抗生物質の種類と強さにランクはあるのか?

風邪などの症状があり、病院で診察を受けた後、医師から「抗生物質を出しておきますね」と言われたことがあるだろう。

処方箋をもらい、最寄の薬局で薬を受け取る。

薬局では簡単な医薬品情報(薬の説明)が書かれた紙を一緒に受け取ると思うが、この紙には「抗生物質」としか書いていなかったりする。

というか、あまり詳しい薬の種類を書いても一般の人はわからないですよね。

でも、ふと「抗生物質にはいくつか種類があるけれども、それぞれに効果の違い(作用の強さ)があるのか?」と思ったりしますよね。

医師はただ抗生物質を出しますとしか言いませんから、ちょっと気になるでしょう。

もし、強さのランクがあるのなら、自分に処方してもらった抗生物質はどのレベルなんだ?


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抗生物質に強さのランクはあるのか?

抗生物質の歴史は1928年にイギリスで発見されたペニシリンが始まりです。

ペニシリンという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これはミカンなどによく発生するアオカビが分泌する成分。

医学会では20世紀最大の発見とも言われており、個人的には遺伝子(DNA)の二重らせん構造の発見に並ぶ偉業だと思っています。

このペニシリンの発見からあと、様々な抗生物質が発見されていきます。

やがて、人工的に合成したものも登場し現在の医療の現場では広く一般的に使われるようになったのです。

抗生物質のおおまかな種類と作用

抗生物質にはいくつもの種類があり、何とか系という表現で分類されています。

例えば、マクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系とか。

この名前だけ聞いても、さっぱり分からないですよね。

大学の薬学部に通う学生もさぞかし面倒くさいことを覚えないといけないなぁと嘆いていることでしょう(笑)

頑張れ薬学生!

さて、これ以外にもニューキノロン系とか色々と種類はありますが、大きく分けて3つのグループに分類されます。

それぞれ、どのような作用で細菌を撃退するかによる分類です。

それが以下の3つです。

  • 核酸合成阻害薬
  • 細胞壁合成阻害薬
  • 蛋白合成阻害薬

あ~、なんだかややこしそう・・・と思いましたか?

大丈夫。簡単なことです。

まず、細菌の構造を超簡潔に示すと以下のような形になります。

大腸菌とかビフィズス菌とかの画像を見たことがあるかもしれませんが、細菌は細胞壁というタンパク質でできた壁に囲まれた構造をしています。

その中には、細菌が生きていくうえで必要なタンパク質やDNAが入っています。

細菌が生きていくうえで必要なタンパク質とは、細菌が活動するためのエネルギー生産をするタンパク質とか、細菌が分裂するためにDNAの複製をするのを助けるためのタンパク質とかです。

一般的に抗生物質と呼ばれている薬は、主に細胞壁を作るのを妨害する、細菌の中にあるタンパク質の合成を阻害する、核酸(DNA)の合成を阻害するという3つのポイントを攻める薬のことです。

細胞壁の合成ができないと、細菌はその形を保つことができずに死んでしまいます。

細菌の中にあるタンパク質が合成できないと、活動エネルギーを作ることができずに死んでしまいます。

核酸(DNA)が合成できないと、細胞分裂もできないので増殖ができなくなる。

こういうことですね。

じゃあ、それぞれの抗生物質で強さのランクがあるのか?という疑問についてですが、実はランクはあるようでない。

というのも、実際の医療の現場では抗生物質を細かく使い分けしている医師は少ないからです。

喉の痛み、中耳炎、目の炎症、発熱など、それぞれを総合的にみて「この抗生物質を使ってみよう」となるわけです。

あくまでも、推測でしか選択できません。

さらには、抗生物質には副作用がつきものであり、大なり小なり副作用が出るかもしれないです。

その副作用の出やすさも同じ薬であっても個人差があるので、一概にどの抗生物質がよいかとは言い切れないのです。

ただ、一般的な確率論でいうと、この症状ならこの抗生物質が第一選択というのはあります。

第一選択されるのは、飲みやすさ、効果、副作用を総合的に判断した過去の実績から決められます。

ということで、結論は抗生物質に明確な強さのランクはないということです。


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抗生物質と抗菌薬の違いとは

ちょっと余談ですが、私たちが普段「抗生物質」と呼んでいますが、抗菌薬という言葉を聞いたことがありませんか?

抗菌薬も細菌を撃退する薬のことですが、抗生物質との違いは?

まぁ、あまり実のある話ではないですが、抗生物質は細菌やカビが生産する物質。

抗菌薬は人が人工的に合成してできた薬のことを指します。

いわゆる、天然モノが抗生物質。

人工物が抗菌薬なんですね。

知ってました?

まとめ

病院に行くとよく出される抗生物質ですが、細菌感染にしか効果は発揮しません。

なので、インフルエンザなどのウイルス性の症状には無意味。

また、一般的な風邪も80%以上がウイルス性によるものなので、抗生物質はあまり意味がありません。

でも、風邪で受診したら抗生物質を出されたよ!

という人もいるかもしれませんね。

実は、これは風邪で弱った体に二次的に細菌が感染するのを防ごうという意味で出されていることが多いのです。


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