終末期ガンの免疫療法に使用するニボルマブの評価 in イギリス

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高齢化社会の中で、これからも癌患者の数が大幅に減ることはないだろう。

そんな中で、癌治療においては特に痛みのケア、心のケアなどの終末期ケアに視線が注がれます。

先日2017年6月23日には、市川海老蔵さんの妻、小林麻央さんが乳がんのため34歳の若さで他界されたことが、日本中に大きな波紋をもたらしました。

彼女の闘病の様子は度々報道されていたこともありますし、同年代としてはすごく心に大きな悲しみを感じると共に、もしも自分の妻が同じ状況なら・・・と考えることもあります。

昨今では、医療の世界で癌治療に使用される薬も進歩してきました。

放射線治療・化学療法に加えて免疫療法もあります。

ニボルマブはモノクローナル抗体とよばれるもので、免疫療法に使用される薬として開発されたものです。

「モノクローナル」というのは、特定のものを標的とするという意味を持ち、ニボルマブは癌細胞に特異的に攻撃をする薬ということになるのです。

癌細胞は正常な細胞と比べて、その増殖スピードは速い。

その特性を利用し、化学療法で使用される抗がん剤は細胞増殖スピードが速い細胞を標的にしているので、癌細胞以外の細胞にもダメージを与えてしまいます。

これが副作用の原因。

アメリカでは、ニボルマブを使用した癌治療は、化学療法よりも患者にとっては親切であると表現しています。

その根拠は、免疫療法で治療された患者では、生活の質が大幅に改善され、痛みや食欲不振などの副作用がより少なくなったというデータがあるからです。

日本では2014年に小野薬品からニボルマブが販売されています。

すごく理想的にも思えるこのニボルマブですが、イギリスの国営医療サービス事業である国民保険サービス(NHS)ではその評価が違うようです。

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イギリスの国民保険サービス(NHS)はニボルマブへの資金援助を拒絶

がんとの戦いで新たな時代を築くとして歓迎されたこの薬「ニボルマブ」は、4月のNHS資金援助では拒絶されました。

何故、資金援助が拒絶されたのでしょう。

免疫療法は、致命的な癌に対しては非常に有効であることがすでに証明されており、終末患者の生活を最大5年まで延長することができます。

それは身体の免疫系を再活性化することによって働くので、癌細胞を特異的に攻撃することができるからです。

対照的に、化学療法は増殖スピードの速い細胞を標的とするため、健康な細胞さえもダメージを受けてしまうので重篤な副作用が懸念されます。

イギリスのロンドンの癌研究所(Institute of Cancer Research)(ICR)では、特に治療が困難な頭頸部癌患者129人が抗がん剤治療の試験に参加しました。

その中には化学療法を受けた者もいれば、2週間ごとにドリップで投与される一種の免疫療法であるニボルマブを受けた者もいます。

両群とも治療開始から9週間および15週間でその効果が評価されます。

その結果、ニボルマブの治療を受けた群では痛みが有意に少なく、疲労、吐き気、および体重減少の影響をほとんど受けませんでした。

化学療法の患者の16%と比較して、ニボルマブの治療を受けた方は約36%が1年長く生存していたのです。

ニボルマブの治療を受けた終末患者は病気がありながらも、可能な限り人生最後の月を楽しむことができたと評価されたことは、科学雑誌の Lancet Oncology に掲載されて大きな反響がありました。

この成果にもかかわらず、イギリスのニース医師は5,300ポンド(約70万円)を必要とするニボルマブの治療に対して費用効果がないと判断したのです。

薬剤価格の高さが治療に対する懸念の1つであると示されたわけで、イギリスのNHSがニボルマブへの資金援助を拒否したのも経済的負担が大きいと判断されたからですね。

今後は米国メーカーのBristol-Myers Squibbと安価な価格交渉をすることを希望している医療機関は多いようです。

癌治療における免疫療法の今後と期待

イギリスのロンドンの癌研究所 ICR のロイヤル・マーズデン病院のリード・リサーチのケヴィン・ハリントン教授は、こう述べています。

私たちの研究によれば、頭頸部がんの患者にとっては、ニボルマブは本当に癌治療を変える方法です。生存期間を延長するだけでなく、苦痛を軽減された時間を患者に提供することができ、余生を有意義にすることが示されました。

免疫療法を最初に当院で行う時には、副作用などによってうまくいかないという懸念がスタッフ全員にありました。

しかし、わずか2〜3年後には副作用の管理が非常にうまくなり、ニボルマブの効果が最も高い患者を選択し提案できるようになります。

全ての癌にニボルマブが利用され、効果があるというわけではありません。

元々が悪性黒色腫(メラノーマ)と呼ばれる皮膚がんの治療を目的に開発されたものです。

しかし、ニボルマブが適用できる患者においては、生命を拡張するだけでなく、患者の生活に及ぼす病気の影響を最小限に抑えることができるがん治療の創出だと言えます。

イギリスでは、この薬がすぐにでも NHS で使用承認されることを願ってる医療関係者は多い。

免疫療法は比較的新しい治療法で、医師は6〜7年前にからしか使用されていません。

最適な治療法がなく、すでに治療が困難な癌の形態には大きな期待が寄せられていますし、 数ヶ月しか残っていないと言われた一部の皮膚がん患者の中には、ニボルマブによって腫瘍が縮小した後、仕事に戻って正常な生活を再開した人さえもいます。

ニボルマブは今後、癌治療の世界において大きく注目を浴び続けるだろう。

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