答えも素材にあります。

ABSの造形でラフトが必要になる理由はフィラメントの収縮率

ここで言う3DプリンターとはFDM方式のものです。

FDM方式というのは、細いフィラメント状の樹脂素材を溶かして積層していくタイプのものを指します。

つまり、造形時にはフィラメントを100℃以上の高温にして溶かしてから積層して固めていくわけです。

 

しかし、樹脂には収縮率というものがあり、一般的によく使われているABSの収縮率は0.5~0.9%くらいです。

熱で膨張したABSは積層されて固まる時に0.5~0.9%くらいは縮こまるというイメージを持ってもらうとよい。

 

溶けたABSフィラメントの温度がまだ高いうちは、テーブルにしっかりと引っ付いています。

ABS

しかし、フィラメントの温度が下がって固まるとABSが収縮するので

造形物の端の方から少し剥がれて浮いてきます。

ABS

↓ 実際に造形したものが剥がれている様子(赤丸で囲ったところ)

ABS2

 

ABSの収縮率は0.4~0.6%に対して、一般的にラフトを使用しないで造形するPLAの収縮率は0.3~0.5%くらいです。

PC(ポリカーボネート)で0.5~0.7%くらいなので、PCはABS以上に剥がれやすい素材だと言えます。

 

ラフトの役割

以上のように、ABSなどの収縮率の高い素材は造形中にテーブルから剥がれてしまう可能性が高くなります。

そこで利用するのがラフトです。

 

ラフト

造形物とテーブルの間に薄く平べったい造形物を仮に作るんですね。

私の場合は、ラフトの造形スピードは目的の造形物を作るスピードの1/2に設定しています。

ゆっくりと造形して、ラフトがしっかりとテーブルに引っ付いて剥がれにくくなるようにしているんです。

ラフトが剥がれてしまう場合の対処法

造形物が剥がれないようにと思ってラフトを作っているのに、肝心のラフトが剥がれてしまうという場合の対処法を紹介しておきます。

 

オーソドックスな方法としては「テーブルにスティックのりを塗り込む」です。

スティックのりをテーブルに塗ってから造形を始めると、ノリの接着力でラフトが剥がれにくくなります。

 

ラフトの端っこが少し浮いてしまうというくらいであれば、造形の設定でラフトの面積を少し大きめにするとよいです。

ラフトの端っこが少し浮いたくらいであれば、目的の造形物には影響が出ないようにすればいいんです。

 

ラフト無しではABSの造形はできないのか?

ラフトを作ることで少し面倒なことが1つあります。

それは、造形後にラフトが造形物から剥がれにくいこともある点です。

 

ABSのラフトを剥がしやすくするコツを別記事で紹介しましたが、結構面倒なんですよね。

ラフト無しで強引に造形できないの?

と思うのは誰もが同じではないでしょうか。

 

実際、私はラフト無しでABSの造形を何度かやったことがあります。

結論から言うと、成功する時もあれば失敗する時もある。

成功する確率は4割くらいでしょうか。

 

これは、使っているフィラメントや3Dプリンターの種類、メーカーによって一概に言えないですが、少なくともラフト無しで造形するのは王道ではないということです。

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