個人依頼の部品加工の中で最も町工場に敬遠されるのは既製品の修正

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個人が町工場へ金属加工の依頼をしたいなぁと思うパターンの多くは、現在、個人が持っている既製品の修正加工だったりする。

例えば、バイクのホイールの幅を狭くして欲しいとか、望遠鏡の鏡筒を少し短くしてほしいとか。

お持ちの製品が高額なものだってある。

それに手出しをしたくないのも、万が一の時の責任がとりきれないという懸念からおこる当然の心理であることを察してもらいたいのが町工場の心情だ。

金属の加工にも色々と種類はあるし、ノウハウも異なるのだが金属加工に触れない方にとってはひっくるめて同じ金属加工のように思ってしまうのでしょうか。

あなたはどのような認識をお持ちですか?

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個人の金属加工依頼のパターン

自分で図面を描いて、組図も描いて・・・・そんな大層なことをされる個人客に私はまだ出会ったことはありませんが、何かの補助的に使いたい金属部品だったり、バイクのオリジナルパーツだったりを手書きでおおよその形を描いて持ってこられる方はいらっしゃいます。

できれば、ちゃんとした図面が欲しいところですが仕方ないです。

この場合は、材料の選択と形状の確認、精度の確認などをした後で実際に材料調達・加工をしてから納品という形になる。

いわば、通常の金属部品加工の受注と同じだ。

ところが、既製品に追加修正加工をして欲しいというケースが半数以上は占めるのではないかと思うくらいに多い。

そういった既製品の多くは削りたい部品に付属の何かがくっついていたりして困ることも多い。

あたかも彫刻刀でシュシュッと削れるかのような認識をお持ちの方がいらっしゃったことがいますが、これには驚きです。

「付属のパーツの部分を避けて、シュッと削ってもらったらいいんで」

そう言われたこともある。

どうやったら金属を片手に持ってシュシュッとキレイに削れるんですか?

一体、何で金属を削るつもりですか?しかも、メチャ精度高く。

そう逆に聞きたいくらい(笑)

金属加工は豆腐を切るようにはいきませんから!!

もしも、あなたが町工場へ金属加工部品の依頼をする時、いちから材料を調達して作るのか、あるいは既製品に追加修正加工をして欲しいのかによって大きく対応が変わることを念頭に入れておくべきです。

知っておきたい金属部品加工の基本事項

金属加工を町工場へ依頼したい時に、あなたが必ず注意しておいてほしいことがある。

それは、金属の切削をする時には加工物を固定しなければならないということだ。

工作機械メーカーの中には「無限回転」という超高速で刃物を回転させる技術を追求し、切削時における刃物と加工物の間の切削抵抗を限りなくゼロに近づけることを研究しているところもあるようだが、これが実現できれば、加工物の固定という概念は無くなる。

しかし、あくまでも理想の世界だ。

現実は、加工物を刃物で切削するときには必ず切削抵抗が発生する。

したがって、加工物を固定せずに削ろうと回転させた刃物を当てるともちろん、加工物は吹っ飛ぶ。

あるいは、丸形状の部品を削る時に使う旋盤加工の場合だと回転させた加工物に固定した刃物を当てて削る。

ここでも、刃物をちゃんと固定できていないまま回転している加工物に当てると、刃物は吹き飛び、加工物もぶっ飛ぶ。

たぶん、死人が出るだろう。。。。

金属の加工は金属同士をぶつけ合うというイメージを持っておくとよい。

なお、切削以外のワイヤー放電加工や研磨といった加工においても、加工物はしっかりと固定しておかなければならないので同じである。

あなたの手元にある既製品はどうやって固定できますか?

さて、1から金属部品を加工する場合を除き、既製品の追加修正をしてほしいと願う場合。

まずはどうやってしっかりと固定するかを考えてみよう。

例えば、バイス・万力と呼ばれる締付け固定工具により固定する場合。

タイプは様々であり、ネジによって手締めするものや、油圧によって締付けるものもある。

基本的にこのバイスを工作機械にしっかりと固定し、加工物をバイスの口で挟み込む。

こうしたバイス工具であなたの部品は固定できるだろうか?

四角いブロックなどは固定が容易だが、丸い形状だと頭を捻ることになる。

あるいは、三角形、五角形、異形状も同じく。

丸い形状ならばチャックと呼ばれる工具で保持することは可能だ。

このチャックは3つ爪がついているもの、4つ爪がついているものがあるがいずれも爪が中心から放射線状に可動であり丸い形の加工物を固定することができる。

こちらも、手締め、油圧の2つの方式がある。

他にも、製品を直接機械テーブルに押さえ込んで(クランプ)、金属加工するという手段もある。

製品自体が巨大であるとか、異形でバイスでは掴めないというケースではクランプを採用することもあるが、この場合も押さえ込む時に水平に設置できるかどうかが問われる。

適当に押さえ込んでしまうと、どうやって加工時に寸法出しをすればよいのか困ってしまうのだ。

とにかく固定できればOKというものでもない。

ここから、この位置に穴を開けて欲しいとか、ここから、この位置に溝を切って欲しいとか要望があるでしょ?

その位置ってどうやって測るの?

こうなるわけです。

いずれにしても、注意したいのは加工物を掴んだ時に「掴み傷」というのが着いてしまうことがある(必ず着くというわけではない)。

また、肉薄のパイプ形状や薄い板のようなものだと掴んだときに潰れてしまう可能性も大きい。

加工物のどこを掴んでいかに固定するかは、金属加工において最も重要なポイントであることは間違いないので、それを踏まえて相談するようにしよう。

とりわけ、既製品になると保持が難しいタイプのものが多い。

金型から打ち出して作られた異形状の製品は、金型だから作れるものであって、ブロックなどの素材からの削りだしでは加工困難なものが多い。

つまり、加工時の固定ができないものがほとんどなのです。

塗装が施されているものは、塗装が剥げたりすることもある。

そこにクレームを付けられることを懸念すると、どうしても町工場は個人依頼を敬遠するようになる。

既製品の追加修正加工をお願いした時のまとめ

まずは、手元の既製品がしっかりと固定できるものであるかを考える。

基本的に金型を使って作られたのでは?と思うような製品に関しては、ハードルが上がると思ってください。

ただ単純に穴をあけるだけでも、固定に苦労するもの。

固定用に治具(ジグ)と呼ばれる補助具の作成が別途必要になることもあります。

そうすると、加工代+治具代が加算されてしまいます。

加工自体を1000円で出来ても、治具代に5000円以上かかることもザラ。

場合によっては、治具すら難しいものもある。

冒頭で例に出した、望遠鏡の鏡筒なんかは専門の業者に頼まないとかなり難しいでしょう。

とにかく、わからない場合はあちこちの町工場に相談してみればよい。

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