溶接を含む部品加工依頼で注意しておくべきポイント

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こんにちは!

以前、オリジナルカーポートのフレームを作りたいという御相談をうけた Akimaru です。

一応、見積もり回答はしましたがご依頼主からは何の返答もないままになっています。

市販のカーポートってそこそこの価格がしますが、町工場に作らせたら激安ちゃうか?とでも思ったのでしょうか。

提出した見積もり金額は、単品部品加工の観点からすれば安いかなぁと思うレベルだったんですけどねぇ・・・

ここでも、一般の方と町工場の人間との埋めようの無い認識の溝を痛感しました。

さて、このカーポートのフレームもしかり、色々な部品加工の中には溶接を必要とするものが沢山あります。

溶接とは、別々の金属どうしをくっつける工法であり、意識していないだけで実は街中を見渡せば溶接しているものはすぐ見つかるはず。

個人依頼の場合、案外溶接指示される方って少ないんです。

そもそも、部品加工の内容に「溶接」っていう選択肢がないのかな??って思うくらいに少ない。

弊社にくる依頼の場合はね。

金属の塊を沢山削って削って作り上げないといけないものは、溶接で金属パーツをくっつけた方が早いこともある。

なので、可能であれば溶接を選ぶべきでしょう。

でも、溶接をしてもらう時には特別注意が必要ですよ。

素人さんは特に、何も考えずに「溶接でお願いします」なんて町工場に言うと、ため息をつかれるケースもあるので。。。。

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溶接は母材を溶かしてくっつける

よく勘違いされているかもしれないと思うことは、溶接の仕組みです。

溶接方法は代表的なものだけでも、アーク溶接、スポット溶接、シーム溶接、鍛接、ガス溶接、レーザー溶接などがある。

私達がイメージしやすい火花を散らしてバチバチしているのはアーク溶接やスポット溶接が多いです。

単に「溶接」という指示がある場合は、このどちらかを指すことがほとんど。

ただ、金属どうしの溶接の場合、共通しているのは母材(くっつける材料)と溶接棒(溶加材)を溶かして一体化させるという仕組みを利用しているということです。

多くの素人さんは、木工用ボンドで木材をくっつけるかのように、ボンドの代わりに溶接棒を溶かしてくっつけていると思っているらしい。

溶接は、溶接棒だけじゃなくて母材も溶けているんですよってことを覚えておきましょう。

何故、こんなことを書いたのかというと、以前に面白い無理難題のご依頼があったからです。

厚さ0.2mmの鉄板と丸棒材をアーク溶接でくっつけてほしいというもの。

お分かりですか?この問題点。

そう、賢いあなたならすぐ「無理やん!」って気付いたでしょう。

0.2mmの鉄板なんかをアーク溶接したら、溶けて穴が空いてしまいますよ。

こういう、薄い板を溶接する場合は薄板レーザー溶接という別の手法があります。

繰り返しますが、溶接は母材も溶ける。

これだけは覚えておこう。

溶接時に起こる歪み(ひずみ)の問題は想定するべし!

部品加工における溶接時に私達が最も懸念することは金属の歪み(ひずみ)です。

金属は素材として製造される過程で様々な外部応力を受けます。

熱を加えたり、引き延ばしたり、切断したり・・・

そうして加えられた外部からの力は金属内部に「残留応力」として残るのです。

イメージとしては、製鉄される過程で外部応力を受けた金属を構成する素子が「俺はこっちに行きたい!」「いやいや、俺はこっちに行きたい!」という引っ張り合いをします。

それぞれの引っ張る力が均衡をとれた状態で金属として形をつくるわけですが、見かけ上と異なり、内部では引っ張り合いをしている状態です。

これらの力が「残留応力」です。

ところが、金属に熱を加えたり、削ったり、叩いたりしていると金属が変形・膨張したりしますよね。

この新たな外部応力によって、それまで均衡が取れていた残留応力は均衡を崩します。

均衡が崩れる=金属に歪みが生じる

ということです。

ここで、溶接の話に戻しますと、溶接は金属を溶かしてくっつけるということでしたよね。

金属を溶かすということは、それだけ溶接部位は高温になるということ。

なので、歪むのです。

歪むってどれくらい歪むの?という質問をよく受けますが、ぶっちゃけ分かりません。

やってみないと分からない世界です。

同じ種類の金属でも、製造ロットによって残留応力はバラバラです。

金属板を溶接したら、ある時は1mm湾曲したと思ったら、ある時は3mm湾曲することも。

なので、溶接してくっつけるだけという依頼をする場合は、予め歪みのことを念頭に入れておくようにしてください。

溶接で起こった歪みの修正方法

じゃあ、溶接で歪んだ場合は仕方ないと諦めるしかないのでしょうか?

厳密には諦めるしかないのですが、部品形状によっては歪んだ金属をプレス機やベンダー機で少し力を加えて曲げ戻す方法もあります。

(100%歪みの無い状態にするのは無理です)

溶接後に切削加工などを入れる場合は、予め大きめのパーツで溶接し、歪みもろとも削って形を整えるという方法もあり、こちらは一般的な手法です。

ただし、金属を刃物で削る時にも切削応力はかかりますので、あまり大幅に切削しないといけない場合は新たな歪みが生じることもあるので注意が必要です。

まぁ、難しいことは置いておいて加工屋さんに相談してみてください。

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