ブラインドナットが供廻りしてしまう理由と対策方法

ブラインドナット 部品加工の基礎

カシメたブラインドナットがネジと供廻りしてしまって困っているという相談をうけたことがあります。

弊社が売ったブラインドナットを使用してのクレームではなく、純粋に何が原因でどうしたらよいだろうかという相談でした。

 

ブラインドナットを使用している条件によっても原因と対処法は変わりますが、最もオーソドックスな理由と対策方法を紹介します。

カシメが甘い

ブラインドナットは上の画像のように、薄い板にカシメて使用しますよね。

このカシメが弱いと、当然ですがブラインドナットが供廻りしてしまいます。

 

原因はナッターが悪いか、作業する人が悪いか。

どちらかですが、カシメが悪いと見たらすぐわかると思います。

 

ブラインドナットを入れる下穴が大きすぎる

ブラインドナットの各メーカーは使用条件などを出していると思いますが、ブラインドナットをはめる穴径にも基準があります。

 

例えば、ブラインドナットの胴部の径がΦ6だとします。

すると、カシメるための下穴はΦ6に対して0~0.05mmくらいで管理されておくべきでしょう。

 

ところが、Φ6.5とかΦ6.9で下穴加工されていた場合、カシメ部面積が狭くなるので当然弱くなる。

すると、供廻りしてしまうという現象が起こってしまうのです。

下穴径の管理はしっかりとしましょう。

ブラインドナットの供廻りを防ぐ方法

カシメたブラインドナットが供廻りしてしまわないようにする、供廻りしにくくする方法は3つあります。

 

下穴管理を徹底する

まずは基本として、使用するブラインドナットに準じて下穴径の管理を徹底しましょう。

大きすぎる穴にブラインドナットをカシメてしまうと、供廻りするだけでなく傾いてカシメてしまうこともあります。

 

胴部にローレット加工がされているブラインドナットを使用する

ブラインドナットにも種類がありますが、胴部にローレット加工が施されているものを使用するとカシメる力が強くなるのでおススメです。

ブラインドナットの価格もローレット有りと無しでそんなに変わらなかったりします。

 

胴部が六角形になっているヘキサナットを使用する

ヘキサナットと呼ばれる胴部分が六角形になっているブラインドナットは、ローレットタイプのものよりも供廻りしません。

かなり高トルクをかけるネジ部にはヘキサナットを使用する方がよいでしょう。

 

ヘキサナットは胴部分が六角形ですが、下穴は通常の丸穴で大丈夫です。

 

 

以上、ブラインドナットが供廻りしてしまって困る・・・ということについてですが、考えてみれば簡単なことですね。

今、何が原因で供廻りしてしまっているのかを確認すれば、対策方法は簡単に決まりますよ。

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