小さいお子さんの耳掃除をしたら、何か黒い耳垢が出てきた!
これって大丈夫??
と少し心配になるお父さん・お母さんは結構いらっしゃるみたいです。
でも、黒い耳垢が出たからといって慌てることも心配も不要ですよ。
ただし、中には注意しないといけない病気が潜んでいることもありますので、ここでは、黒い耳垢が出る理由について簡単に解説します。
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心配のいらない黒い耳垢
産まれたばかりの赤ちゃんから、黒い耳垢が出てきた場合はほとんどが心配無用です。
赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるとき、羊水に混じっている赤ちゃん自身の排泄物が耳に入り込み、そのまま残っていることがあるからです。
つまり、黒い耳垢はお腹の中にいたときの ”うんち” なんです。
しばらくすると、大人と同じような黄色っぽい耳垢になります。
また、産まれたばかりでなく、乳幼児でもちょっと黒っぽい、あるいは茶色っぽい耳垢が出ることがあります。
これらについても、さほど心配することはありません。
乳幼児期は大人に比べると耳の中に分泌される皮脂が多く、耳垢に混ざって出てくると茶色っぽく見えることがあるのです。
皮脂以外にも、耳垢には外耳道のはがれ落ちた皮膚や空気中の小さなゴミが混ざっています。
2~3ヶ月以上の長期間、耳掃除をしなかったりすると、耳垢が耳の中で酸化し黒っぽく変色していきます。
なので、その時々によって多少の色の変化があるということです。
ちょっと注意したい黒い耳垢
子供の耳は耳管の長さが大人よりも短いため、鼻炎から中耳炎に波及しやすい傾向にあります。
風邪をひいたりしたあと、黒っぽい耳垢が出たら中耳炎の可能性があるので要チェックです。
耳垢の色だけでなく、中耳炎では痛みや痒み、耳から少しねっとりしたものが出てくるなどの症状もありますので、お子さんが耳をよく触るようならば、耳鼻科で診てもらっておくことをお勧めします。
また、鼻炎からの中耳炎以外にも耳垢が黒っぽくなる病気があります。
それは、真菌感染です。
真菌とはカビ仲間だと思ってもらえるとよいでしょう。
外耳道真菌症という呼び方をしますが、外耳道に真菌がなんらかの理由で感染してしまい、水虫のように痒みや赤み、痛みなどが伴います。
感染するのは、ほとんどが黒カビか白カビ。
なので、黒っぽい耳垢や白っぽい耳垢が出ることがあるのです。
足の水虫のような白癬菌は非常にまれです。
ほとんどの外耳炎は細菌感染によるものですが、10%は真菌感染によるものだと言われています。
普通なら、免疫が働いて耳にカビが生えることはありません。
でも、風邪をひいていたり免疫力の衰えがあるときには、カビも生えてしまうのです。
真菌感染のほとんどの原因は「耳の触りすぎ」です。
汚れた手で耳を触ることで感染してしまうのです。
あるいは、耳掃除のし過ぎで外耳道に小さな傷がついたりし、そこから外耳炎を起こしてしまうのです。
こちらも、耳鼻科で診察を受けてお薬を処方してもらいましょう。
子供の黒い耳垢のまとめ
黒い耳垢がどの時期の子供から出たかによっても判断が変わります。
産まれてまもない頃なら、羊水に混じった排泄物ですし、乳幼児の場合は鼻かぜをひいたりしていないかがポイントですね。
その他、細菌感染や真菌感染の可能性を疑う場合は、子供が耳をよく触ったり、痛い、痒い、あるいは耳漏があるかなども観察しよう。
耳は非常にナイーブな器官であり、自己判断で治療が遅れると後々後悔することも起こりうるので、早めに耳鼻科で診てもらうことをおススメします。
※番外編※大人の黒っぽい耳垢
大人の場合、黒色の耳垢が出たらよく観察しましょう。
耳に傷があり、出血して血が固まって出てきたものではないか?
最近、耳が痒いとか、耳が痛いという症状がないか?
特に、何の症状もないという場合、前回の耳掃除から時間が経っていないか?
ということも考えましょう。
特に、高齢者の場合は長期間、耳垢をためた状態にすることで黒っぽい耳垢が出ることもあります。
耳垢には、大きく湿ったタイプ(湿性耳垢)と乾燥したタイプ(乾性耳垢)の2種類があり、体質によって異なります。
日本人は乾燥した耳垢の人が多いようですが、一時的なストレス負荷や外気湿度が高いところに長くいたりすると湿った耳垢が出ることもあります。
特に、強いストレスがかかると、耳の穴にあるアポクリン汗腺から皮脂を多く含んだネバネバした汗をかきます。
アポクリン汗腺からの分泌物は酸化されやすく、黒っぽく変色しやすいのです。
最近、疲れがひどいなぁ・・・という人は黒っぽい耳垢が出るかもしれませんよ。
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