オリジナル商品を作って販売したいと思う時に考えるべきこと

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最近、町工場の仕事のあり方をどうやって変えようかと思案を続ける Akimaru です。

もう、すっかり薬剤師業よりも金属加工業の歴の方が長くなってしまいました。

ま、これも運命ですね。

さて、たまに個人の方からも部品加工相談を受けたりしているのですが、金属部品の加工とは削るだけではありません。

曲げたり、叩いたり、熱処理をしたり、溶接をしたり、コーティングやメッキをしたりと様々な工程を含むものがあります。

一般の方が普段目にし、手に取る金属部品は私たち町工場が実際に1つ1つ削って作ったものは意外と少ないのです。

大抵はプレスや鍛造、鋳造などの大量生産できる方法で作られたものが主流です。

だけど、ものづくりが実際にどのようにして行われているかなんて、一般の人はあまり知らないですよね。

だから、限りなく不可能に近い難題だって一か八かで尋ねてこられる場合だってあります。

モノは大量に作るから安い、少量だと高い。

こういう認識はあっても、じゃぁ「大量」ってどれくらいの数からかという質問にスマートに答えられますか?

100個?

1000個?

10000個?

さぁ、どうでしょうかね。

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商品価格の認識の違いは作る側と買う側で異なるということ

モノの値段が「高い」「安い」という認識は消費者目線と製造者目線でかなり異なるということを、ものづくりの世界に入ってから痛感しました。

普段、何気なく店で手に取って見ているものだって、今までは高いなぁとか思っていたんですけれど、もはや職業病のように「これ、どうやってこの価格で作っているんだろう?」なんて思ってしまう自分に気付きます。

先日、友人と工具の話になったのですが、彼は自転車を趣味としカスタムを自分でやっています。

自転車ってママチャリからプロが使うものまで、実は非常に奥が深く、カスタムに使用する工具もスゴイ数を揃えないといけないんだって。

そりゃ大変ですな。

じゃあ、とりあえずホームセンターで最低限いるものだけかき集めるしかないやん。

って言うと。。。

あ~!!分かってないなぁお前は!!

だってさ(笑)

工具もピンキリで、ホームセンターで購入できる安いものから、専門メーカーの高いやつまであるのですが、こだわる人はやっぱり専門工具メーカーを選ぶそうです。

有名な工具メーカーをあれこれと教えてくれるのだが、正直ピンときません。

すまんな。。。

いずれにせよ、ニッチな分野であることは間違いなさそうですが、それなりに市場はあるという。

そんな工具ですが、どんなに専門メーカーの高い工具だとしてもレンチ1本が10万円するようなものはないだろう。

せいぜい数千円~1万円くらいでしょう。

それでも、消費者目線からすれば高いですよね。

友人も「高いやつは4千円とか5千円もするんやで!」と言っていました。

だけど、製造者の立場からすれば、そのレンチ1本を仮にオーダーメイドとして金属を削って3000円で売ろうと思ったら到底無理です。

安すぎる!と感じてしまう。

一般的な価格で工具が買えるのも、大量に作って売れる見込みがある商品だかから実現できる価格なんです。

もしかすると、1本4千円で販売しても利益は数百円あるかないかかもしれませんしね。

つまり、実際に町工場で金属を削っている人間からしてみれば、1つ1つを削って作る時にかかる時間も費用も大体想像ができるだけに、単品加工で作った場合での価格はどれくらいになるのかというものを考えてしまうのです。

もちろん、お店の商品棚に並んでいるものは、大量生産されたものがほとんどなんですけどね。

オリジナル商品を作って販売したい時の生産数

ある日、とあるクラフト協会から弊社に工具を月産100本くらいの量で作って販売してみたいという相談があったのです。

その工具はクラフトで使用するものらしいが、市販品として売られているものはなく、もし商品として販売することができれば販路はある程度確保できる見込みがあるので、商売として成り立つだろうというものでした。

問題はその生産数です。

通常、ペンチにしてもレンチにしてもモンキーにしても、多くの工具類は金型を作って鍛造するのが一般的です。

そして、大量に生産することで、市場に安く提供できるのですが、当然、初期投資として金型代金や設備代が必要になります。

金型の製作にかかる費用は数万円で済む話ではありません。

桁が違います。

なので、これらの初期投資費用をペイするためには、少なくとも何本売らないといけないのか?を計算しておくことが大切です。

仮に製作にかかる金型代金が100万円必要であり、1本あたりの工具製作コストが2000円だとしよう。

これを2500円で販売したならば、1本の販売で利益は単純に500円確保できることになる。

そこから梱包費用やら、運搬費用、事務処理費用などもろもろを差し引いて、残る利益が100円だった場合。

初期の金型代である100万円をペイするためには、10,000本売って初めてスタートラインに立てることになります。

月に100本がコンスタントに完売したとしても、100カ月、つまり8年ちょっと時間がかかる。

実際はこんな単純な話ではありませんけれど、こりゃぁ現実的ではないなと思うでしょ?

オリジナル商品を作って販売したい!と思っても、販売数が数万~数十万くらいの数をさばける見込みがないと、なかなか金型を作ってまで作る意味がなくなってしまいます。

オリジナル商品はまず小ロットで高級志向で攻める?

1枚の絵画が数十万、数百万、時には数千万円もするように、時間をかけて作ったものが高額で売れるのであれば、それはそれで良い。

そこまで高額でないとしても、市場で販売する想定値段が1000円のものだったら5000円で販売すると少ロットでも現実的な話になるかもしれません。

ただ、現実はそうそう容易いものではありません。

今回のような工具の場合、現実的な価格というものもあるし、10個や100個を売ったところで利益などたかが知れています。

やっぱり、ある程度の利益を確保するためには数千個以上は最低でも売りたいところですが、その場合は市販されている他の商品に少し手を加える程度で完成するように設計し、他商品の金型を代用するなどしてしのいだりしないと、厳しいでしょう。

それでも、何とか金型を使わずに100個レベルで町工場などで作るとするならば、1本あたりの販売価格をやっぱり引き上げざるを得ない。

それが難しいならば、マーケティングをしっかりとやって限りなく確実に大量に販売できる目算が整ってから製作計画を立てるべきだろう。

オリジナル商品を作りたい!と思ったときには、まずそれがどんな人たちに購入してもらいたいものなのか?

市場は大きいのか?(購入してくれそうな人の数は多いか?)

プレミアムな価格(付加価値的なもの)をつけることができそうか?

といったことを入念に調べておくことが大切ですね。

削って作るって結構高いんですから。

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