人に流されて「自分を持てない」と言うよりも考えるべきこと

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「KYな人」=その場の空気を読めない人

これを悪い意味で使うことが大好きな日本人ですが、それだけ日本人は周りの意見や環境に合わせて自分を意見を過度に主張しない謙遜した民族だとあたかも”正当性”があるかのように後付けで説明(言い訳)します。

一方で、例えば仕事やサークルなどで何かを決めなければならないような重要な会議などで、自発的な意見を言えない人や他人の意見に心から賛同はしないものの”何となく”同調して表面的に賛成してしまうという人もいる。

そんな人たちはきまって「自分を持てない」という悩みを少なからず持っているようです。

つまり、KYが悪であるとする先入観とも呼べる思考が時に自分を苦しめているということですね。

でも、実は人間の本能的な行動において、人は周りの環境に流されやすい生き物なので決して「自分を持てない」と悲観的になる必要はないようです。

それは、行動経済学の視点からも様々な実験を元に証明されています。

ここでは、周りに流されてしまうと悩む人こそが知っておくべき原理を紹介します。


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あなたが人に流される理由「ソーシャルプルーフ」

Social Proof(ソーシャルプルーフ)という言葉に馴染みがある人は少ないと思いますが、日本語で書くならば「社会的な証明」となるでしょう。

実は、あなたが人に流されるという現象はこのソーシャルプルーフが大きく関与していることがほとんどであるということです。

ソーシャルプルーフこそが人に流される理由なのです。

ソーシャルプルーフとは「みんながやっているということは正しいことだ」、「みんながやっているから、自分がやっても妥当性が証明される」という思考のこと。

他の人はどうしているんだろう?とか自分は他人からどう見られている(思われている)んだろう?と考えること、動くことは動物の本能的な思考なので、何をどう足掻こうと避けられないのです。

そもそも、私たちは自分の行動に正当性を求めます。

日本の戦国時代、群雄割拠していた武将たちが領地を広げるために日々戦っていた時代もそれぞれの武将が何かしらの「大儀名分」という最もらしい「理由(正当性)」を掲げていたからです。

全国統一をして天下安寧をという理由

領土を広げて、国民に豊かな暮らしをという理由

その他色々とあったに違いありません。

それを、全国の武将たちがみんなやっていたから戦国乱世があったのです。

時代を経て、現在の多くの国は「戦争(争い)は良くない」という考えを持っているため、限られた地域でしか戦争は起こっていませんが、これもまたソーシャルプルーフと考えることができます。

もし、日本が今更領土を広げて資源を確保するために他国を侵略したとしたら、きっと国際的に潰されてしまうでしょう。

「群衆効果」暴動は何故起こるのか

ソーシャルプルーフに関連する言葉として、群衆効果というものもあります。

いわゆる「赤信号みんなで渡れば怖くない」的なことですね。

地震や洪水などの天災が起こって街が壊滅的な被害を受けた時、よく海外では民衆が暴徒化する様子が報道されるのを観ますが、これも群衆効果の1つ。

彼らは普段からショッピングセンターのショウウィンドウを破壊したりする人ではなく、いつもは優しい普通の人たちなんです。

でも、窮地に陥っている状況(環境)下で、一握りの悪い人が粗悪な行動を起こしたとします。

自分も同じように行動しないと、食べるものも飲むものも奪い去られて死んでしまうかもしれない。ならば、今だけは許されるだろう。

そんな思考と行動が連鎖を起こすのが群衆効果です。

日本では暴徒化しないということが度々世界的称賛を受けますが、これもまた社会的(国家的)環境が大きな影響を与えていることは間違いないと思われます。

日本は他の新興国と比べても、震災が起こった時でも比較的迅速に支援物資や救援が到達します。それゆえ、暴徒化する大儀名分(妥当性)がないのです。

人は何らかの妥当性がなければ行動に起こしにくい生き物であり、悪いことはできないというソーシャルプルーフが行動阻止をしています。

つまり、人に流されるということは良い意味でも悪い意味でも妥当性がなければ流されないということです。

ソーシャルプルーフのビジネス活用

人に流されるという「ソーシャルプルーフ」はビジネスの世界で効果的に利用している場面が多々あります。

人の心理的行動を利用しているわけですね。

例えば、インターネットで何かを買う時に商品レビューを見たことがあるはずです。

これもまた、他の人の意見がどうかということを見せることで、その商品を買う妥当性を与えています。あるいは具体的な数字を示して多くの愛用者がいると見せるのも1つの手法ですね。

他にも、有名が芸能人が愛用していると広告を出せば「あの人が使っているなら間違いない」という妥当性が生まれます。

これらは、プラスのイメージを提示することによるソーシャルプルーフの活用ですが、逆に一見マイナスのイメージを与えているかのように思えて、実はプラスの行動を駆り立てる活用法も中にはあります。

具体例として、テレビショッピングやラジオショッピングなどでよく聞く「今すぐお電話ください。24時間オペレーターが受け付けております」というフレーズ。

これは良くも悪くも印象が薄いですが

「お電話が繋がらない場合は、おかけなおし下さい」

と言われると合理的に考えれば「何だよ!電話繋がらないのかよ!」という印象を与えるはずですが、逆に何だか多くの人がひっきりなしに電話をかけているようなイメージが浮かびませんか?

これこそが、ソーシャルプルーフの活用です。

他の多くの人が電話をかけるほどの商品ならば、きっと購入する価値があるものに違いないという妥当性を消費者に与える戦略なんですね。

インターネットが世界中で繋がっている現在、ビジネスにおいてソーシャルプルーフをうまく活用できれば絶大な効果を得ることができます。

世界は人の先入観によって決められ、感情によって動きます。

大多数の人の感情が一致すれば、大きな波が起こるということです。


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不合理の同調と傾向

人に流されるということは、みんながやっているから、言っているからそれが正しいのかも・・・ということです。

でも、必ずしもみんながやっていること、言っていることが心の底から正しいと自分は思えないという場面だってあるはずです。

でも、何故か周囲に同調してしまう(せざるをえない)。

これを不合理の同調と呼びます。

例えば、A、BとCの3種類の大きさの丸が紙に書かれていて、どの丸が一番大きいかという質問を複数人いるグループのメンバーひとりひとりに質問した時、10人中9人がAと答えたならば残りの1人もAと答える確率は果てしなく高くなります。

たとえ確実にBの丸が最も大きいとしてもです。

おかしいなぁと戸惑いながらもBと答えるでしょう。

これは周囲への同調が働いているということ。

自分だけ違うことは言えないという反応が起こる。

これが不合理の同調(納得いかないけど賛成してしまう)。

とりわけ、質問内容が難しくなればなるほどこの反応は顕著であるとされます。

多くの人は、これと同じような状況において「人に流される」と感じてしまうようなのです。

ところが、1人でも自分と同じように周囲と違う意見を言う人が現れた場合、多勢に無勢であろうとも反対意見を言いやすくなるのも事実であり、面白いところです。

ちなみに、不合理の同調が最も起きやすいのはグループの人数が12人の時だそうです。

必ずしも多勢が正しいというわけではない

世の中には不合理の同調はおそらくあちこちに発生しているはずです。

私たちが正しいと思い込んでいることさえも、もしかすると間違っていることなのかもしれないのです。

でも、やっぱりソーシャルプルーフが働き周囲に同調してしまうし、不合理の同調だって起こる。

しかし、いつの時代も社会に変化をもたらしてきたのは、私たち人間の合理的思考を客観的に俯瞰(ふかん)できる人たちが、あえて反対意見を言ったり、逆賊になったりするからだとも言えます。

もしも、自分自身が人に流されてしまうと感じる場面があったとしても、それは本能的なものであって仕方のないことだと割り切る心も大事でしょう。

その上で、どうしても自分の意見に正当性があると信じる場合は、そこに必ず合理的な理由を提示できないと周囲を説得することは難しいかもしれません。

時に、精神論や循環論によって屁理屈的な訴えで終わる人もいるようですが、それでは人心掌握が難しいと心得たいところです。


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