部品加工依頼で使用したいアルミの種類と選び方と表面処理

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軽くてほとんど錆びることのないアルミニウムは、様々なところで活用されていますね。

私の会社にも個人で見積もり依頼などの問い合わせが来た時には、アルミで作ってくださいって言われることが多いです。

でも、アルミって種類がいっぱいあるのです。

どのアルミを使うかは、その用途によって使い分けしますし中には入手が難しいもの、高価なものもあります。

また、アルミは切削して終わりという場合と、表面処理までする場合もあります。

表面処理をする意味も知っておくと便利です。

専門サイトなどには、すごく詳しく書かれていますけれど素人目線からすると理解が難しい用語が出てきたりもしますので、結構読むのに疲れたりもすると思います。

ここでは、できるだけ簡略にこれだけ知っておけばいいよ!ってことを書いています。

町工場の人だって、全ての人が専門家ではないので逆に「分りません」と言われることもあるかもしれません(-_-;)

町工場に依頼する時に、材質を「アルミ」ではなく「○○という種類のアルミ」って指定できるとスマートですね!

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アルミの種類と特徴

アルミ(アルミニウム)は学校で元素記号Alとして習いましたが、実際に私たちがアルミと言って使う物は純粋なアルミではありません。

いくらかの不純物が必ず含まれており、正確にはアルミニウム合金です。

あえて、添加物を混ぜることでアルミニウム合金の性質に差が生まれ、用途分けできるようになります。

基本的な表記は「A○○○○」で○のところは数字が入ります。

この数字によって、どの種類のアルミニウム合金かが区別できます。

「A」は Alminium の頭文字です。

1000系アルミニウム(純アルミニウム系)

代表的なものはA1100やA1060など。

純度が99%以上のアルミニウム合金です。

鉄やシリコンなどの不純物が微量に含まれるが、アルミニウムの純度が高く強度はかなり弱いので構造材には適していません。

用途はアルミ箔や反射板、熱伝導装置、日用品、電気機器などが多いですね。

アルミニウムの色がくすむ理由は含まれる不純物(鉄Feやケイ素Si)ですが、1000番系のアルミにはこういった不純物が少ないため、表面処理をした時の光沢が出しやすい。

また、耐食性や加工性は非常に優れています。

純アルミの電気伝導性は銅の60%程度ですが、重量が銅の約半分なので送電線や配電線として適しています。

2000系アルミニウム(アルミー銅系)

A2017、A2024などがあり、別名ジュラルミン、超ジュラルミンと呼ばれ、熱処理をして作られます。

銅を添加することで鋼に匹敵するほどの強度を持つが、そのために耐食性が低下しているので必要に応じて防食処理を施さないと使えない場合がある。

航空機用材料としても利用されるが、その場合は表面に純アルミを合わせて圧延することで防食性を兼ね備えた材料にしています。

ただ、溶接に弱いという欠点もあるので、つなぎ合わせはリベットを使用することもある。

切削性は良好です。

3000系アルミニウム(アルミーマンガン系)

アルミニウムにマンガンを添加した合金。

A3003、A3005など。

マンガンを添加することで、純アルミの加工性と耐食性を維持したまま強度を少し増加させたものになります。

用途として、屋根材や容器など幅広く使用されますし、さらにマンガンの含有量を1%程度増やせば強度がもう少し向上されます。

4000系アルミニウム(アルミーシリコン系)

シリコンを添加することで、耐摩耗と摩擦熱による熱膨張を抑えることが可能となったアルミニウム合金。

A4032、A4043など。

シリコンの他、銅、ニッケル、マグネシウムも添加されており、主に鍛造ピストンや建築パネルに使用される。

5000系アルミニウム(アルミーマンガン系)

最もスタンダードなアルミニウム合金で、何も指定がなければこの種類を選択します。

A5052、A5083が多い。

マグネシウムを多く添加することで、耐食性が大きくアップします。

なので、海水にも強いA5083は船舶や車両に溶接構造材として使用されます。

バイク部品などの場合は、この5000系のアルミニウム合金で十分でしょう。

ただし、高温になる所で使用する場合はあまり向きません

冷間加工という方法により製造されるのですが、これを高温下で使用し続けると、応力によって腐食割れを起こすことがあるからです。

6000系アルミニウム(アルミーマグネシウムーシリコン系)

アルミニウムにマグネシウムとシリコンが同一の割合で添加された合金で、熱処理をして作られます。

A6061など。

建築用のアルミサッシなどの構造用材に多用される通り、押し出し成型に優れた性能を持っており、耐食性と十分な強度を併せ持ちます。

7000系アルミニウム(アルミー亜鉛ーマンガン系)

アルミに亜鉛とマンガンを加え、熱処理をすることで鋼に匹敵し、アルミニウム合金の中で最も強度の強い合金になります。

さらに強度を高めるために銅を添加したものが最高強度です(A7075など)。

航空機部品や野球の金属バットにも利用されますが、製造工程にある熱処理が不十分な粗悪材を使用すると、5000系アルミニウムと同じように、応力による腐食割れが生じることがあるので注意しないといけません。

一般的なアルミニウム加工専門業者はこの7000系の加工を嫌う傾向があるようです。

それぞれの、価格も業者によってバラバラです。

高価なものから、安価なものまでありますので、ひとまずは見積もり依頼をしてみるのもよいですし、私に仕上がりの寸法や図面をメールで送って頂ければ、材料の見積もりだけでも無料で返答いたします。(中には見積もりを取るのに時間がかかる場合もありますのでご了承ください)

メールでの問い合わせは akimaru@anm7242.net に pdfファイルや cadデータなどを添付するか、材質(例. A5052)と大きさ(例. 50mm x 50mm x 50mm、直径30mm x 20mm)を書いてお送りください。

アルミニウムの表面処理(アルマイト)

アルミニウムは反応性が非常に高い金属であるため、空気中の酸素と反応し、酸化アルミニウム被膜(約0.02mm)を形成します。

アルミニウムが錆びないと思われているのは、この被膜形成により保護されるためです。

しかし、実際は酸化反応を受けているので錆びているということになります。

また、自然にできた酸化被膜は非常に薄いため、環境によっては浸食されてしまいますので通常はアルマイト処理という表面処理を行って表面を保護しています。

アルマイト処理はわざとアルミニウム合金の表面に酸化被膜を形成する技術で、アルミの表面に超微多孔性の酸化被膜を作るのですが、メッキや塗装と違うのはアルミの表面から上に成長被膜を作ると同時に、内部にも下へ浸透被膜を同じだけ作ります。

almite

被膜の厚みは10μm程度です。

(※1μm=0.01mm)

アルマイト処理がメッキや塗装と大きく違うのは、浸透被膜を作ってしまうということであり、メッキや塗装は剥離してから再びやり直しができますが、アルマイトの場合は、やり直す時には浸透した部分も除去しないといけないので少し痩せてしまいます。

また、酸化被膜には処理工程で超微孔(直径10nm程度)ができます。

(※1nm=0.001μm=0.000001mm)

この孔は無数にできるのですが、ここにカラー染料を染み込ませて孔の口を水和物の膜で蓋をすると着色することができます。

これをカラーアルマイトと呼び、赤、青、黄など色々あります。

何も染色せずに、アルミの地の色のままにしておく場合は白アルマイト、俗に「白あげ」と呼びます。

白アルマイトやカラーアルマイトの他にも、酸化被膜の目を細かくするように特殊な処理をする硬質アルマイト、スーパーハードアルマイトという処理もあります。

硬質アルマイト処理をかけることで、アルミの表面硬度が鋼の硬度よりも高くなり、より耐摩耗性が上昇します。

専門的にはHRC40~45程度の硬さ(鉄を焼入れした硬さに匹敵します)。

さらに、スーパーハードアルマイト処理でHRC45以上にも上がります。

とりあえずは、アルミの表面処理にはアルマイト処理っていうのがあるんだよって知っておけば、あとは加工屋さんにアルマイト処理お願いしますって伝えれば大丈夫でしょう。

もしも、アルマイトって何??って逆に聞かれたら、別の加工屋さんに変更したほうがいいと思います(笑)

アルミの材質の選び方と表面処理のまとめ

アルミの材質の選別は、正直専門家でもどれが最適かは試してみないとわからないところです。

どの材質も全部同じ値段で購入でき、同じ値段で加工できるなら迷いも少ないのですけれど、加工性も違えば材料の価格も違います。

なので、費用も加味しながら「これでやってみるか!」って具合になるでしょう。

その時に、ある程度「これ」って選べるくらいになっておけばよいと思います。

また、表面処理をするべきか、しなくても良いかは使用する用途で考えます。

バイク部品のように雨ざらしになる環境で使うなら、当然のことながらアルマイトはしておくべきです。

そうでなければ、早期に雨と雨に含まれる化学成分によって腐食を受けます。

すぐさまボロボロになるわけではないのですが、部品寿命は短くなります。

その辺りも、加工屋さんに問い合わせをするかアルマイト屋に直接相談してみてください。

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