あなたはもしかして、冷間鍛造や熱間鍛造のヘッダー・フォーマー(ホーマー)に使われるフィンガー、チャック爪と呼ばれる部品の見積りをしても、なかなか注文が決まらないとお悩みでしょうか?
いつもの協力会社に見積りをしてもらったら「高い!」と言われ、そのことを協力会社に相談しても
「加工時間が意外とかかるので仕方ないよ」
と言われたりしていませんか?
どこかの会社が利益も出ないような赤字価格でやっているだろうか・・・・?
と首をかしげたくなりますよね。
しかし、それってある意味チャンスかもしれないですよ。
なぜなら、フィンガーの加工が得意な協力会社を見つけることさえできれば、注文が取りやすい部品でもあるからです。
それに、フィンガーの注文をゲットできればフィンガー以外の部品パーツも色々とあるので引き合いを貰えるようになる可能性もあります。
そうすると、あなたの営業成績もアップして会社での評価も高くなります。
普通に色々な部品加工をしている業者でも、フィンガーの見積りをすると相場よりも随分と高くなってしまうということがあり、新規参入が意外と少ないのも理由の1つです。
この相場というのは、フィンガーの加工が得意な会社がやっている金額です。
なので、不慣れな加工業者が対応しようとすると、どうしても見積りって高くなってしまうんですよ。
チャック爪、フィンガーの加工が得意な加工業者ってどこよ?
チャック爪やフィンガーというのは、消耗品なので他の部品に比べると発注頻度が高い部品です。
しかも、種類はめちゃくちゃ多い。
実は、ウチの会社は長年フィンガーを作り続けてきています。
ウチの会社が作ったチャック爪、フィンガーだけでも年間で100種類以上はあるでしょうし、これまでに加工してきたものだと数百種類あると思います。
ある意味、これはウチの会社の自慢でもあります。
受注さえすれば継続的に色々なタイプのフィンガーが受注できるチャンスが広がるという証拠です。
とは言うものの、現実、フィンガーを相場価格で製作してくれるところは少ないようです。
結局、いつも同じ業者で相見積もりしているようですね。
ウチの会社も複数社から同じ図面の見積依頼が届くことも珍しくありません。
で、結局はどうやって探せばいいの?
となりますが、正直に言うと地道に探すしかないです。
情報を仕入れて探す。
これだけ。
それで見つけたらラッキーという感じでしょうか。
インターネットのホームページとかで、フィンガーの画像とかを載せていたり、フィンガー作りますと書いてあっても、結局は外注に出しているという会社も多いですね。
外注に出すというのが悪いわけではありませんが、依頼する側としては、中間マージンを省くためにも、できることなら直接加工してくれている業者に頼むのが理想ですよね。
フィンガーの加工ってそんなに難しいの?
フィンガーの加工に慣れていないところに見積依頼すると高くなるというのは、海外でも同じです。
中国製などの海外製は安いというイメージがありますし、実際に安いものが多いです。
よほど特殊な材料を使ったり、特別な加工をしないといけないもの以外は安い。
しかし、フィンガーに使われる材質ってS50CやSCM、SKDがほとんどです。
これって特別な材料でもなんでもありませんよね。
それなのに、中国製でもフィンガーになると私たちが1セット5000円、6000円で作っているものに対して、1セット12,000円とか18,000円という見積り金額を提示されることが珍しくないのです。
中国製の方が高いって・・・
「そんなにフィンガーの加工って難しいの?」
何度も言いますが、フィンガーの加工って慣れの部分があります。
慣れているからこそ、相場価格で加工できるのです。
難しいわけではありません。
加工賃が高くなってしまう理由として、フィンガーのチャッキング部分をワイヤー加工や放電加工で対応しているからということがあります。
エンドミルによる切削で加工できるところもワイヤー加工しちゃったりすると、どうしても割高になってしまうんですよね。
あとは、工程を増やせばそれだけ段取り時間がかかるので価格も高くなります。
なかにはどうしても放電加工をしないと作れない設計をしているフィンガーもありますが、これは仕方ないですね。
こういうタイプのフィンガーは中国の協力会社などに相談することで、少しでも価格を抑えることができたりしますので、ウチの会社でも中国にお願いすることはあります。
公差が厳しいフィンガーは・・・・
フィンガーの加工はそんなに難しいものではありませんが、お客様によっては非常に公差が厳しく設定されているフィンガーもあります。
0.001mm単位で公差管理していたりされていると、正直、ウチの会社では対応できませんが、できるところを見つけることができればかなり強みになると思います。
あまりにも公差管理が厳しいものには手を出さないというのも1つの戦略としてはアリかもしれません。
高みを目指すかどうかですね。
チャック爪・フィンガーの注文を集められたら、かなりの金額になる
先ほど、ウチの会社が年間で100種類以上ものチャック爪・フィンガーを製作しているという実績を書きましたが、フィンガーは超硬ダイスなどと比べると1つあたりの単価は安いです。
でも、超硬ダイスよりも圧倒的に受注しやすい部品です(加工先があれば)。
それに、フィンガーが消耗品であるということを踏まえると、フィンガーはかなり儲かる部品でもあるのです。
台湾には、とあるホーマーメーカー専用のフィンガー専門加工業者があるくらいです。
フィンガーに特化しているくらいですから、他社の追随を許さないくらいになれば、めちゃくちゃ儲かるということですね。
それに、フィンガーができるとその他のフォーマーパーツの部品案件の引き合いをもらえたりすることがあります。
例えば送りローラー
線材を送るためのローラーですね。
矯正ローラーとかもあります。
他には、ホルダーやアームなど。
ウチの会社も随分と昔に日本中のフィンガーの注文をかき集めようという作戦をするつもりだったみたいです。
ただ、その時はまだ私も会社に入っていない時で、私の父親が従業員さんと2人でやっていた小さな小さな町工場だったこともあり、会社の資金パワーもないし、在庫を置く余裕もなかったので実行できなかったのです。
マシニングもまだそこまで普及していなかった汎用機全盛の時代です。
最近は少し力もついてきたので在庫は置かないけれども、何とかしてフィンガーをより多く作れる環境を整えられないかと画策中です。
より多くのフィンガーを手掛けることで、少しでも納期を早くできるようにしたいと思っています。
時々、発注漏れでなんとかしてと頼み込まれた時なんかは、頼まれたその日のうちに在庫の材料で作ってしまうこともあります。
超特別ですけど。
これができるのも、ずっとフィンガーを作り続けてきたからだと思っています。
フィンガーの見積りは即日回答します
基本的にはフィンガーの見積りは私がしています。
よほど特殊な工程があるとか、放電加工をしないと作れないという場合を除き、S45C(S50C)やSCMの材質のフィンガーなら、見積り回答は即日返答できます。
※私が出張でいなかったり、一日外出するようなことがある場合は除きます。
なんでそんなに早く回答できるの?するの?
と聞かれることもありますが、早く回答できる理由は経験としか言いようがありません。
ぶっちゃけ、見積り失敗をすることもあります(笑)
でも、図面を見たら何となく感覚で価格が頭に浮かんでくるのです。
過去の経験からこれくらいかなぁという感じです。
綿密に材料代が・・・加工代が・・・送料が・・・というような計算はしてません。
これでいいのかな?と思うこともありますが、その方がスピーディに回答できるし、見積りした価格に合うように何とか加工工夫してます。
もし、フィンガーの見積りでお困りでしたら info@hirano-s.jp まで図面をお送りください。
大阪府柏原市にある部品加工屋の有限会社平野製作所で受け付けています。