金属表面をザラザラのマット調(梨地)にする方法は?

加工のこと

金属パーツを作りたいけれど、表面は光沢のないザラっとした感じにしたい。

でも、どうやってこんな処理をするんだろうか?と思うことでしょう。

 

ちなみに、光沢のないザラっとした質感の表面のことを「マット」とか「梨地」と呼びます。

ただし、ここで紹介したいのは、プラモデルとかヘルメットなどでよく見る「つや消し」とは違うのでご注意ください。

 

マットブラック

ヘルメットなんかでよく見かける「マットブラック」は、機械加工でこのような光沢のない表面にしているのではなく、ほとんどが塗装です。

Amazonなどでも売っているつや消しスプレーを使うことによって、簡単にマット地ができあがります。

 

 

you tube でも缶スプレー比較を紹介してくれているので参考になりますよ。

 

この動画で紹介されているつや消しスプレーは全部Amazonで買えます。

これらのスプレーはフィギュアなどの仕上げ塗装として使うことはできますが、金属パーツそのものの表面を変えることはできません。

しかも、あくまでも塗装なんです。

剥がれたら元通りになってしまうわけですね。

 

じゃあ、塗装じゃなくて地肌をマット調(梨地)にするにはどうやったらいいのか?

この方法について紹介します。

ブラスト加工

細かい粒子(研磨剤)として砂やガラス、鉄など色々なものを使いますが、この細かい粒子になったものを高速で吹き付けることをブラストと言います。

使う粒子の種類によってはショットブラスト、サンドブラストなどと言われたりもしますね。

 

塗装で吹き付ける塗料の代わりに、細かい石をぶつける感じ。

 

そうすることによって、金属表面に細かい凸凹が無数にでき、光沢のない表面に仕上がります。

ブラストも掘り下げていけば、けっこう深いものなのでここではサラッと表面上のことだけを触れれることにしますね。

 

ブラストを行う目的は、見た目(つや消し)だけじゃありません。

例えば、金属にはつきものの錆を取る目的であったり、塗装の下地であったり、ちょっと専門的かもしれませんが金属加工の後に残るバリを取る目的であったりします。

あるいは、さらに専門的ですが溶接後の熱応力の除去にブラストをすることもよくあります。

 

なので、手持ちの部品のつや消しをしたいなぁと思った場合は、ブラスト業者さんに問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

インターネット検索で「ブラスト加工」と調べるとたくさん見つかると思います。

エッチング

ブラスト加工は細かい粒子をぶつけて物理的に表面の光沢を無くしてしまう方法でしたが、エッチングは化学溶剤をつかって金属表面の光沢を無くす方法です。

 

エッチング

例えば、これはタミヤ  精密ノコギリ エッチング製 プラモデル用工具 と言って、プラモデル用のノコギリなんですが、厚み0.1mmの薄い板状の商品です。

使うときはそれぞれニッパーで切り取って使うのですが、これを作る方法こそがエッチングです。

薄い板をエッチング液で溶かして不要な部分を抜き取っているんですね。

 

ここで注目してほしいのは、商品右下の「TAMIYA」という文字と星マーク。

これは半分溶かす感じで文字や模様を浮き上がらせています(厳密には溶かしているので沈みこませている)。

 

エッチングでは、金属表面をどれだけ溶かすかによって表面のザラツキなどを調整したり、文字や絵柄をつけたりすることができます。

塗料などを使った印刷ではないので、消えることはありません。

 

よくステンレス製のタンブラーなどにもエッチングによって模様をつけているのを見かけます。

もし、何かの機会でエッチングかな?と思うものを見つけたら、よく観察してみてください。

ザラザラしているはずです。

その他の手法による梨地の作り方

アルミ部品の場合、アルマイト処理でマット調にすることが可能です。

業者によってはできないと言われるかもしれませんが、アルマイト屋さんに聞いてみよう。

 

あとは、自分でできる方法として100均などでも売っているワイヤーブラシを使う手もあります。

ただ、ブラスト加工やエッチングしたような表面は得られないので、あまり期待しない方がいいです。

 

ワイヤーブラシをリューターや電動ドリルの先端につけて金属表面をこすることで、無数の細かい擦り傷をつけることができます。

これによって、光沢を消せる。

もともと、錆を取ったりするために使う道具なので表面精度はあまりよろしくないです。。。

それでも、やってみようかなという人は一番コストがかからないのでおススメです。

 

ということで、以上が金属表面をザラザラにする方法でした。

この他に、エンボス加工(シボ加工)という方法もあるんじゃないの?と思った人もいるかもしれませんが、シボ加工はこれらの加工とはまたちょっと違うので別の記事で紹介することにします。

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