血糖値を下げたければマグネシウムを摂れ!と言われる理由

健康

日本で糖尿病患者が増え始めたのは戦後の1960年以降であり、その原因は豊かになった食生活のなかで「食べ過ぎ」ということがあるからだというのが定説となっています。

糖尿病の原因は食べ過ぎと運動不足。

これについて反論する人も少ないし、テレビなんかでもよく言われていることです。

 

だからこそ、食べ過ぎが糖尿病の原因なんだから血糖値が上がらないようにするためには、食事制限をして運動も適度にしなければならないという考えが食事療法、運動療法というものに繋がっているのです。

 

しかし、問題は食事療法も運動療法も行っているにも関わらず、血糖値が一向に改善されない人もいるということも事実だということです。

 

この謎を紐解く一助となるデータがある。

 

下のグラフは糖尿病の人、あるいは糖尿病予備軍とみなされる人たちの割合の推移(ピンク色のグラフ)と食生活における脂肪摂取量(黄色のグラフ)や平均エネルギー摂取量(紫色のグラフ)の推移を重ね合わせたものです。

このグラフを見ていると気づくことがある。

それは、確かに戦後1960年を過ぎた頃から糖尿病の患者割合が増えていっており、同時に脂肪摂取量も増えていることが分かる。

 

しかし、1980年くらいからは脂肪摂取量はほぼ横ばいで推移しています。

おまけに、エネルギー摂取量はどんどん減っているではないか。

なのに、糖尿病患者の割合は増えている。

 

このデータを見ると食べ過ぎが糖尿病の原因であるという主張が少し揺らいでいるようにも思えたりしませんか?

 

 

そこで注目されているのが、1972年の塩田廃止です。

塩田とは海水から塩を作る方法ですが、当時の日本では塩の販売は専売制でした。

ところが、1972年に海水の汚染やコストが高いことを理由に「イオン交換膜透析法」という人工的に塩を作ることにシフトしたわけです。

 

海水には塩化ナトリウム(NaCl)以外にも様々なミネラルが含まれているのですが、人工的に塩を作るようになってからは、高純度なNaClが「食塩」として販売され食卓にのぼるようになりました。

このことから、それまでは「食塩」から様々なミネラルも一緒に摂っていたのがなくなってしまったということが、糖尿病を増加させた一因ではないかということが言われるようにもなりました。

 

海水から作られた食塩に含まれるミネラルのうち、マグネシウムが糖尿病と関係性があるのではないか?という実験結果も出ていて、これを”糖尿病のマグネシウム仮説”と呼びます。

それによって、血糖値が高い人はマグネシウムの摂取量を増やせば改善されるということが新たに言われるようになったのです。

糖尿病とマグネシウムの摂取量に関係性はあるのか?

海外では血糖値とマグネシウムの摂取量との関係を示す実験がある。

血糖値コントロールができない糖尿病患者にマグネシウムのサプリメントを半月~1カ月ほど与え続けると、血糖値が正常に戻ったというのです。

 

この臨床試験にはマグネシウムの摂取と糖尿病との明確な関係性を示す科学的根拠に乏しいという理由から納得しない学者もいてるみたいですが、反面、血糖値が下がったという報告は多くある。

 

マグネシウム不足が招くインスリン抵抗性

マグネシウムは体の中で半分以上は骨に沈着しています。

残りは神経細胞や筋肉などの細胞内に分布していて、細胞内で酵素の働きを助ける役割がある。

 

とりわけ、筋肉の収縮や神経伝達のほか、運動エネルギーの生産に深く関わっています。

 

糖尿病は先天的にインスリンが分泌されないか、何らかの原因で後天的にインスリンの分泌量が減少あるはいインスリン感受性が低下している状態のことを指します。

インスリンはブドウ糖をエネルギーに変換するための酵素であり、私たちの体の中で唯一血糖値を下げることができる酵素でもあります。

 

マグネシウムが不足すると、インスリンの分泌量が減少する。あるいは、インスリンの働きが悪くなるということが報告されています。

これはインスリンの分泌を促すためのエネルギー生産に支障が出ることと、マグネシウムの助けが無くなりインスリンのちからが弱くなることに起因します。

 

ところで、残念ながら日本人は欧米人に比べると、もともとインスリンの分泌能が遺伝子的に弱いとされます。

なので、ちょっとした小太りでも糖尿病になりやすい。

 

欧米人って結構太っている割には、糖尿病になってないような・・・と思うのは、そもそも遺伝子の違いがあるからなんでしょうね。

だからこそ、我々日本人に糖尿病が増えた理由としてマグネシウム不足が疑われるのではないか?と言われるのです。

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日本人のマグネシウム不足は本当か?

このグラフはマグネシウムの摂取量を示すグラフになる(緑色のグラフ)。

これによれば、実は1945年頃からの統計では、日本人のマグネシウム摂取量はさほど変化していないように見えます。

 

こうなると、先ほどの塩田廃止との関係性は?という疑問が出てきますが、食塩の摂取量そのものも実は昔からほとんど変わっていないという。

1人当たり年間で10kgくらいだそうです。

これは、1930年ころから変わっていない(戦後の一時的な食塩不足の時期は除く)。

 

これじゃあ、日本人のマグネシウム不足のレベルと糖尿病の関係性に疑問が残ると言いたくなりますね。

マグネシウムで血糖値が改善される可能性があるとしても、マグネシウムがどれだけ不足すれば糖尿病リスクが高くなるのかを示す根拠に乏しいというわけです。

 

しかし!

このマグネシウム摂取量のグラフには落とし穴があるのです。

それこそが、糖尿病リスクとの関係を示すものになります。

 

カルシウムの摂取比率が高いとマグネシウムの吸収阻害が起こりやすい!

先ほどのマグネシウムの摂取量の推移のグラフに、カルシウム摂取量も併せて掲載されている。

なんでカルシウムのグラフがあるのかというと、マグネシウムとは切っても切れない関係だからなんです。

 

実は、マグネシウムの摂取量がそんなに変化していないのに糖尿病患者が増えている理由とされるのは、マグネシウムとは相対的にカルシウムの摂取量が増えていることに注目しないといけません。

 

カルシウムは摂取量が増えるとマグネシウムの吸収阻害を引き起こしてしまいます。

なので、カルシウムとマグネシウムの摂取比率はできるだけ小さくしないといけない。

 

ところが、摂取比率の推移を見ると明らかにカルシウムの過剰摂取が起こっていることがわかる。

そうか、じゃあカルシウムの摂取量を減らせばいいのか!と思った人は間違いです。

逆です。

マグネシウムの摂取量を増やさないといけないのです。

 

そもそも、私たちのマグネシウムの摂取量は推奨摂取量の60%くらいしか摂取できていないのが現状です。

その原因とされているのが、食文化の変化(俗に言う欧米化)だという意見が主流です。

その中には、食塩の変化もあるかもしれません。

 

じゃあ、昔はなぜマグネシウムの摂取量が少なかったのか?ということに疑問がわきますが、そもそも食べる量というものが少なかったという見解もあります。

なので、カルシウムの摂取量も少なくてカルシウムとマグネシウムの摂取比率が良くも悪くも安定していたのでしょうか。

 

簡単に言えば、食べる量やモノが時代と共に変わってきているのに、マグネシウムの摂取量だけが変わっていないので、摂取量の底上げをしてあげないとヤバイよ!ということです。

そうは言っても、食品にはマグネシウムが多く含まれるものが沢山あるとしてもなかなか意識しようとしても難しいところはあります。

 

しかし、糖尿病予防のためのレシピ本もたくさん出版されていますし、そういうものを利用してみれば楽しくマグネシウムをたくさん摂れるようになるかもしれないですよ。

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