乳がんによる死亡リスクを減らす!?新薬開発のための発見

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女性では、40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんの死亡が多くを占めることが国立がん研究センターの調査で報告されるように、女性特有のがんに罹患するリスクがある。

2016年度では女性だけで年間15万人以上の方が亡くなっているのです。

とりわけ、乳がんによる死亡リスクは最初の診断・治療を受けた後の再発が主な原因です。

この再発は、休眠中の腫瘍細胞の転移の発生によって起こるのですが、何故、がん細胞が長期にわたって休眠していられるのかということが解明されていませんでした。

しかし、最近の学術論文では乳がんの細胞が休眠する仕組みについて報告すると同時に、乳がんによる死亡リスクを減らすための新薬開発についても示唆しています。

Laura Vera-Ramirez. et al. Autophagy promotes the survival of dormant breast cancer cells and metastatic tumour recurrence. Nature Communicationsvolume 9, Article number: 1944 (2018)

30~50代は家族の問題や仕事の問題など公私共々大きな役割を果たしている女性が多い。

小さい子供がいたり、仕事では需要なポジションを任されていたり。

そのような女性に突然襲い掛かる ”乳がん” という魔物は、多くの方を悲しませ苦労させている。

しかし、もしもこの論文が示唆するように、新薬開発にこぎつけたならば世の女性達にとって明るいニュースとなることは間違いないだろう。


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乳がんの再発が起こる仕組み

乳がんと診断され治療の後、一定の期間が過ぎた頃に再発。

これが乳がんの死亡リスクの最大の原因ですが、何故、一定の期間のあいだは乳がんの再発を起こすことなくがん細胞が体の中で生き続けることができるかについての仕組みは分かっていませんでした。

がんの再発は、最初のがん治療の後に再び新たながん細胞が現れるということではなく、最初の治療で生き延びたがん細胞がしばらく休眠状態で潜伏していたが、一定期間の後に再び暴れ出すということがほとんどです。

この論文では転移した乳がん細胞が転移先の臓器で休止状態で生き残ることができる仕組みをオートファジーと呼ばれる細胞の生命活動によるものであることを明らかにしているのです。

オートファジーとは

オートファジーとは使い古された細胞成分の一部を細胞自らが細胞内で分解し、再利用できる成分と置き換えることによって細胞を自己修復する基本的な機構のことです。

他にも、外から細胞内に入って来た病原微生物の排除にもこのオートファジーが働いています。

オートファジーを抑制すれば転移がん細胞は増殖しなくなる

今回、Kent Hunterたちの研究グループは、他臓器に転移した乳がん細胞が休止状態で生き残ることができる理由をオートファジーにあるとしました。

Hunterたちは、転移して休眠状態にある乳がん細胞におけるオートファジーが遺伝的操作や阻害薬によって阻害されると、乳がん細胞の生存が妨げられ、播種先の臓器で腫瘍の増殖が抑制されることを示しました。

このことからHunterたちは、オートファジーの選択的阻害には乳がんの再発を防止する治療に有効性があるという考えを示しています。

問題はオートファジーという細胞機構はがん細胞だけでなく正常な細胞でも起こっていることなので、がん細胞選択的に薬剤投入をできるかどうかが問題となる。

これはどんな抗がん剤でも共通していることですが、その問題が残るために抗がん剤治療ではひどい副作用と戦わなくてはならないのです。


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乳がんの原因と予防

乳がんは女性ホルモンの影響が強い病気ですが、様々な原因となり得る事項が示唆されています。

  • 食生活の問題
  • 妊娠期間や閉経など女性ホルモンに関わる問題
  • 遺伝的問題
  • 飲酒や喫煙などの生活問題

これらのうち、一部の問題は乳がんに限ったことではありません。

脂質過剰の食生活では大腸がんなどのリスクも増大させますし、他にも血管系の病気のリスクも増大させます。

飲酒と喫煙も乳がんだけでなく肺がんや肝臓がんなどのリスクを大きくするということは、いくつもの研究によってほぼ確定です。

遺伝的な問題は抗いようがなく、一部ではがん細胞の増殖を助長する遺伝子を持っている人もいますが、今後の遺伝子治療に期待するしか今はありません。

乳がんや子宮がんなどの女性特有のがんの場合、やはり女性ホルモンの影響が一番大きい。

例えば、子供を産む回数が多い人よりも少ない人の方が統計的には乳がん、子宮がんになりやすいことが分かっています。

これは未婚女性が既婚女性に比べて乳がんの罹患リスクが3倍以上であることの一部理由となっています。

また、閉経など女性ホルモンのバランスが崩れやすい時にはがんだけでなく、骨粗しょう症や更年期障害などに罹患しやすくなるので対策が必要です。

対策の1つとして有効とされるのがエクオールや大豆イソフラボンなどの女性ホルモン様の効果を表す成分を取り入れることが挙げられる。

これらは、体の中にある女性ホルモンと拮抗するものの、乳がんなどのリスクを増大させないだけでなく、女性ホルモンが少なくなることで起こる骨粗しょう症や更年期障害の症状を軽減してくれるという嬉しい効果を持っているのです。

効果が実証されていないという意見もあるが、追跡調査などによって因果関係を示す論文もありますので、利用しないよりはマシという考え方もあるかもしれません。

乳がんにならないために

乳がんは比較的早期発見がしやすい病気でもあります。

転移したがん細胞の増殖を阻害し、死亡リスクを抑える新薬の開発が進む可能性は年々高くなっていくでしょうけれども、40代にさしかかる頃には定期的に検診を受けておくことをやっぱりおススメしたい。

乳がんにならないためにも、食生活などには少しでもよいので気を付けてみるのはもちろんですが、それが必ずしも結果として乳がん予防になるとは言い切れません。

その時には、やはり今回のような治療に関わる研究結果は大変ありがたいものですよね。

もしもあなたが乳がんになった時には、この研究結果が良い方向に活かされていることを切望します。

あなたの身体はあなた一人のものではありません。

家族や友人などあなたに関わる人を悲しませないためにも検診をお忘れなく。


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