個人の単品部品依頼のための図面作成方法

図面のこと

個人で部品加工依頼をしたい時の依頼方法の基本は

  1. 図面を出す
  2. 見積をしてもらう
  3. 発注する

という流れです。

 

ところが、個人依頼をするときに困るのが図面ですね。

「直径〇〇mm、長さ〇〇mmの円盤で、真ん中付近に△△の加工をした部品を・・・」と説明されるような依頼だと、正直に申し上げると門前払いしたくなります。

図面が無くて、見積すらしてもらえないという経験をしたことがあるかもしれませんが、図面を用意するにはどうしたらよいのか?

 

「図面」を何か特別なものと思っている人もいるようですが、極論は出来上がる形(寸法)が分かればよいのです。

プロが作るようなちゃんとした図面じゃなくても、部品の形が分かれば作ることはできるんです。

 

しかし、多くの人がなかなか「わかる図面」を作ることができないため、部品加工屋に断られてしまうケースがあるということです。

「わかる図面」とは何かを知るためには、図面の基本を覚える必要があります。

 

基本とは、作りたいものを上下左右、前後からみた時の形や寸法を図示することです。

それに加えて、寸法に公差が必要なのか、材質はどうするか、表面処理は・・・と情報を加えていきます。

 

では、ここから先は依頼パターンを分けて図面の用意の仕方を紹介します。

部品図面の作成方法例と注意点

部品サンプル

自分で考えたオリジナル部品を作りたい場合はCADソフトなどを使って作るか、手書きで作るかのどちらかになります。

色々と部品を作りたいと考えている人は、オープンソースのフリーCADもいくつかあって、自由にダウンロードして使えるので、インターネットで探して使用してみるのもよいかもしれません。

 

まずは実際に上の絵のようなサンプル品を例にして図面作成方法を説明します。

これだけでは大きさなどが全く不明ですね。

これを図面にしてみると・・・

 

図面1

こんな感じにすると、加工者は非常に理解しやすくなります。

このような図面(加工者が加工するために必要最低限の図面)を作る基礎については、別記事を参考にしてください↓

部品加工の図面の書き方【サイコロの展開図と同じやで】
部品加工で最初に理解できないと困ることは、図面の読解です。 図面が見れないと、部品加工はできません。 加工依頼をする場合も、加工者がわかるように図面をかいて提示しないと、思っている形が伝わりませんし、わかりにくい図面を渡...

 

必要であれば、寸法公差を入れたりします。

とりわけ、穴に軸を入れる時のはめあいについては、しっかりと公差管理した方が製品寿命が延びますよ。

ただし、公差を厳しく設定すればするほど加工が難しくなって高額になるので注意してください。

 

図面は基本的に上から見た図、右側から見た図、手前から見た図などを分けて描きます。

図面2

テーブルの上に製品を置いて、上下左右、前後から見た図を描けばよいのです。

今回、あえて右側から見た図と手前から見た図も載せましたが、この場合は右側から見ても手前側から見ても図は同じですね。

なので、本当は片方だけ描けばよいのです。

無駄な図はできるだけ省くのが理想です。

 

内側に隠れて見えない線などは点線で描きます。

 

とりあえず、形状を描くことができたら寸法に抜けているところがないかを確認しましょう。

寸法不明部がたくさん見受けられる図面を提示される方、結構多いですよ。

 

材質や数量などの表記をする

形を描くことに集中して情報漏れしている人の図面をいっぱい見てきました。

形も大事ですけど、材質と数量も大事ですよ!

 

どんな材料を使って作るのか?

どれだけの数を作るのか?

それによって、作れる作れない、価格が高い安いが変わってきます。

 

焼入れや表面処理の明記も忘れずにする

図面3

焼入れや表面処理についても、必要であれば明記しましょう。

でも、表面処理や焼入れについては「よくわからない・・・」という人も多いかと思います。

 

焼入れや表面処理は、それだけで専門分野になりますので奥が深いです。

今でも、新たな処理方法などを日夜研究している会社もあり、会社独自の熱処理とか表面処理を開発していたりするので、我々加工屋も知らないこといっぱいあります。

 

錆びないようにしたければどうすればいいか?

耐摩耗性を上げたいけどどうしたらいいか?

自分の要望に合った処理は何があるのかについては、よく調べてみることをおススメします。

 

ただし、費用面ではコストアップするので理解しておきましょう。

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現物部品への追加工や現物品のコピーを依頼したい場合

さて、すでに何か現物があって改造したいという場合は、図面作成うんぬんの前に加工依頼のハードルが上がると思ってください。

何故かというと、加工屋にとってリスクが大きいからです。

詳しい内容については、部品加工屋が密かにビビる『追加工』の記事に書いているので参照してもらえればと思います。

 

それはさておき、追加工を依頼するにしても図面を用意する必要があります。

なかには、ただ単に「ここにキリ穴をあけてほしい」とか、「ここを切り落としてほしい」というように、図面なんて必要のない依頼もあるかと思います。

その場合は、図面は不要ですが加工先に出向いて直接説明した方が間違いが無くてよいと思います。

 

どうやったら加工先が見つかるか?ということについては、正直なところ、インターネットで調べたりしながら問い合わせするしかありません。

できれば、自宅から直接訪問できそうな会社がベストです。

というのも、実際にモノを見せて話ができるからですね。

 

単純に切り落とすだけという加工ではなく、ガッツリ削らないといけない、形を大きく変えてしまわないといけないような加工の場合は、やはり図面を作りましょう。

 

現物からの図面の作り方

手元にある現物品を図面化する方法については、現物の図面化はどうやっているのか?という記事でも書いていますが、基本は現物品の寸法測定をしてトレースするしか方法はありません。

ものによって難易度がかなり変わります。

 

よく私もお問い合わせで「現物を送るので、それと同じように作ってもらえればいいです」って言われるのですけど、それって手間のこと考えていますか?と言いたい。

 

加工屋なんだから、現物を見て加工するのも仕事だろ?

という言い分もあるかもしれませんが、加工屋は加工屋です。

製図屋ではありません。

 

なので、現物を見て加工しろと言われても図面が無いのだから、図面を作るところから始めないといけないとなると、その図面を作る手間に対しては対価を支払ってもらわないといけないと思うのが普通ではないでしょうか?

製図を無料でやりますよという業者さんもありますが、そうでなければ費用が発生するものだと思ってください。

 

すべての加工屋がお金を払えば図面を作ってくれるとは限りません。

 

ワイヤーフォーミングのように図面化しにくいものについては、実際に現物を業者に渡して打ち合わせをする必要があるかもしれません。

試作をして問題がないか、本番の製作の前に確認しておかないといけないことは何かなど意外と時間がかかります。

 

パッと依頼して、パッと出来上がるものではなかったりするので、できるだけ自分の住んでいるところから近いところにある業者さんが良いかもしれないです。

何度か足を運ぶことになるでしょうから。

現物品の図面化の問題点

ノギスやマイクロメーターで測定することができるような部品なら、意外と簡単に図面化することはできますが、フィギュアのような人形とか曲線面が多い部品は、寸法測定が容易ではないため図面化するのは難しいです。

 

2D(二次元)の図面よりも、3Dデータがないと作れないようなものは特に難しいと言えます。

最近では3DスキャンやCTスキャンによってデータ化をしてくれるサービスをしてくれる会社もあるようですが、やはり価格は高い。

まだまだ一般的とは言い難いところですし、実用的な精度のよいスキャナーも高額なので費用が高くついてしまうのも仕方がないのかもしれません。

 

 

あまりに高額な費用もかけられないけど、図面(データ)を作って加工依頼したいならば、どうしたらよいのでしょうか?

方法としては

  • 自分でモデリング(データ化)、図面化する
  • ココナラのようなサイトで、個人で案件を安く受けてくれる人を見つける
  • 現物からデータ化して加工までしてくれる業者を探す

 

おそらく、この3択でしょう。

そもそも、自分で製図化もデータ化もできないならば、誰かに依頼するしかありません。

まずは、現物からデータ化と加工もしてくれる業者さんをインターネットで探してみてください。

「産業用CTスキャンサービス」とか「3Dデータ化」など思い当たるキーワードで検索しまくると、案外見つかるかもしれません。

まとめ

図面作成方法については、図面様式にはこだわらなくてもよいですが、理解できる図面をキレイに作成することをお願いしたいです。

キレイにというのは、手書きでもよいのですが、雑すぎて形状が理解できないようなものは、受け取る側としては困るのです。

 

図面作成の基本ルールというものを守っておかないと、形状認識の違いが生じてトラブルになったりするかもしれないです。

双方のためにも、よい図面作りをお願いします。

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