薬学部に入って大変だったこと

大学院
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1月から2月にかけて、受験生は精神的にも肉体的にも辛い日々が続きますね。

この頃になると、私も受験生だった頃を思い出します。

 

受験生当時は、大人っていいなぁなんて思ったりもしたものですが、実際、大人になってみると大変なことばかりなんですけどね(笑)

 

私は薬学部に進学し、薬剤師の道を選んだわけですが(今は薬剤師をしていません)、大学生活のイメージってどんなふうに描いていますか?

講義がない日は友達と遊んだり、夕方にはバイトをしたり、サークルに入って楽しそうだろうなと思いますよね。

 

私もそんなイメージを膨らませながら、淡いピンク色の桜が舞う中、大学の入学式に向かったのを覚えています。

4月。

真新しい服に包まれ、これから始まる大学生活を前に旨が膨らむばかり。

 

自宅には大学で行われる講義一覧が届き、自分で受ける講義を選びます。

卒業までに必要な単位をとればいい。

そういうイメージですよね。

 

しかし、私が入学した当時(今も同じだと思いますが)、薬学部は必須単位だらけです。

薬学部は大学卒業で終わりではなく、薬剤師国家試験を受け、合格しないと薬剤師免許をもらえません。

薬学部を出て、薬剤師免許を取らないことには、何のために薬学部に入学したかわからないとさえ言われます。

 

国家試験を受けるためには、大学で受講しなければならない講義がたくさんある。

90%以上は必須科目でしたね。


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薬学部は毎日、朝から夕方まで講義がある

 

まず、大学から渡される講義のリストを見ると、とにかく ”必須” が多い。

受講しなければ卒業できない=薬剤師になれない

わけです。

 

受ける講義が多いため、月曜日から金曜日まで毎日、朝9時くらいから夕方まで講義がずーっと入ります。

もう、高校生活と変わらないくらい講義ラッシュでした。

 

「今日は午前中だけだから~」とか言っている他の学部の大学生がうらやましく思えたね。

それとか、「あいつはあの講義をとってないから今日は大学に来ないよ」なんて会話もありません。

基本、全員が一様に同じ講義を受けます。

だって、必須だもの。

 

大学1年生の時は、薬学特有の専門科目だけでなく、基礎科目の受講も必須です。

数学、物理、化学など。

高校生の時に学んだことの復習みたいなものです。

 

これに加えて外国語も受講しないといけません。

私の場合、ドイツ語でした。

 

3年生くらいになると、今度は “実験” という授業があります。

白衣を着て、マウスの解剖をしたり、お茶のカテキンを抽出したり、果物からビタミンCを抽出したりと色々やります。

実験そのものは、正直楽しいかもしれませんが、面倒なのはレポートですね。

 

講義の単位取得はレポート提出と筆記試験がある

薬学部では様々な講義がありますが、講義ごとによって(正確には担当の教授によって)単位取得の条件が異なります。

 

実験の場合、ほとんどが実験レポートの提出によって単位がもらえます。

 

しかし、化学とか薬理学、環境薬学、臨床薬学など専門の講義になると筆記試験が行われました。

とにかく、みんなこの筆記試験で苦労していましたね。

私の年代は、入学した当時の1/3くらいは卒業までに留年するか退学していました。

100人入学したら、卒業時には60人くらいになっているということです。

 

ほとんどが、筆記試験で合格点を取れずに単位不足となり、進級できないのです。

 

試験前には受験勉強さながら、自宅で必死に教科書を見て勉強しました。

これが本来あるべき大学生の姿なのかもしれませんが、それまで思い描いていた世間の大学生のイメージとかけ離れていることに疲れましたね。

 

ちょっと変わった試験というか、独特で印象的だったのが漢方薬の講義と試験。

漢方は漢字で書かれていますよね。

葛根湯とか大黄甘草湯など。

 

漢方薬とは、生薬と呼ばれる薬効成分を含む植物や動物由来のものなどを幾つか混ぜ合わせたものを言います。

生薬にはそれぞれラテン名というラテン語で表記される名前があるのですが、そのラテン語も暗記させられたんです。

 

あるいは、生薬の現物を見せられて、それが何という名前の生薬か、ラテン名は何か、主な薬効は何かを口頭で答えるという試験もありました。

当時は、こんなラテン名なんか覚える必要あるんか??とさえ思いましたし、実際、薬剤師になってから私は活用していません。

 

漢方専門の薬剤師もいますので、彼らはもしかしたら使っているのかもしれませんが、詳しくはわからないですね。

と言うものの、単位取得をしないといけないので、やるしかなかった。

 

まさかの体育という講義もあった

薬学部に入って、びっくりしたのは体育の講義があったこと。

講義というか、体育です(笑)

 

大学のグラウンドに集まって、サッカーをしたりマラソンをしたり。

あるいは、テニスコートに集まってテニスをしたり。

 

ジャージは各々が適当なものを自分で用意して着ればよかった。

中には高校の頃のジャージをそのまま活用している子もいて、旨にはおもいっきり名前が書いていたので面白かったです。

 

体育の単位は出席さえすればもらえたので楽勝でしたね。

 

病院・薬局での実務研修

私が薬学部に入った頃はまだ4年制でしたので、3年生の頃だったかな?病院や薬局での実務研修がありました。

 

今は4年制と6年制があります。

今の4年制の薬学部は卒業しても薬剤師にはなれません。

目的は薬剤師になることではなく、薬学研究者になることだからです。

 

なので、4年制の場合は大学4年生を卒業後にほとんどの学生が修士課程(2年)に進みます。

修士課程を修了したら大学に残って研究者になる道を歩むか、企業の研究室への就職を目指すかなど研究者として生きていくことを考えるのです。

 

 

一方で6年制の場合、大学4年生までは同じなのですが、5年生、6年生まであり、薬局実習とか医療系の実験を行ったりし、最終的には控える薬剤師国家試験に向けた対策をしたりします。

6年制に通う学生のほとんどは、国家資格取得を目指し、薬剤師として薬局や病院、ドラッグストアに就職をしているようです。

 

このあたりが、私の頃と大きく変わりました。

私が薬学部に通っていた頃は、4年制と6年制がくっついたようなもので、薬剤師免許を取得すると同時に研究者になりたい人は、別途大学院試験を受けなければならないというものでした。

実際、私は大学を卒業し薬剤師免許も取得しましたし、大学院受験をして修士号も取得しています。

 

大変さはさほど変わらないかもしれませんが、今の学生は薬剤師免許を取得しつつ、修士号も欲しい!と思うなら、6年制を出たあとに改めて大学院受験をしないといけないので、私の頃よりも2年多く時間が必要ということになりますね。

 

いずれにしても、薬剤師になるためには病院や薬局での実務研修が必須になります。

特に今の6年制の薬学生は薬剤師になることが目的であるはずなので、この実務研修はとっても大切です。

 

実際に、薬局の中に入ってみると今までと違う景色が見えますよ。

 

人体解剖見学もあった

今、どれくらいの薬学部で人体解剖の見学を行っているのかは知りません。

しかし、私の頃はありました。

 

異状死体(原因が明らかでない感染症や不慮の事故などで亡くなられた方々のご遺体)の検案及び解剖を行う自治体の施設があり、監察医が解剖を行います。

その業務の見学があり、実際に解剖をして死因の究明をしたりする現場を間近に見るのです。

 

当然、こういった類が苦手という学生もいるので、強制ではありません。

無理な人は参加不要なのですが、私は貴重な体験をしたと思っています。

 

頭蓋骨を割り、脳を取り出す。

教科書や模型でしか見たことのなかった、人体の中の構造、配置。

また、ご遺体の死因を推測する根拠も監察医が説明してくれるので勉強になりましたね。

 

国家試験に向けた取り組みに感じるプレッシャー

薬学部を卒業したら国家試験です。

赤点をとったら追試・・・みたいなわけにはいきません。

一発勝負です。

 

合格できなければ、また来年。

そこに感じるプレッシャーはえげつないものです。

 

大学に入って、毎日毎日、朝から講義を受け、試験を受け、ようやく4年生になった。

ようやく卒業できる。

でもゴールはまだ先にある。

そんな状況です。

 

特に、薬局などに薬剤師として就職を決めていた人たちは、絶対に国家試験に合格して薬剤師免許をとらないと、就職先で薬剤師業務ができなくなってしまうので、相当ストレスがあったはずです。

へたすると、薬剤師免許がとれなかったら内定取り消しになるかもしれないですし。

 

また、現在の4年制の薬学部に進学して研究者になろう!と考えている人も多いとは思いますが、研究者の道は茨の道です。

アカデミック(大学などの研究室で研究者としてやっていくこと)を目指し、将来は教授になりたいと夢見る人もいます。

 

しかし、研究者になるためには修士課程だけでなく、博士課程にも進まないといけません。

修士号ではだれも相手をしてくれない世界です。

それに、現実は社会保険もないポスドクと呼ばれる研究員として、修行する期間もあるし、海外の研究所へ留学したりする必要も出てくるかもしれません。

 

研究は国際社会ですから、英会話の勉強も必要ですし、学術論文もすべて英語です。

専門知識とは別の見えないハードルがいっぱいあり、研究者として生きていけるのは一握りだと言ってもよいのではないかと思います。

 

 

そういった具体的なリスクとかは、高校生の頃にはあまり考えません。

単純に、薬学部に行って薬剤師になろう!薬学研究者になろう!という夢を追いかけるものですが、それ相応に覚悟は持っておいたほうがいいでしょうね。

 

その証拠に、薬学部に進学してから脱落する人が多いのです。

薬学部を目指す人は、その後の4~6年間は死に物狂いで頑張る気力を持てるように気張ってくださいね!!


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