現物の図面化はどうやっているのか?

町工場
andreas160578 / Pixabay

ここ数年の日本は人手不足が叫ばれているが、”ものづくり” を支える中小零細企業でもCADデータや3Dデータを扱える人が少ないようです。

古い手書きの図面からCADデータ化することはできても、そこから三次元データにはできないとか。

 

企業ですらそんな状況ですから、個人だと手元にある現物をどうやって図面化しようかというのは深刻な悩みですよね。

図面がなければ、第三者に ”もの” を作ってもらう手段が無くなってしまいます。

 

さらに、紙媒体の図面だけでなく機械設計をしたり、設備関係のメーカーならば今や必須と言える3Dデータになると、より高度な専門知識を持ちながらも扱えるという人は中小企業に少ないのです。

こうした三次元データに限らず、二次元のデータ化というのも現物からのデータ化問題にも波及してきます。

 

目の前に現物があり、モデルチェンジさせたいとか仕様を少し変更したいと思っても、現物をデータ化できなければ設定変更を逐一紙の図面に書き換えをしないといけなくなります。

昔はそれが当たり前でしたが、それ相応に時間も労力もかかっていたでしょう。

今時、そんなことをしているような会社は少数派だと思います。

 

データがあれば、パソコン画面を見ながら手書きスケッチのイメージが実際の形に掴みやすくなりますし、三次元化すればさらにモデルの質感とかスケール感とかが視覚的にとらえやすくなります。

それに、CADデータ化することで加工NCデータを作ることがスムーズにできます。

三次元データである STLファイルを作ることができれば、3Dプリンターでプロトモデル(試作)作成が容易にできたりもします。

 

しかし、そのデータ化(図面化)ができない・・・という

 

ここでは、手元に現物がある場合、みんなどうやって図面化、データ化しているのか?ということについて紹介します。

現物から図面化する方法

あなたもポンチ絵(マンガ絵)は描けるんだけど、図面の書き方がわからないんだよなぁと困ったりしたことがないでしょうか?

この図面、いったいどうやったら作成できるのか。

その方法につて、いくつか紹介しよう。

 

ノギスやマイクロメーターで測定する

よほど大きなものでなければ、ノギスやマイクロメーターで大まかな概形を測定して図面化するという方法が一般的です。

「現物を図面化します」とホームページなどで掲げているところも、基本はこれらの測定道具を使って現物測定し、図面化します。

 

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しかし、世の中にあるものが全てノギスやマイクロメーターだけで測定できるわけではありませんよね。

曲線構造とか穴の位置が測定しきれないとか。

そういった場合には、測定装置を使います。

三次元測定器を使う

個人では購入することはないと思いますが、部品加工の会社ではこういった三次元測定器という装置を導入しているところもあります。

三次元測定器にも各種メーカーがあり、色々な大きさとタイプがあります。

三次元測定器というものが世の中に普及しだした頃は、もっともっと大掛かりな装置で1台あたりの費用も 1,000万円を軽く超えるのは当たり前でした。

 

最近では、キーエンスなどからコンパクトなタイプの測定装置がどんどんリリースされていて、個人からの部品加工を受けてくる会社の中で、そういった測定装置を持っている会社があれば測定してくれるかもしれません。

 

本来は、製造した部品が図面通りにできているか、3Dデータ通りに加工されているかを検査するために使う装置です。

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レーザー測定、CTスキャンでデータ化する

非接触式三次元測定という手法で測定するのが、レーザー測定やCTスキャンです。

 

レーザー測定では部品に光を当てて光の反射によって距離を測り、部品の形状をデータ化します。

Amazonなどで販売されている、3Dスキャナー(3Dデジタイザ)も同じような原理です。

ただし、ホビー用に販売されている3Dスキャナーのほとんどは、出力するデータが STLファイルと呼ばれるものです。

 

STLファイルは3Dプリンターにはそのまま使えますが、部品加工をするための加工NCデータへの移行はできません。

NCデータを作るためには、3Dデータならば iges や step ファイルなどに変換しないといけないのです。

なので、残念ながら自分でスキャンした STLファイルを加工業者に送っても、加工はしてもらえません。

 

 

CTスキャンは病院でもおなじみの、あのCTスキャンと同じです。

Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)という意味で、X線で部品の構造をスキャンします。

特徴としては、外側から見えないような内部の複雑な構造ですら、透過して測定できるという点です。

 

さらに、スキャンしたデータはいくつかの種類のファイル形式に変換できるので、NC加工データへの移行もスムーズです。

 

問題点としては、どこの会社でも持っている装置ではないので、たまたま持っている会社か測定専門の業者に依頼するしかないということです。

さらに、測定をお願いするだけで数万円の費用がかかったりします。

 

高けぇ・・・・

 

それでも、図面やデータが必要なんだ!という人は「部品 CTスキャン」とインターネットで検索してみてください。

いくつかの候補となる会社がヒットすると思います。

自分でデータ化するか、データ化してくれる会社に依頼するか

もう売っていないような昔の製品を復活させたいというような場合は、3Dスキャンが活躍しますが、結局は輪郭を取り込んだあとは、最終的に手作業でデータ作成していかないと仕方ありません。

 

手元にある現物と全く同じ寸法のものを、データ測定して作るのは難しい。

特に測定できないような部分があれば、もはや四苦八苦しながらでも、およその寸法を仮定・想定しながらデータ作成するしかありません。

そうやって何となくでも、とりあえず使える形にしていく。

 

とにかく図面化にコストなんてかけれないという場合は、そうやってでも自力で図面化するしかありません。

お金の代わりに時間と労力を費やしてください。

 

どうしても自分では無理!!

という人は、もう業者にお願いするしかないでしょう。

加工屋によっては、図面化をしてくれるところもありますが、図面を書くだけじゃ受けられませんというところもある。

加工も込みが条件ということですね。

 

そうすると、見積りをしてもらえるかどうかによります。

そこは聞いて周るしかないでしょう。

 

つまり、現物からの図面化はできるけど、お金がかかる。

お金をかけたくなければ、時間と労力を消費して自力で何とかするしかない。

ということです。

難しいですね~

 

だから、町工場の多くは現物支給されて、それと同じものを作ってくださいと相談されるのを嫌がるのです。

設計部門を持たない町工場は、図面化に苦労するからです。

 

 

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