中国の部品加工メーカーで製作してもらった部品を輸送してもらう方法は大きく分けて2つあります。
空輸と海運。
一般的には、小物や軽い物は航空便で送りますが、重量物や量がとても大きくてかさばるようなものは海運を使います。
どちらを使っても荷物は届くのですが、いずれも注意点があるので私の失敗談も参考までに含めて紹介しておきます。
中国からの空輸でよく使う運送会社
中国からの空輸を取り扱っている運送会社はいくつもありますが、認知度と利用頻度が高い業者は限られてきます。
- DHL
- OCS
- FedEx
- 流通王
- 佐川急便
- ヤマト運輸
他にも、小規模の運送会社はいっぱいありますけど、私の周囲でもよく使っていると聞くのはこれらの運送会社だと思います。
この中でも、ダントツで多いと感じるのはDHLとOCSです。
中国メーカーもDHL、OCSのどちらかを利用していることが多いような気がします。
たまに流通王を使うところもありますけど少数派ですね。
余談ですが、個人的にはできるだけ特定の運送業者に決めて利用する方が、運賃が安くなるのでおススメです。
空輸のインボイスに記載する価格捏造に注意!!
中国の部品加工メーカーによっては、インボイスの価格捏造をするメーカーもあるので注意してください。
インボイスというのは、明細書のこと。
- 品名
- 数量
- 価格
主にこれら3つが記載されている明細書のことです。
例えば、1000円の部品Aを10個、5000円の部品Bを10個、10000円の部品Cを10個、まとめて1箱に入れて発送しましたよという場合
部品A 1,000円 10pcs 小計10,000円
部品B 5,000円 10pcs 小計50,000円
部品C 10,000円 10pcs 小計100,000円
という金額になりますよね。
合計で160,000円です。
ところが、中国メーカーによってはインボイスに記載する部品価格を実際の価格よりも安く書き換えて送ってくる業者もあるのです。
例えば、上記の16万円に対して、インボイスには5万円と記載されてあったりするんです。
これは、中国現地メーカーが税金を安く抑えたい理由でやっていることで、本来はダメなこと。
輸出する製品価格が安い方が税金も安くなるってことか。
まぁ、中国現地のことだから放っておこうか。
と思ってはいけないですよ!!
5万円のインボイスで日本に入ってくるわけですが、実際は16万円ですよね。
日本に入ってくると、その製品に対して消費税がかかります。
本来なら16万円に対して10%の消費税がかかるので16,000円なんですが、5万円のインボイスを作られてしまうと消費税が5,000円になってしまいます。(※ここでは分かりやすいように個別の関税などは無視します)
その差額11,000円を知らず知らずのうちにあなたが脱税していることになるんです。。。
なので、放っておくと税関からツッコまれて追徴課税が発生します。
海外取引をしていると、遅かれ早かれ税関が来ますのでご注意ください。
sponsored linkインボイスの価格操作をされてしまったらどうしたらいいのか?
すでに荷物が発送され、届いたインボイスの価格が変えられてしまっている場合は修正申告を1年以内に行います。
DHLの場合は、DHLのカスタマーサービスに問い合わせをして修正申告をしたいとお願いすると、代行してくれます。
費用は1回につき1万円程度。
結構高いです。。。
修正申告の期限は輸入してから1年間なので、DHLに代行をお願いする場合は、できるだけまとめて申告した方が得です。
というのも、DHLでは1回に1万円であって、修正申告する件数(インボイスの数)は関係ないから。
1回の依頼で5通分の修正申告をお願いしても、1通分の修正申告をお願いしても価格は1万円なんです。
※DHLで輸入していない荷物はDHLにお願いしても修正申告はしてもらえません。
DHLで輸入していない荷物の修正申告はどうしたらいいのか?
自分でやるのが難しくて分からないという場合は、輸出入に対応している税理士に依頼しましょう。
今後のことを考えて、輸出入、貿易税務に強い税理士と契約しておくこともおススメします。
一般的な税務はできるけど、輸出入に関してはダメという税理士もいますので間違えないように選ぶべきです。
税理士は税理士ドットコムなどを使えば、早く見つかります。
船便で荷物を送ってもらう場合の注意点
大きな荷物や重量がある荷物は空輸で送ることが困難な場合があります。
空輸で送ることができても、運賃がすごく高額になってしまうこともありますので、船便を使うことが多い。
船便輸送で出てくる言葉がFOBとかCIFです。
いずれも貿易用語ですが、覚えておいた方がよい。
運賃と保険、日本国内に入ってからの通関費用などの諸々の費用をこちら側が負担する場合をFOB。
日本国内に入ってからの通関費などだけをこちら側が負担する場合をCIFと呼びます。
個人的な経験上、多くの場合はFOBが多い気がします。
中国メーカーから「FOB大阪港」のような表記で見積回答をもらったのなら、そこに記載されている費用はあくまでも中国国内の港までの費用。
海を渡る運送費とその時にかかる保険、日本国内に入ってからの諸々の費用は自分で負担してねということです。
なので、運送費の計算を間違えると採算が全く合わないという状況にもなります。
たまに、通関時に荷物のチェックをするからとして、開梱・検査・再梱包に数万円の費用がイレギュラーに発生することがあります。
そんなアホな・・・と思うのは私だけ?
航空便ではDHLやOCSのようにDoor to Doorの輸送が当たり前になっていますが、船便で輸送する場合は事前に中国メーカーへDoor to Doorで輸送するように手配をお願いしておかないと荷物が届かないこともあります。
例えば、最寄の港に荷物が入ってから通関は自分で申請するのか、それとも代行業者に依頼するのか。
通関処理後に荷物はいったん仮の倉庫に保管されるので、自分で引き取りに行くのか運送業者を手配してチャーター便で配送してもらうのか。
港に入ってからの各種処理事項から運送手配までを自分で指示しないといけないのです。
海運と通関処理から運送手配までを一括して代行してくれる業者もあるので、中国メーカーにはそういった業者を利用するようにしてもらうべきかと思います。
そんなことも知らずに、昔、私はどうすれば良いのか分からないまま放置していると、「船から降ろされた荷物が仮の倉庫に保管されているので早く処理手続き等をしてください」と運送業者から来たことがあります。
仮の倉庫は一定期間までは無料なのですが、その期間を超えると1日ごとに保管料金が発生するという恐ろしいことに・・・
その時は通関処理のことも知らなかったので、倉庫保管料が追徴されるのが怖くて、すぐに港の倉庫に荷物を引き取りにトラックで行ったんですけど、結局は通関未処理のため引き出せないと言われあたふたした記憶があります。
その場で運送業者に電話し、通関処理の代行依頼とチャーター配送の依頼をしました。
後日、荷物は無事に届いたのですが、納期の大幅な遅れと共に倉庫保管料の追徴があり、大変な目にあったのです。
そんなことにならないよう、あなたは気を付けてください。
通関申請は自分でもできますけど、すごく面倒なので代行業者に依頼するほうがベターです。
その時には、パッキングリスト(どんな荷物が入っているのかを示す書類)とインボイスが必要になります。
それらは荷物を発送してくれた中国メーカーが用意してくれます。
あと、荷物が通関で引っ掛かってよく止められるという場合、インボイスの記載方法などを見直した方がよいです。
「中国からの荷物が通関で引っ掛かる!?その理由と対策方法」の記事で紹介しているので参考にしてください。
sponsored linkまとめ
中国から部品を輸入する場合の輸送手段として、航空便と船便がありますがいずれの場合もインボイスに記載される価格にはご注意ください。
輸入価格と実際に中国メーカーから送られてくる請求書の金額が異なるといけません。
個人的には運送費の検討がつけにくい船便よりは、できるだけ航空便を利用したいところです。