「断られてばっかり・・・」部品の量産ってどこに相談すればいい?

町工場

工業系部品の営業で量産案件の引き合いをもらった

月産5,000個

月産10,000個

月産50,000個

って、こんな量の部品加工なんて受けたことない。。。

 

ネットで調べた量産加工をしてそうな会社に問い合わせをしているけれども、返事が無かったり、対応不可だったり。

断られてばっかりでどうしたらいいの????

と思ってしまうことありますよね。

 

数個、数十個レベルの部品加工なら、探せば(単価はさておき)いくらでも加工屋は見つかると思います。

ところが、量産となると難しかったりするんですよね。

その理由の1つが、製造方法によって問い合わせ先を変えないといけないからです。

 

当たり前のことなんですけど、1つの部品を作る方法というのは複数あります。

3Dプリンターで造形したり、切削、鋳造、鍛造、焼結・・・

 

それらを見極めて相談する業者を選ばないと、おそらくその案件は通らないでしょう。

なので、どこの業者に相談したらいいの?という困りごとの解決策としては、その部品はどうやって作るべきかをハッキリとさせるのが近道ということです。

ネジ・ナットの量産

市販されている規格品のナットの場合、鋲螺・螺子製造メーカーが作っていますが

  • 特別な素材で作らないといけない
  • 特注サイズのナットが欲しい

ということになると、オーダーメイドで依頼をしないといません。

 

しかし、量産となると普通の旋盤加工屋とか部品加工屋に相談したところで加工対応は難しい。

1本、2本の特注ナットを作りたいということであれば、別に問題はないでしょうけれども、月産数千個以上必要となると、やはり鋲螺関係に強い業者に相談するのがベターでしょうね。

 

とはいえ、なかなか新参できる業界でなかったりもするので注意です。

ネジ業界も業界人でのつながりがあるので、ネジ商社などに依頼する方がスムーズに仕事が進む可能性は高いかもしれません。

 

ちなみに、うちの会社はネジ関係の部品加工を半世紀近く手掛けてきているので、ネジの量産案件の対応ルートがあります。

  • M3ナット 月産1万個
  • M4ナット 月産5万個
  • M5ナット 月産2万個

など。

 

もしも、ネジ商社さんのルートが無いようでしたら、私(有限会社平野製作所)に連絡頂ければ検討します。

info@hirano-s.jp

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鋳造品・鍛造品の追加工

鋳造や鍛造をした部品は、そのままでは使えないものが多く、機械加工を入れたりすることがほとんどです。

鋳造・鍛造から機械加工まで一貫して対応している会社さんもありますが、部品加工屋がブランク品の支給を受けて機械加工をしているところもあります。

 

 

個人的にはあまり好きではない(得意ではない)ジャンルの量産品です(笑)

 

一応、うちの会社にも量産対応してくれる協力会社さんはありますが、1ロット数十個~数百個レベルのものがほとんど。

気を付けないといけないのは、治具費というものが別途必要になったりします。

 

鍛造品などは、ほぼ製品の形になっているため機械加工をする時にそのままでは掴めない形状だったりします。

そのため、機械加工できるように抑えるための治具を別途専用に作る必要があります。

 

その治具費については、お客さんによって扱いが異なり

製品単価にオンするケースもあれば、別途請求するケースもある。

リピート発注が約束されるものなどは、治具費は請求しなかったりすることもあります。

 

図面に記載された部品形状や寸法公差と素材、そして生産ロット数を見て

  • 冷間鍛造
  • 熱間鍛造
  • 鋳造
  • ロストワックス
  • 焼結(MIM)

などの製造方法の中で、どの方法で作るのがベストかを考えます。

例えば、ロストワックスの場合だと月産10,000個くらいまでが目安です。

冷間鍛造の場合、製品サイズにもよりますが月産数十万個なども可能です。

 

この時に忘れてはいけないのが、金型ですね。

特に冷間鍛造の金型は高価になり、一式で数百万円もザラ。

一方でロストワックスだと数十万円で済むこともあります。

 

鋳造・鍛造は特に技術が奥深いので、専門業者に相談したほうがいい。

機械部品の量産方法の例

「量産」と言っても、製造方法にはいくつもの種類があります。

 

例えば、厚みが0.1mmとか0.05mmのような薄い板状の製品の場合、切削という方法は考えにくいですよね。

この場合はエッチングやプレス加工、レーザー加工になりますので、エッチング業者やプレス板金レーザー業者に相談しましょう。

 

旋盤加工で切削してできるものならば、2mや3mほどの長い棒材を供給して自動で加工するバーフィーダーを持っている量産切削加工業者に相談します。

ブロック状のものならば、鋳造や鍛造を検討しますが、素材によってはブロックから削り出さないと仕方ない場合があります。

その場合は、機械台数を多く保有していそうな切削加工業者に相談するしかありません。

 

量産加工の案件で困ることは、本当はロストワックスなどで作った方が良いのに、削り出しだと思い込んで相談するべく加工業者にたどり着けないことです。

なので、営業職として図面をもらったら、まずは加工方法を考えるようにします。

 

量産案件で気を付けないといけないことのまとめ

量産加工を受ける時に注意しないといけないことがいくつかあります。

  • 梱包仕様
  • 運送費
  • 検査表
  • コンタミの問題

ザっと挙げて、これらのようなことは要注意です。

 

いずれも事前に打ち合わせをしておかないと、後々トラブルになることもあります。

梱包仕様については、仕切りのあるトレーを用意しないといけないとなると資材費がかさみますし、1つの箱の中に入れられる数量も限定されます。

検査表も画像選別機などを使って全数検査が必要なものもあれば、抜き取り検査でOKなものまで様々です。

 

コンタミとは、コンタミネーション(汚染)のことで、製品に関係のない不純物の混入があることを指します。

品質管理において、コンタミ管理を徹底されるような条件にあるかどうかも確認しておくとよいです。

 

最終的なまとめとしては、正直なところ量産加工については量産経験のある業者に相談するが安心です。

メーカー、商社問わず経験の無い者どうしが仕事を受けると、管理が大変です。。。

ただし、条件として製造したい部品はどのような方法で作られるべきなのかを判断してから問い合わせしましょう。

お門違いの問い合わせをして「困ったなぁ・・・」と言わずに済むように。

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